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田中 佑来 院長の独自取材記事

桂川歯科クリニック

(京都市南区/桂川駅)

最終更新日:2023/06/15

田中佑来院長 桂川歯科クリニック main

JR京都線・桂川駅から歩いて約4分。2020年2月に田中佑来(ゆうき)院長が開業した「桂川歯科クリニック」は、「将来を見据えた包括的な歯科治療」をコンセプトに、患者一人ひとりと丁寧に向き合う診療を実践。その場限りの部分的な治療ではなく、口腔内を一つの単位と捉えて、歯が長持ちすることを第一に考えた治療計画を提案している。また、一般歯科、小児歯科、歯科口腔外科と幅広く対応する中でも、特に歯周病治療に注力。田中院長に、その背景や診療への想い、クリニックづくりにおけるこだわりなどさまざまな話を聞いた。

(取材日2020年3月5日/情報更新日2023年3月1日)

思いやりを大切に、地域住民から信頼される歯科医院に

開業の際、こだわったことを教えてください。

田中佑来院長 桂川歯科クリニック1

患者さんのプライバシーを守ること、スタッフが働きやすい環境づくりをすること、この2つを具現化するために設計段階からこだわりました。1つ目のプライバシー保護については、診察室ごとに入り口を設けて、患者さんとスタッフの動線を完全に区分しました。そうすることで、診察中の患者さんの周りをほかの患者さんやスタッフが通り過ぎることがなく、診察における精神面の負担を軽減できると思ったんです。2つ目に関しては、スタッフの動きやすさを重視して、バックヤードの洗い場から滅菌場までを、業務の流れに沿って横移動できるような設計にしました。患者さん目線に立った「どんなクリニックで治療を受けたいか」、医療従事者として「どんなクリニックで働きたいか」、どちらも欠かせない要素ですから、両方を実現したんです。

この場所を選ばれたのはなぜですか?

僕の地元は京都市西京区で、父は向日市で歯科医院を開業しています。なるべく地元の近くで開業したい気持ちが強く、物件を探していました。僕の思い描く歯科医院を具現化するにはある程度の立地と規模が必要でしたが、この場所は十分な面積があったため、開業にぴったりだと思ったんです。院内は段差のないバリアフリー構造であることに加え、ベビーカーや車いすで動けるゆとりが必要だと考えていましたし、動線区分などを実現するためにも、思いきって全面リニューアルしました。子ども連れのママさんや自転車で通院される方が雨に濡れてしまわないよう、駐輪場に屋根を設置するなど、細部にもこだわりました。

歯科医師になるまでの経緯をお聞かせください。

田中佑来院長 桂川歯科クリニック2

幼い頃から父の歯科医院に遊びに行っていて、診療する父の姿から影響を受けました。また、患者さんから「お父さんはいつも優しいね」などと声をかけていただくことも多く、その度にうれしい気持ちになったのを今でもよく覚えています。実際に父は僕にも優しく、自慢の父親であり歯科医師なんです。そんな父のようになりたいと思い、大学は歯学部に進みました。現在、父の歯科医院とは連携していて、歯周外科処置が必要な患者さんは当院で治療を受けていただくことが可能です。

歯周病治療に注力。口腔に興味を持ってもらえる診療を

どのような患者さんが来院されていますか?

田中佑来院長 桂川歯科クリニック3

年齢層はお子さんからご高齢の方まで幅広く、中でも20~50代の働き世代が大半を占めています。検診で来院される方も多いのですが、口腔内の状態をしっかりと説明していることもあってか、その後の通院につなげてくださっています。最近はセカンドオピニオンを求めて来院される方も増えていますね。また、新しくマンションが建設されていることもあって、ご家族での来院も多いです。初診はお子さんの診療で、その後にママさんが診療を受けられるなど、家族ぐるみで通院してくれている様子を見られるとうれしいですね。

歯周病治療に注力されていると伺いました。

歯科医師になって初めて参加した勉強会で、悪くなった部分を治療するだけでは生涯健康な歯を持続させることは難しいと知りました。20年、30年先を見据えて歯を守るためには、口腔内を一つの単位と捉えて、包括的な治療をすることが大切。家に例えると、どれほど素晴らしい部屋や家具があったとしても、土台となる基礎部分がしっかりしていないと安心して住めないですよね。口腔も同じで、土台となる骨や歯茎が健康でないと、歯は長持ちしません。長く歯を残すためには土台となる歯周病治療は欠かせないと思い、注力して取り組んでいます。

診療の際に心がけていることはありますか?

