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澄川 靖之 院長の独自取材記事

すみかわ皮膚科アレルギークリニック

(札幌市中央区/西15丁目駅)

最終更新日:2021/10/12

澄川靖之院長 すみかわ皮膚科アレルギークリニック main

市電西15丁目駅から徒歩1分。クリニックモールの2階に「すみかわ皮膚科アレルギークリニック」はある。院長の澄川靖之先生は、日本皮膚科学会皮膚科専門医と日本アレルギー学会アレルギー専門医として、長年アレルギー性皮膚疾患の研究と治療に携わってきた。その豊富な経験と専門性を生かした診療が特徴で、遠方からも多くの患者が通院している。アトピーなどの疾患は経過が長くなることが多いため、一人ひとりの患者に寄り添いながら、治療の目的とゴールを丁寧に説明していくことを大切にしている澄川院長。皮膚科の医師をめざしたきっかけや、診療に対する思いをたっぷり語ってもらった。

(取材日2020年10月15日)

豊富な診療経験を生かし、アレルギー疾患の治療に注力

まず、先生が医師をめざしたきっかけについて教えてください。

澄川靖之院長 すみかわ皮膚科アレルギークリニック1

私の父も医師だったということで、最初はなんとなく医学部をめざしていたという感じでした。その後、自分自身が長年アトピー性皮膚炎に悩んできた経験があったので、その研究をしたいという思いがあって皮膚科を選びました。私の母校では免疫・アレルギー関連に力を入れていたので、そこで研究をしていけばアトピーが治せるようになるのではないかと考えたのです。

この地で開業しようと思った理由はなんですか?

先に開業を決めてから場所を探したというよりも、札幌医科大学の近くで良い場所があったら開業しようと考えていました。もともと、札幌医科大学で7年ほど診療を行ってきましたので、その時の患者さんを開業後も引き続き診ることができ、医大との病診連携もしていくためには、この場所は最適だと思ったのです。皮膚科の中でも、アトピー性皮膚炎に力を入れているところというのは、北海道ではまだそれほど多くないので、遠方から来院される患者さんも多くいます。そのため、開業するにあたって交通の便が良いというのも大切なポイントでした。

こちらに来院される患者さんはどのような主訴が多いですか?

澄川靖之院長 すみかわ皮膚科アレルギークリニック2

圧倒的に多いのは、じんましんとアトピー性皮膚炎で、だいたい全体の7割くらいはそういった患者さんですね。また、近頃は新型コロナウイルス感染症の予防でマスクをつけているからか、ニキビに悩む患者さんも多くなっていると思います。当院の患者さんは、新規で来院される方ももちろんいるのですが、他のクリニックを何軒か回ったけれど、症状が良くならなくて来院される方も多いんです。例えば、じんましんというのは、急性の場合も慢性の場合も原因を特定できないものも多いのですが、基本的には薬を飲んで症状が悪化しないようにしていくというのが一般的な対処法です。ところが、処方された薬が効かないということも結構あって、そういう患者さんが来院するケースも多いですね。

悪循環を断ち切り、上手にアレルギーと付き合っていく

アレルギー性皮膚疾患の治療について、詳しく教えていただけますか?

澄川靖之院長 すみかわ皮膚科アレルギークリニック3

金属アレルギーや化粧品によるかぶれなど接触皮膚炎の場合には、何が原因になっているのかを特定し、使用をやめることで症状の改善をめざすことができます。ところが、アトピーやじんましんといった、慢性に経過するアレルギー性皮膚疾患は、アレルギー反応を起こしているのは確かですが、原因が特定できないものも結構あるんです。例えば、慢性のじんましんは、何かのきっかけで症状が出ると、それによってまたじんましんが誘発されて悪循環に陥り、ずっと症状が出続けてしまうのです。同様に、アトピーの場合も皮膚のバリアが弱いから刺激を受けてしまい、それにより炎症を起こしてかゆくなり、かくことでまた皮膚のバリアが壊れて刺激を受けてしまうということを繰り返してしまいます。ですから、アレルギー性皮膚疾患の治療では、原因を特定することはそれほど重要ではなくて、この悪循環を断ち切ることが、最も大切なことだと考えています。

具体的に、どのような点に重点を置いて治療を行うのでしょうか?

「日常生活に困らないレベルまで症状をコントロールする」ということです。アトピーやじんましんの患者さんの中には、つらい症状がずっと治らないままの状態で過ごしている人も多いのですが、今は新しい治療薬も出ているので、実は重症の場合であっても何とか対処できるケースがほとんどです。例えば、アトピーやじんましんなどの治療には、数年前から注射薬が使えるようになったのですが、患者さんがその注射によってアナフィラキシーショックを起こしてしまう可能性があったり高価だったりすることから、積極的に使用している病院・クリニックは多くありません。もちろん、注射薬にはメリットとデメリットがありますが、せっかく良い治療法があるのなら、私はそれを選択肢の一つとして、患者さんのところまで届けることが大切だと思っています。

診療の際に心がけていることはありますか?

澄川靖之院長 すみかわ皮膚科アレルギークリニック4

患者さんに説明する時間はできるだけしっかり設けるようにしています。特にアトピーや慢性のじんましんのように経過が長くなる病気に関しては、治療プランと見通し、病気に対してどう向き合っていくのかということを患者さんにお伝えし、長く上手に付き合っていってもらうということを大切にしています。例えば、アトピー性皮膚炎だと診断されると絶望的な気持ちになってしまう方も多いと思うのですが、私は診療の最初に「アトピーは治ることが望めます」ということをあえてお伝えするようにしているんです。そうした上で、アトピーとはどういう病気なのかということから、スキンケアの方法まで丁寧に説明していくので、初診の場合には、結構時間をとってお話をすることになります。

より良い治療法を提供するために啓発活動にも注力

印象深い患者さんとのエピソードなどはありますか?

澄川靖之院長 すみかわ皮膚科アレルギークリニック5

研修医時代に最初に受け持った患者さんのことは、今でも心に残っています。その方は尋常性天疱瘡という病気だったのですが、症状がどんどんと悪化していって、もう助からないのではないかという状態にまでなっていたのです。でも、私としては、最初の患者さんを死なせてしまうわけにはいかないという思いがあったので、必死で治療にあたっていました。そのような中、ある時データをよく眺めていたら、「この治療ならいけるじゃないか」と思えるものを見つけることができたんです。それで、実際にその治療を行ってみたのです。その後の経過に患者さんご自身もすごく喜ばれて、感謝の言葉をいただきました。その方とは今でも交流があるんですよ。

今後の展望についてもお聞かせいただけますか?

今後も、アトピー性皮膚炎やじんましんなどで困っている患者さんを、少しでも良い状態に治していきたいと思います。アトピーというのは治る時代になってきていますので、新しい治療法などの情報発信や啓発活動にも力を入れていきたいと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

澄川靖之院長 すみかわ皮膚科アレルギークリニック6

アトピー性皮膚炎というのは、治療を始めるタイミングが早いほど治療しやすく、大人になってからでは悪循環が続いて治りが悪くなってしまいます。アトピー性皮膚炎の予防には乳幼児期からのスキンケアが重要ですので、皮膚のトラブルを抱えているお子さんは、できるだけ早くに受診していただきたいと思います。当院はアレルギー性疾患に力を入れて診療を行っていますので、アレルギーでお困りの場合には一度お気軽にご相談ください。何科を受診したら良いのかわからない症状の場合も診療し、場合によっては専門のクリニックをご紹介することもできます。

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