山崎 靖人 院長の独自取材記事
やまさき小児科
(福岡市早良区/賀茂駅)
最終更新日:2022/09/22
「幸せは笑顔から 」がモットーの福岡市早良区にある「やまさき小児科」。2019年11月の開院以来、山崎靖人院長は親が笑顔でいることが子どもの幸せにつながるという思いから、診療時間の設定など共働き家庭への配慮も欠かさない。地域のかかりつけ医として「どんなことでも相談してほしい」とほほ笑む。小児科に加え、日本腎臓学会腎臓専門医の資格も持ち、福岡市の学校検尿も担当。アレルギー疾患や夜尿症、予防接種など子どもに関する悩みに幅広く対応している。また、待ち時間軽減と感染症対策のために問診までできる時間予約制を採用していることや、待合室を一般、感染、健診と予防接種の3つに隔離していることも大きな特徴。今回、2児の父でもある山崎院長に、診療に対する想いを聞いた。
(取材日2020年7月7日)
共働き家庭の手助けをしたいと思い、この地域で開業
まず、医師になったきっかけからお聞かせいただけますか。
小学生の頃から、将来の夢は小児科の医師か小学校の先生だったんです。いろいろ考えた結果、子どもと触れ合えて医療も提供できることから小児科の医師を選びました。父も小児科の医師だったのですが、医師になることを勧められたことは一度もないんですよ。でも、小さな頃から父を見てきましたから少なからず影響は受けていると思います。一つ共通して言えることは父も私も「子どもが大好き」であるということ。これは間違いなく同じです。
この地域で開院された理由もお聞かせください。
私は神戸生まれの広島育ちなのですが、大学進学がきっかけで福岡に来ました。もう20年以上住んでいますし、福岡は日本で一番住みやすい県だと思っています。私が通っていた福岡大学がこの近くにあったのでなじみもありましたし、保育園や幼稚園の数がすごく多い地域であることも、ここで開院した大きな理由ですね。そういったことから共働き家庭も多いことが予想されましたので、その手助けもしたいという思いもありました。ですので診療時間も朝8時半から18時半までと、お子さんの送迎前後に連れて来ることが可能な時間帯にしました。
院内は広いプレイルームや、部屋数の多さなど随所にこだわりが感じられる造りですね。
プレイルームを広くしたことと、数も含め隔離室をしっかり設けたところはこだわりです。パーティションの代わりに色とりどりのカーテンで仕切りをしたり工夫もしました。新型コロナウイルスが流行する前から感染症対策には力を入れた造りを考えていましたので、そこはしっかりと取り組めていると思います。もともとはプレイルームの玩具もたくさん置いていたのですが、感染症対策で今は全部撤去しています。あと、診察まで車の中で待機していただく場合には、フードコートにあるような呼び出しブザーも導入しました。診療は、患者さんにアンケートを取った結果、順番制ではなく、時間帯での予約希望が多かったので、予約制にしています。ただ、混んでしまうとお待たせする可能性もありますが、急な処置などがなければうまく回るので、忙しい共働き家庭の親御さんには特に喜んでいただいています。
入ってきた瞬間から五感を使って感じ取る診療スタイル
日本腎臓学会腎臓専門医の資格もお持ちだと聞きました。
腎臓は学問として面白そうだなと思い勉強したのですが、研修医になってすぐに勉強していて良かったと実感しました。腎臓はいろんな臓器に関連しているんですね。また、体のほとんどは水分でできていますし、そういった水分管理も腎臓にかかわってきますので、必然的に全身の管理をすることにつながります。そのように腎臓について深く学んだことで、全身を詳しく診ることができるようになったのが今の自分にとって強みになっています。知識だけではなく、思考も腎臓を勉強していることで鍛えられ、思考が鍛えられると他にも応用できるので物事を理論的に考えることもできるようになりましたから、そこは大きいですね。診療においては、お子さんのおねしょに関しての相談を受けることもあります。その際もお子さんの全身を診て、お話を聞いて診断やアドバイスをすることを意識しています。
うまく言葉で伝えることができないお子さんの診断はどのようにされるのですか。
入ってきた瞬間から診察です。いわゆる目で診る視診ですね。五感を使って感じ取っていく診療スタイルです。それが小児科の医師のスキルでもあると思います。それとお母さんの言葉はとても重要で、お母さんが感じる「何かおかしい」という点はだいたい合っています。ですので、こんな些細なこと、関係ないことだと思われることも遠慮なく伝えてほしいです。それはうちに限らず、どの小児科に通われてもそうしていただきたいですね。われわれよりもお母さんが感じたことのほうが合っていることはいくらでもあります。それだけ母親の直感というのは正しくて、逆を言えばわれわれが医学的に関係ないからと受け入れないのは絶対にしてはいけないことなんです。ですので、どんな些細なことも聞き逃さないようにしています。
では、コミュニケーションを取るためにどのようなことを心がけていますか。
子どもであっても対等に目を見て話しかけるということですね。一人の個として接しています。親御さんに関しては、こちら主導で話すこともありますが、基本的には親御さんメインで話してもらい、診察後は「伝え残されていることや、他に気になることはありませんか?」と必ず聞くようにしています。そこから最終的に話を引き出して幅広い話をしたり、よりコミュニケーションが図れるような雰囲気づくりを心がけています。診察の際は、画面を見ながらキーを打つのではなく、患者さんの顔や目をしっかり見て診察することを心がけています。診察の時はスタッフに横についてもらって代わりに打ってもらっているんです。代わりにスタッフがやってくれるおかげで、診察に集中できています。
子どもの医学の基礎は笑顔。親が笑顔でいることが大事
そのようなことからもスタッフの存在は大きいようですね。
非常に大きいです。スタッフのおかげで診療に集中することができていますから。特にうちは予防接種に力を入れていて、前後の説明を丁寧にすることを徹底しています。予防接種は種類や時期などスケジュールを組むのが大変ですし、初めてお子さんを持つお母さんの場合、戸惑われる方も多いですからね。そこはスタッフがきっちりフォローしてくれているので、安心して任せています。あと診察前の問診や、診察までのリレーション。症状によって、待っていただく部屋を分けていますから、そのあたりの判断や準備も的確にやってくれていますね。当院のスタッフは常に看護師5人、受付3人になるようシフトを組んでいます。スタッフには本当に支えてもらっていますね。
また、アレルギーにも力を入れているそうですね。
そうですね。当院では、特に食物アレルギー、喘息、アトピーに力を入れています。食物アレルギーに関しての指導は、具体的にどういうものをどれくらい食べるか等の指導をしています。アトピーに関しては、皮膚への薬の塗り方の指導をさせていただいております。喘息は、定期的に来てもらい、しっかりお話をしております。また、吸入機の貸し出しを行っております。アレルギーの指導では、パンフレットを使ってわかりやすく説明することも心がけています。
最後に地域の皆さんへのメッセージをお願いします。
笑顔になることが一番だと思っています。子どもが笑顔になるためには親が笑顔にならないといけません。自分が幸せでなければ人を幸せにすることはできませんからね。子どもの笑顔のためには、まずは親御さんが笑顔になること。これを大事にしていただきたいなぁと思います。私は子どもの医学の基礎は笑顔だと思っていますから、当院がその手助けになれるとうれしいです。もっと地域の皆さんになじんで「ここに来てよかった」と思ってもらえるような、笑顔あふれるクリニックをつくっていけたらと思っています。