田中佑来院長 桂川歯科クリニック4

診察時は患者さんとのコミュニケーションを何よりも大切にしています。歯科医師としてどれほど高い技術を持っていても、人と人との信頼関係がないと医療は始まらないと考えているからです。例えば1時間の枠内で4人の患者さんを担当すると、一人ひとりと接する時間は短くなってしまいます。患者さんは不安に思うことも聞けずに、どこか物足りないまま会計に進まれているかもしれません。歯科医師側からしても、しっかり治療するためにはどうしても時間が必要になるんです。そのため当院では、患者さんお一人あたり45分ほどの時間を取り、その中で治療と説明ができるようにしています。説明の際は、治療前後に撮影した口腔内写真をモニターに映し、一緒に見ていただけます。

口腔内写真をモニターに映して説明するのはなぜですか?

口腔も内臓と同じで体の一部なので、ご自身のお口の中に興味を持っていただくきっかけになればと考えているからです。病気が発覚した日や手術した日を覚えている人は多くても、歯を治療したり抜いたりした日をはっきりと覚えている人は多くありません。だから、小さな虫歯の治療だとしても、ご自身の口腔内の写真を見ていただくことで、より記憶に残ればいいなと思っています。さらに、詳細にデータを取ることは次回の治療に役立ちますし、治療前後の状態を比較することもできるので、幅広く活用しています。患者さんごとに丁寧に治療と説明をすることを心がけていますので、どうしても時間がかかってしまうんですね。最近は、当院に通院されている患者さんの紹介で新しく来院される方も増えてきているのですが、すべての方の診察ができず、心苦しく感じることも多いです。

歯が痛くなる前にまずは一度受診してほしい

印象に残っている出来事はありますか?

田中佑来院長 桂川歯科クリニック5

勤務医の頃、他院で「抜歯するしかない」と診断を受けた患者さんを担当したことがありました。その方は歯を残すことを希望されていたので、歯周病に対する外科処置と歯列矯正を組み合わせて治療を行いました。患者さんはとても喜んでくださり、その笑顔を見て僕もうれしくなりましたね。歯科医師として、患者さんのQOLの向上が図れるとやりがいを感じます。

スタッフの皆さんも明るい雰囲気ですね。

患者さんや業者さんにも「感じの良い人ばかりですね」とお褒めの言葉をよくいただきます。スタッフは主体的に仕事に取り組んでくれているので、助かっています。受付スタッフは、患者さんを明るくお迎えするだけでなく、患者さんの治療内容に応じて診療枠の調整をしてくれます。また、アシスタントスタッフは、診療中に私が次にしたいこと、必要器具を理解してくれているので、率先して準備をしてくれます。そうすると、より集中して治療に取り組め、治療の速度やクオリティーを上げることにもつながります。歯科衛生士は治療計画の段階から連携をとり、歯周病のコントロールのみならず治療後の長期予後の獲得に必要なメンテナンスを行っています。互いにコミュニケーションが取れていることは、患者さんへの対応にも影響します。全員が当院の治療コンセプトを理解してくれているからこそ、良い循環ができていると思います。本当にありがたいですね。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

田中佑来院長 桂川歯科クリニック6

歯科治療を通してこの地域に住んでいる皆さんに笑顔になってもらいたい、それが僕の願いです。治療直後だけでなく、数十年後に「あの時桂川歯科クリニックで治療して良かった」と思ってもらえるような診療を、今後も提供していきたいですね。そして、患者さんにとって何でも相談できる存在でありたいです。例えばお口の中に違和感がある場合、何かしらの理由があることがほとんどですから、まずは気軽に受診していただければと思います。また、歯を長く守るためには定期的なメンテナンスが欠かせません。かかりつけの歯科医院をお住まいの地域で見つけていただきたいですし、当院がその役割を果たしていきたいと思いながら、スタッフ一同努めてまいります。

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