田中 佑来 院長の独自取材記事
桂川歯科クリニック
(京都市南区/桂川駅)
最終更新日:2023/03/14

JR京都線の桂川駅から歩いて約4分。2020年2月に田中佑来(ゆうき)院長が開業した「桂川歯科クリニック」は、“将来を見据えた包括的な歯科治療”をコンセプトに、患者一人ひとりと丁寧に向き合う診療を実施。その場限りの部分的な治療ではなく、口腔内を一つの単位と捉えて、歯が長持ちすることを第一に考えた治療計画を提案している。また、一般歯科から小児歯科など幅広く対応する中でも、特に歯周病治療に注力。その背景や診療への想い、クリニックづくりにおけるこだわりなど、さまざまな話を田中院長に聞いた。
(取材日2020年3月5日/情報更新日2023年2月14日)
思いやりを大切に、住民から信頼される歯科医院を追求
クリニックづくりでこだわったことを教えてください。

患者さんのプライバシーを守ること、スタッフが働きやすい環境づくりをすること、この2つを具現化するために設計段階からこだわりました。1つ目のプライバシー保護については、診察室ごとに入り口を設けて、患者さんとスタッフの動線を完全に区分しました。そうすることで、診察中の患者さんの周りをほかの患者さんやスタッフが通り過ぎることがなく、診察における精神面の負担を軽減できると思ったんです。2つ目に関しては、スタッフの動きやすさを重視して、バックヤードの洗い場から滅菌場までを、業務の流れに沿って横移動できるような設計にしました。患者さん目線に立った「どんなクリニックで治療を受けたいか」、医療従事者として「どんなクリニックで働きたいか」、どちらも欠かせない要素ですから、両方を実現したんですよ。
ご開業にあたり、この場所を選んだのはなぜですか?
僕の地元は京都市西京区で、父は向日市で開業医をしています。なるべく地元の近くで開業したい気持ちが強く、物件を探していました。それらを具現化するにはある程度の立地と規模が必要で。この場所は十分な面積があったため、開業にぴったりの場所だと思ったんです。院内は段差のないバリアフリー構造であることに加え、ベビーカーや車いすで動けるゆとりが必要だと考えていましたし、動線区分などを実現するためにも、思い切って全面リニューアルしました。子ども連れのママさんや自転車で通院される方が雨に濡れてしまわないよう、駐輪場に屋根を設置するなど、細部にもこだわりました。
歯科医師になるまでの経緯をお聞かせください。

幼い頃から父の診療所に遊びに行っていて、診療する父の姿から影響を受けました。また、患者さんから「お父さんはいつも優しいね」や「丁寧に治療してくれたよ」と声をかけていただくことも多く、その度にうれしい気持ちになったのを今でもよく覚えています。実際に父は僕にも優しく、自慢の父親であり歯科医師なんです。そんな父のようになりたいと思い、大学は歯学部に進みました。現在、父の診療所とは連携していて、歯周外科処置が必要な患者さんは当院で治療を受けていただくことが可能です。
歯周病治療に注力。口腔に興味を持ってもらえる診療を
どのような患者さんが来院されていますか?

年齢層はお子さんから高齢の方まで幅広く、中でも20代から50代の働く世代が大半を占めています。新規オープンのクリニックということもあって、検診を希望される方がほとんどですね。検診時に口腔内の状態をしっかりと説明していることもあってか、その後の通院につなげてくださっています。最近はセカンドオピニオンを求めて来院される方も増えています。また、初診はママさんのみで来院されていたのが、その後にお子さんと一緒に診療を受けてくださるなど、家族ぐるみで通院してくれている様子を見るとうれしくなりますね。
歯周病治療に注力されていると伺いました。
歯科医師になって初めて参加した勉強会で、悪くなった部分を治療するだけでは生涯健康な歯を持続させることは難しいと知りました。20年、30年先を見据えて歯を守るためには、口腔内を一つの単位と捉えて、包括的な治療をすることが大切。家に例えると、どれほど素晴らしい部屋や家具があったとしても、土台となる基礎部分がしっかりしていないと安心して住めないですよね。口腔も同じで、土台となる骨や歯茎が健康でないと、歯は長持ちしません。長く歯を残すためには土台となる歯周病治療は欠かせないと思い、注力して取り組んでいます。
診療の際に心がけていることはありますか?

