村瀬 熱紀 院長の独自取材記事
かすがい関節・スポーツ整形外科 いたみのクリニック
(春日井市/牛山駅)
最終更新日:2024/05/15
「かすがい関節・スポーツ整形外科 いたみのクリニック」は、春日井市大手町の住宅街で、2020年4月に開業した。院長を務めるのは日本整形外科学会整形外科専門医、日本リウマチ学会リウマチ専門医の資格を持つ村瀬熱紀(むらせ・あつのり)先生。幅広い治療と検査を行っているため、遠方から通う患者も少なくない。まるでスポーツジムのような明るく開放的なリハビリテーション室を備える同院では、リハビリによる運動療法に注力し、複数人の理学療法士が常駐する。理学療法士の担当制が採用され、患者への丁寧なケアを図っている。村瀬院長に、同院の特徴と強みや今後の展望をじっくりと聞いた。
(取材日2024年4月16日)
リハビリに注力し、専門性の高い理学療法士が専任する
こちらのクリニックの特徴や強みを教えてください。
当院ではリハビリによる運動療法を基本として、スポーツ障害や関節の痛みなど整形外科の各種症状の診療にあたっています。患者さんの幅は広く、年代はスポーツ障害に悩む中高生から肩や腰の痛みを訴えて来院する高齢者までさまざまです。患者さんの予定に合わせて通いやすいクリニックをめざし、ウェブ予約の活用や診療時間の延長など工夫しています。普段の診療からリハビリ、手術までを一貫して対応できる点が当院の特徴です。力を入れているリハビリにおいては、理学療法士がそれぞれハンドボールの高校生チームや地域の野球チームなどのサポートをしている人たちで、一人ひとりが専門分野の対応にあたっています。痛みの部位やスポーツの競技ごとに理学療法士を選定する担当制で、より患者さんに寄り添ったリハビリの提供に努めています。
リハビリに注力していらっしゃるのですね。
適切な診断に努め、それに基づいて理学療法士が患者さん一人ひとりに合わせた方法でリハビリ指導を行っています。整形外科では手術がよく用いられますが、実は手術後のリハビリがとても大切です。体の老化を止めることはできませんが、リハビリを行うことで体の機能維持や不調のカバーをめざし、患者さんのQOL(生活の質)の向上を図っていきます。毎回対応する理学療法士が変わる医療機関もあるようですが、当院では担当制を採用しています。患者さんがリハビリの途中で挫折しないよう、基本的に1人の患者さんに1人の理学療法士がつき、こまやかな指導を心がけています。スポーツ障害の場合休むことも重要ですが、試合を控えてどうしても休めない患者さんがいるのも事実です。その場合は、本人と相談しながら長期的な目線でリハビリのスケジュールを立てるように工夫しています。
診療を支える設備面について教えてください。
当院には、3つの診察室と体育館をイメージした明るく開放的なリハビリ室があります。リハビリ室には、幅広い年代の方が利用できる機器を充実させています。他にも1.5テスラのMRIも導入し、常駐の検査技師による精度にこだわった検査を提供しています。最近は、新たに健常組織へのダメージの軽減を図りながら痛みの原因を取り除くことをめざす先進の機器も導入しました。総合病院と変わらないような質の高い医療提供をめざして、幅広く対応できるクリニックづくりに励んでいます。また、院内はバリアフリー設計で、リハビリ室以外は土足のまま入れるので、靴を脱ぐためにかがむ必要もありません。2階のリハビリ室に上がるための院内エレベーターや膝の悪い人でも座りやすい椅子なども含め、痛みを抱える患者さん目線でのクリニックづくりを徹底しました。
患者目線の医療をめざして開業
開業までの経緯を教えてください。
5歳離れた兄が医学部に進学したことに影響を受けて、医師の道を志しました。整形外科を選んだきっかけは、私自身もスポーツをしていて医師の立場でもスポーツに関わりたいと思ったからです。愛知医科大学医学部を卒業後は整形外科を専門に総合病院で経験を積みました。開業前に勤めていた春日井市民病院では、手術を中心に幅広い診療を提供してきたのですが、次第に患者さんが通いやすい環境の中で診療を行いたいという思いが強くなり、2020年4月に開業しました。現在は、診療から手術、リハビリまで一貫して対応しています。開業してからは、勤務医時代に比べて一人ひとりの患者さんに時間をかけて向き合うことができるようになりました。より深く長く患者さんに寄り添えることに、医師として非常にやりがいを感じています。
村瀬院長の専門分野と、クリニックがめざすものは何ですか?
