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金子 達夫 院長の独自取材記事

金子クリニック

(前橋市/赤坂駅)

最終更新日:2026/09/08

金子達夫院長 金子クリニック main

前橋市の東部、東上野町の畑や民家が広がるエリアに「金子クリニック」はある。入り口付近はれんが調のタイル貼りで、温かみが感じられる建物だ。院内は車いすでも通行しやすいバリアフリー設計、待合室は木目調と淡い水色の壁でリラックスできる雰囲気が漂う。院長を務める金子達夫先生は、病院勤務時代に数多くの心臓外科手術を執刀してきたエキスパート。研鑽を重ねた技術と経験から自身のクリニックを開業して7年、心臓や血管を中心とした循環器内科・循環器外科を中心に「何でも診る」というスタンスで、地域住民の健康を幅広く支え続けてきた。「健康第一で、頑張りすぎは疲れるから、疲れない程度に頑張る」とユーモアたっぷりの若々しく優しい金子院長に、さまざまな話を聞いた。

(取材日2026年8月18日)

内科と外科、どのような症状も幅広く診られる強み

まず、先生のご経歴から聞かせてください。

金子達夫院長 金子クリニック1

群馬大学卒業後、第2外科に10年間在籍し、さまざまなローテーション病院や県内外の病院を回りました。1989年に東京の虎の門病院に臨床研修に行ったのです。僕はもともと心臓外科医で、現在の上皇さまが天皇在位中に受けられたことでも知られる冠動脈バイパス手術をそこで学び、先進の技術を群馬県に持ち帰りました。そして現在の群馬県立心臓血管センターに着任し、平成の間約30年間ずっと数多くの心臓外科の手術を手がけました。そこで2018年に定年を迎えるまで勤め上げて、1年間の猶予を取って2019年10月に当院を開設しました。その途端に、翌年明けから新型コロナウイルス感染症が拡大し、新型コロナウイルスの流行とともに始まるといった感じでした。

こちらのクリニックの診療内容を教えてください。

「内科・外科」という順で看板を出しています。あえて内科をトップに持ってきたのは、その方が患者さんにわかりやすいだろうと。僕は基本は外科医ですが、外科を先に掲げると、ケガなどの患者さんに限られてしまいがちです。それでは、来院のハードルが高いですよね。ケガの人以外は来院されないでしょうから。もともと心臓とか不整脈とか、循環器系の診療をしていましたので、そういった患者さんにもわかりやすく来院しやすいようにと「内科・外科」という順番にしました。皮膚の診察も可能です。まえばし医療センターに当番医で行っている時などは、主に外科を診ています。

内科と外科、どのような患者さんが多いのですか。

金子達夫院長 金子クリニック2

どのような症状の人が来られても、幅広く対応できるようにしています。内科はどちらかというと投薬や薬で治療する。外科は消毒したり、切ったり貼ったり縫ったり、そういう治療を主体にしてます。心臓や血管を中心とした循環器内科外科をメインに、多いのはやはり高血圧症の患者さんです。あとは足の症状、下肢静脈瘤、血管が腫れたりする症状の患者さんもよく診ます。エックス線、心電図、心エコー、血圧測定、血液検査、血管年齢検査をはじめ、不整脈の24時間心電図も当院でできます。いきなり病院に行くのはハードルが高いですから、まず最初の受け口として、地域の「かかりつけ医」のスタンスでやっています。家族ぐるみで、2~3人で一緒に診察に来るというファミリーもあります。

長年の経験を生かし、今が一番診療に打ち込める時期

先生が医師をめざしたきっかけは何だったのですか。

金子達夫院長 金子クリニック3

中高生の頃は理系に憧れていました。理系のスペシャリストって、頭の回転が良くて発想が違うのです。数学とか物理の天才的な人は、パッと一直線に答えに向かいます。だからそういう人にはちょっと太刀打ちできないと悟って。僕はどちらかというと文学少年で、文系の友達がいたのですけど、彼にも発想がすごいなと感服するところがあって。じゃあ自分は文系と理系の間、真ん中はどこかと考えたら、医学だったのです。そういう消去法で医師の道を選びました。あとはやっぱり人が好きでないとできない仕事ですからね。毎日人との関わりがあるという点もあったため、医学の道に進みましたね。

