野村 尚弘 院長の独自取材記事
ウェルビーイング内科クリニック船橋法典
(船橋市/船橋法典駅)
最終更新日:2026/06/11
木製の柱や梁、明るい日差しが温かな雰囲気の「ウェルビーイング内科クリニック船橋法典」は、日本内科学会総合内科専門医であり日本腎臓学会腎臓専門医でもある野村尚弘院長が2020年に開いたクリニック。地域に根差した診療の中で、生活習慣病や腎臓病を早期発見し、適切な対処でそれらの重症化を防ぐことに力を注ぐ。「ウェルビーイングとは、単に病気を治療することだけでなく、患者さん一人ひとりが幸せになれる方法を考えること」と笑顔で語る野村院長に、腎臓病に強みを持つ同院の特色や診療内容などを詳しく聞いた。
(取材日2026年5月25日)
腎臓病の早期発見と早期治療、予防に力を入れる
クリニックの特色についてお聞かせください。

一般内科と腎臓内科に対応しています。一般内科はさまざまな体調不良や、生活習慣病で適切な管理が必要な患者さんなどが対象で、腎臓内科は慢性腎臓病・腎不全・慢性腎炎・ネフローゼ症候群など腎臓病を治療中の方が主な対象です。加えて、健康診断で腎臓機能の低下が疑われた方、尿タンパクや尿潜血などの検尿異常を指摘された方の再検査と、診断に基づく治療などを行います。腎臓の病気というと、腎臓の働きの一部を人工的に補う「透析治療」という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。透析治療は腎臓病が進行した患者さんにとって不可欠な治療ですが、当院ではできる限り透析治療になる前に病気を食い止めることをめざし、さらには腎臓の病気にならないために予防のお手伝いをしたいと考え、人工透析内科ではなく腎臓内科を掲げています。
最近、よく聞く「慢性腎臓病」ですが身近な病気なのでしょうか?
日本透析医学会が行った調査によると、慢性透析療法を受けている患者数は2024年時点で約34万人おり、2021年をピークに減少傾向にはあります。一方で、透析治療を必要とするまで至っていない、慢性腎臓病(CKD)の患者数は推計2000万人で、国民の5人に1人がCKDというかなり身近な病気です。まれに、急激に腎臓の働きが悪くなるケースもありますが、ほとんが慢性的にゆっくりと腎機能が低下していき、10年から20年かけて腎不全、透析治療が必要な状態となるケースが多いです。万が一悪くなった場合も、適切な治療や管理により腎臓への負担軽減を図り悪化を遅らせることをめざす治療の選択肢があります。
腎臓病とうまく付き合って生活することは可能なのですね。

そのとおりですが、やはり早期発見・早期治療が大切なのは言うまでもありません。腎臓病の要因となる生活習慣病は、血圧測定や尿検査でリスクの程度がわかります。初期の自覚症状がほぼない腎臓病を早期に発見するためには、糖尿病や高血圧などの生活習慣病の管理をしっかりと行うこと、さらにさかのぼれば定期的な健康診断が重要なのです。腎臓病はこれだけ身近な病気でありながら、専門とする医師は少なく、健康診断の受診率も十分とはいえません。私は船橋市医師会の会員として、市の健康づくり課とも協力しながら、健康診断を通じての生活習慣病や腎臓病の早期発見、その後の地域内での医療連携の仕組みづくりに取り組んでいます。現代では新たな薬も開発され、一般内科で慢性腎臓病の経過観察を行うことも可能になりました。皆さんの健康への意識に加え、医師側の意識も変えていかなくてはならないと考えています。
生活習慣病を放っておくと重度の腎臓病に至ることも
腎臓病と生活習慣病にはどのような関連性があるのでしょうか?