私の専門分野はスポーツ医学で、特にスポーツ障害に注力しています。スポーツ医学の観点からMRI検査や筋力測定などを行い、患者さんの治療方針の決定に役立てています。整形外科の難しさは手術やリハビリの方法が多岐にわたることですが、患者さんの笑顔が見られた時は医師として喜びを感じます。また、ケガをしたその日のうちにできる限りの医療提供をするための体制強化を図っています。スタッフを増員し、夕方以降の時間帯でも急な患者さんに対応可能です。その日のうちにできる限りの処置をすることで、患者さんが安心して治療に臨めると考えているので、今後もこの体制を継続していきたいです。
リハビリにあたる理学療法士さんについても詳しく教えてください。
地域のクリニックとしては、充実した人数の理学療法士を配置できていると自負しています。当院では、「背骨ならこの人」「サッカーのケガならこの人」というように、理学療法士それぞれが専門分野を持っています。一人でさまざまな症例に対応する場合に比べて、より専門的な経験を重ねられると考え、このようなそれぞれの専門に特化した担当制を採用しています。患者さんの痛みのある部位やスポーツの種目ごとに、専任の理学療法士がリハビリを提供し、ケガを防ぐためのアドバイスができることが当院の強みです。また理学療法士が担当制なので、患者さんの小さな変化にいち早く気づくことにもつながり、適切なフィードバックと治療ができると考えています。
先進の検査機器で早期発見・早期治療に努める
日々どんなことに気をつけながら診察にあたっていますか?
とにかく早く異常や原因を見つけてあげることです。それに尽きますね。発見が遅くなれば治療に時間がかかりますし、初期にこれをしておけば良かったという事態も防げるでしょう。そのために、忙しくてもなるべく早い段階で検査をするようにしています。検査機器も1.5テスラのMRIや精度にこだわった骨密度計を導入しました。遠方から来てくださる方も多いので、再び来院してもらう手間を省くためにも、その日のうちに検査をする努力をしています。他にも、患者さんの症状は丁寧にヒアリングしますね。ケガをした当時の状況や痛みの続いている期間、慢性か急性かを伺った上で、科学的エビデンスに基づく治療方針を決定します。当院では必要に応じて手術やリハビリにも対応できるので、うまく活用して症状の緩和を図っています。
今後の展望についてお聞かせください。
まだ全然動き出していませんが、いずれは名古屋市など別の地区に分院を設けたいと考えています。今なら分院ともウェブで手軽に会議もできますし、当院と切磋琢磨していけるでしょう。仲間が増えればその分だけパワーが上がっていきます。あと、現在理学療法士が取り組んでいる当院以外の現場のサポートをしながら、そこで学んだことを当院で取り組み、逆に当院で経験したことを他の現場で生かして、スタッフに研鑽を積んでほしいと思っています。私も当院以外の現場チームをサポートして、スタッフが活躍できる場をどんどん増やしたいです。そして、最終的には自分たちが経験してきたことを発表していきたいですね。
最後に読者の方々へメッセージをお願いします。
当院はリハビリによる運動療法に注力し、幅広い検査機器や治療機器を取りそろえています。そのため、遠方から来てくださる方も多く、お待たせしてしまう状況が多々発生してしまいます。待ち時間の短縮は、当院の課題でもあり、常に短縮できる方法を模索しておりますので、ご理解いただけますと幸いです。その一方で、お待たせしてしまう分、「ここに来て良かった」と思っていただける治療をめざして日々努力しています。先進の機器を用いた検査での病気の早期発見と、幅広い治療の選択肢を用意して早期治療に努めています。患者さんを治療していきたいと思う気持ちは誰にも負けません。皆さんのお声にきちんと耳を傾け、丁寧に診察させていただきます。