外科を専門とされたのはなぜですか。

昔からプラモデルを作ったりするのが好きで、器用さで適職だと思った部分もありますね(笑)。心臓のバイパス手術というのは、ルーペで見ながら行うのですよ。本当に細かい世界です。1mmの血管を手縫いでつなぎ合わせるのは、なかなか大変です。実は、最初は脳神経外科に行きたかったのです。ですが、いろいろ見学などするにつれ、やはり一部でなく全身を診たいと思うようになりました。それで最初は一般外科を選び、10年間で、さまざまな心臓以外のおなかの手術を手がけました。その後は、心臓一筋でした。今はそういうベースを基にして、地元の人のお役に立ちたいと考えています。まだ70代なので。今が一生懸命できる時だなと自分では思っています。

ご自身の健康のためにされていることはありますか。

金子達夫院長 金子クリニック4

車社会の群馬県ですが、なるべく車を使わないことですね。自転車で通勤しているので、外に置いてある自転車は僕の物です。そして、なるべく体を動かすことです。大学時代はワンダーフォーゲルをしていまして。同級・同窓などの地元のネットワークは今もあります。僕は千葉県の海の近くで育ったのです。ところが、大学で群馬に来たら山しかない。ならば山登りしようと、赤城山・榛名山・妙義山、上毛三山はほとんど登りました。県境一周もしましたね。谷川岳は何回登ったかわからないほどです。今は無理せず、尾瀬にハイキングに行くぐらいですね。健康第一で過ごしています。あとは自宅の前の畑で農作業をしてます。「半農半医」と言えそうです(笑)。キュウリとかナスとか、スイカやカボチャも結構なりましたよ。手を真っ黒にして、日に当たりながら、自分たちで食べる分だけ育てています。

50年間変わらない思い「すべては患者のため」

ご子息も医師の道を選ばれているそうですね。

金子達夫院長 金子クリニック5

子どもは4人、全員男です。上の2人が文系で、下の2人が理系で医師をしています。まあ、ちょうど半分半分で良いのではないかと。1人は泌尿器科、1人は私と同じ心臓外科医です。息子のほうが先進の医療をしているわけですから、私のほうが息子に相談をしています。心臓移植手術のために、日本国内をジェット機で飛び回っているようです。40代、人生の働き盛り、それでいいのですよ。各々の場所で頑張っていれば。けど、僕は妻に足を向けて寝られません。ずっと仕事一筋で、夜中でも手術に行って朝になって帰ってきたりと、脇目も振らずやってましたから。

長く経験を積んでこられて、今どのようなことを思われますか。

変わらず思うのは「For the Patient(すべては患者のため)」です。僕の座右の銘です。医師になった当初から心がけてきて50年近くになります。病院勤務で多くの手術をしてきた時と、クリニックを開業し診療をしている今とで、患者さんの見方が変わってくるのです。病院勤務の頃は、極端に言うと病気しか診ないのですよ。病気を治療するのが仕事ですからね。今は患者さん全体を診て、その家族背景とか仕事とか、その中から患者さんにとってどのような医療が一番良いのかを考えるというふうに変わってきました。70代になると、やはり高齢者に共感できますね。僕も高齢者の仲間ですから。患者さんから、こちらが元気をいただいているということもあります。頑張りすぎると疲れるから、ほどほどに。健康第一で疲れない程度に頑張るのがいいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

金子達夫院長 金子クリニック6

心配なことがあれば何でもいいですから、来てください。内科・外科すべてをカバーします。皮膚科だって診ますから。脳神経外科などは専門ではないですけど、その振り分けはちゃんとしますよ。この人はこの病院へ行ったほうがいいなとか、そういうアドバイザーや、適切な場所への振り分けを行う「ディストリビューター」の役割をしますので。とにかく来てお話をして、それからきちんと考えます。私は自分自身のことも「高齢者の一人」だと思っていますから、同じ目線で地域の皆さん、高齢者の方にも寄り添うことができると思います。