高血圧や糖尿病、肥満、喫煙などは、腎臓病の進行を早める大きな要因です。動脈硬化によって腎臓への血流が低下したり、過剰ろ過によって腎臓に負担がかかったりすることで、腎機能は徐々に低下していきます。腎臓は全身の血管の状態を映し出す臓器でもあり、腎臓病と生活習慣病は密接に関わっています。そのため、腎臓病の予防や進行抑制には、検査値だけを見るのではなく、血圧、血糖、脂質、体重、喫煙、睡眠、食事などを総合的に整えることが重要です。当院では高血圧症、糖尿病、脂質異常症の治療はもちろん、肥満症、睡眠時無呼吸症候群、禁煙の外来、管理栄養士による栄養相談、健康診断などにも力を入れ、生活習慣のレベルから患者さんの健康を支援しています。
先生の診療方針についてお聞かせください。
患者さんの10年後、20年後を見据え、処方したお薬で症状を抑えることを図ったり血圧や血糖値を下げることをめざしたりするだけでなく、適切な食事の取り方、体にいい運動の習慣などもアドバイスして、透析治療や脳梗塞・心筋梗塞になるリスクを減らすことを目標にしています。患者さんに多少努力していただく部分もあるかとは思いますが、あまり無理を重ねても長続きしません。ですからお一人お一人の話をよく聞き、疑問や不安などを理解し、共感し、可能な限り一緒に解決していきたいと考えています。私は腎臓病の患者さんを長年診てきましたが、患者さんに多い合併症である生活習慣病の治療経験も豊富ですから、皆さんの健康維持にもお役に立てると思います。
そのお考えは、院名の「ウェルビーイング」とも関連しているのでしょうか?

ええ、ウェルビーイングは幸福、健康と訳されますが、もともとは「身体的、精神的、社会的に良好な状態にある」ことを意味する概念です。単に病気でない状態だけでなく、病気にならないよう予防することもこれに含まれると考えています。だからといって、病気になった方はウェルビーイングがまったく望めないのではなく、その病気と上手に付き合いながら生活を楽しむこともウェルビーイングにつながると私は考えています。例えば生活習慣病は患者さんがこれまで続けてきた生活に起因する病気ですが、数値を改善するために厳しい食事制限を課したり、無理な運動を続けたりしても、その方が将来的に幸せになれるとは思えません。当院の掲げる理念は「医療を通して健康と幸せに貢献する」。単に病気を治療することだけではなく、どうしたら患者さん一人ひとりに幸せになっていただけるかを、当院では一緒に考えていきたいと思っています。
地域に根差し、患者のウェルビーイングの向上に努める
とても開放感がありすてきな院内ですが、こだわられたところは?

ありがとうございます。待合室は患者さんが一番過ごすことが多い場所なので、お待たせしている間もなるべく快適に過ごしていただけるように配慮しました。車いすで来院される方のためにバリアフリー設計なのはもちろんのことですが、通路や診察室のドアも広めに設計し、天井の吹き抜け、窓からの採光、椅子の形など細部にまでこだわりました。そして、ただ待っているだけではなくて、少しでも健康に関してや病気の知識を深めていただきたいと思い、テレビモニターでスライドショーを流したり、院内にポスターを掲示したり、病気についてのパンプレットを用意しています。当院がめざすのは、信頼されるクリニック、話しやすいクリニック、そして利用しやすいクリニック。「また来たい」と思ってもらえたらうれしいです。
先生はなぜ腎臓内科をご専門にされたのですか?
大学卒業後、武蔵野赤十字病院での臨床研修を、さまざまな診療科を一通り経験するスーパーローテーション形式で受ける中で、内科全般に興味を持ちました。そこで内科のいずれかの分野を専門にしたいと考えたのですが、特に私が卒業した東京科学大学の腎臓内科は、機能が低下した腎臓の働きを補う透析治療において、患者さんの腕から血液を取り出す管を取りつける手術を行うなど、内科でも外科的な処置までできる点が魅力でした。また、透析の患者さんが重いけがや病気になった場合は呼吸や脈拍などの様子を慎重に診ていく全身管理を行い、透析までは至らない患者さんには生活習慣病の管理、慢性腎臓病と合併しやすい心筋梗塞や脳卒中などの予防も行うなど、カバーする範囲が幅広かったことも興味深く、腎臓内科を専門に選びました。
最後に地域の方にメッセージをお願いします。

当院は慢性腎臓病の他、高血圧症、糖尿病など生活習慣病の治療にも強みを持ったクリニックです。こうした患者さんは完治が難しく、病気とうまく付き合っていただくことが大切です。通院も長期にわたりますが、なるべく気軽に安心して受診していただけるよう、居心地の良い院内で笑顔のスタッフがお迎えします。地域に根差したクリニックとして、患者さんの「ウェルビーイング」の向上に努めてまいりますので、どうぞお気軽にお越しください。