診察時は患者さんとのコミュニケーションを何よりも大切にしています。歯科医師としてどれほど高い技術を持っていても、人と人との信頼関係がないと医療は始まらないと考えているからです。例えば1時間の枠内で4人の患者さんを担当すると、一人ひとりと接する時間は短くなってしまいます。患者さんは不安に思うことも聞けずに、どこか物足りないまま会計に進まれているかもしれません。歯科医師側からしても、しっかり治療するためにはどうしても時間が必要になるんです。そのため当院では、患者さんお1人あたり45分の時間を取っていただき、その中で治療と説明をさせていただいています。説明する際は、治療前後に撮影した口腔内写真をモニターに映し、一緒に見ていただくことも意識しています。
口腔内写真をモニターに映して説明するのはなぜですか?
口腔も内臓と同じで体の一部なので、ご自身のお口の中に興味を持っていただくきっかけになりたいと考えているからです。病気が発覚した日や手術した日を覚えている人は多くても、歯を治療したり抜いたりした日をはっきりと覚えている人は多くありません。だから、小さな虫歯の治療だとしても、ご自身の口腔内の写真を見ていただくことで、より記憶に残ればいいなと思っています。さらに、詳細にデータをとることは次回の治療に役立ちますし、治療前後の状態を比較することもできるので、幅広く活用しています。
歯が痛くなる前にまずは一度受診してほしい
印象に残っている出来事はありますか?

勤務医の頃、他院で「抜歯するしかない」と診断を受けた患者さんを担当したことがありました。その方は歯を残すことを希望されていたので、歯周病に対する外科処置と歯列矯正を組み合わせて治療を行いました。その結果、患者さんはとても喜んでくださり、その笑顔を見て僕もうれしくなりましたね。また、僕が製作した入れ歯を使っている別の患者さんは「噛めないものはない」と言ってくれたことがありました。歯科医師として、患者さんのQOLを一緒に獲得できた時、やりがいを感じましたね。
スタッフも明るい雰囲気ですね。
当院のスタッフは全員、オープニングから一緒にクリニックづくりを盛り上げてくれています。歯科医院での勤務歴がある人やそうでない人、経歴はさまざまですが、みんなで協力しながら診療してくれているので助かっています。メンテナンスは1時間の枠で実施しているのですが、患者さんの口腔内の状態から、歯科医師と衛生士が相談し、メンテナンスプログラムを立案しています。おのおのが主体性を持ち仕事に取り組むように任せていますし、雰囲気良く仕事してくれているんですよ。診療以外にも、「もっとこうしたほうが良い」という意見はどんどん言ってくれて、自慢のスタッフなんです。患者さんや業者さんにも「感じの良い人ばかりですね」とお褒めの言葉をいただきました。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

歯科治療を通してこの地域に住んでいる皆さんに笑顔になってもらいたい、それが僕の願いなんです。治療直後に加えて、数十年後に「あのとき桂川歯科クリニックで治療してよかった」と思ってもらえるような診療を、今後も提供していきたいですね。そして、患者さんにとって何でも相談できる存在でありたいです。例えばお口の中に違和感がある場合、何かしらの理由があることがほとんどですから、まずは気軽に受診していただければと思います。また、歯を長く守るためには定期的なメンテナンスが欠かせません。かかりつけの歯科医院をお住まいの地域で見つけていただきたいですし、当院がその役割を果たしていきたいと思っているので、スタッフ一同努めてまいります。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/〇円~