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高島 格 理事長の独自取材記事

新宿外科クリニック

(新宿区/新宿駅)

最終更新日:2023/10/13

高島格理事長 新宿外科クリニック main

JR線や京王線、小田急線などさまざまな路線が乗り入れる新宿駅の南口から甲州街道沿いに徒歩7分のビルの5階に「新宿外科クリニック」は位置する。鼠径ヘルニア、下肢静脈瘤、透析アクセスの日帰り手術に特化したクリニックだ。患者と理事長の高島格(たかしま・いたる)先生が一緒に撮ったスナップ写真が飾られているのが印象的。穏やかな口調で話す高島先生に、開業までの経緯や、長年手がけてきた日帰り手術をはじめとする診療内容について詳しく話を聞いた。

(取材日2023年9月22日)

手術を受けて喜んでもらえるように

開業への思いについて教えてください。

高島格理事長 新宿外科クリニック1

私は東京医科歯科大学を卒業後、さまざまな病院で外科医として勤めてきました。20代の頃のことですが、乳がんの患者さんの乳房全摘手術を担当したことがありました。自分としては良い治療ができたと思っていたのですが、後日お会いした患者さんは乳房を失った悲しみのほうが大きく、たいへんつらい思いをされていました。お話を伺うと、周囲の勧めもあって自分の気持ちの整理がついていないのに手術を急いでしまったのだと。治療というのは手術の良し悪しだけではなく、手術前後の患者さんとのコミュニケーションがいかに大切だったのかということを痛感した出来事でした。その後、日帰り手術を行うクリニックとして2007年に当院を開業しました。日帰り手術という利便性を重視した医療を提供したかったこともありますが、一番は手術を受けて喜んでもらえるようなクリニックを作りたいという思いからでした。

患者さんの不安を取り除くための工夫はありますか?

当院で行う手術は鼠径ヘルニアなど、命に関わることは少ない病気の手術です。昔は手術といえば入院が伴うのが当たり前でした。入院というのは患者さんにとって心理的な負担が大きく、多少なりとも気が滅入ってしまうもの。術後の回復期には患者さんの気持ちが特に重要だと考えています。病室で安静にするよりも、日帰り手術でその日に自宅に帰り、日常生活の中で体を動かすほうが身体的にも心理的にも、早い回復が見込めると考えています。また、当院で一番大切にしていることは、患者さんに明るい気持ちで手術を受けてもらうこと。手術前はあえて他愛もない話をするんです。会話に意識がいくので痛みや怖さも和らぎますよね。当院のスタッフは皆話し好きなのでついつい話を盛り上げてしまうのですが、話している間に準備が進んで、気がついたら手術は終わり、緊張する暇もなかった、というのが理想ですね。

日帰り手術の流れについて教えてください。

高島格理事長 新宿外科クリニック2

患者さんをお待たせしないよう、完全予約制としています。初診のご予約を電話やオンラインで取っていただきます。初診で手術の適応を判断し、手術のご希望があれば手術や麻酔の方法についてご説明します。その後、術前検査と看護師から手術前後の注意点などをお話しします。初診の所要時間は1〜1.5時間です。2回目のご来院が日帰り手術当日です。手術時間や休息時間を含めると大体2時間ほどでしょうか。術後から歩行可能ですので、歩いてご帰宅いただけます。1週間後に傷口を見せていただき、その2ヵ月後に経過観察を行い、問題がなければ終診となります。術後の再診日の所要時間は20〜30分です。初診から最終診察日までの来院も4〜5回で、通院頻度も最小限にしています。大学病院等だと1日がかりになる内容でも、日帰り手術なら所要時間も通院頻度も最小限にできることを多くの方に知っていただき、早めに治療を受けていただきたいですね。

鼠径ヘルニアと下肢静脈瘤の日帰り手術の概要

高島先生が得意としている鼠径ヘルニアと下肢静脈瘤の日帰り手術について教えてください。

高島格理事長 新宿外科クリニック3

鼠径ヘルニアは、太ももの付け根の膨らみで気づくことが多い病気です。鼠径部の筋膜の緩みで腸が出てしまい、脱腸とも言います。多くの場合は痛みがなく、様子をみるように言われることも。放置すると腸が戻らなくなり、激痛を伴う嵌頓という状態になるので早めの治療をお勧めしています。鼠径部小切開手術と内視鏡手術の2つの方法で行い、病歴や体格などを診て適応を決めます。下肢静脈瘤は脚の血管が瘤状に浮き出る症状が特徴の病気です。脚の静脈の弁が壊れ血液が鬱滞してしまい、ボコボコした瘤状の血管やむくみ、重だるさが現れます。進行すると潰瘍ができることもあるので、こちらも早めの治療をお勧めします。下肢静脈瘤の手術はカテーテルでのレーザー手術で侵襲も少なく、術後の痛みも少なくなりました。どちらの手術も「寝て起きたら終わっていた」という感覚で手術を受けていただけるよう静脈麻酔を用います。

鼠径ヘルニアと下肢静脈瘤の手術に注力するようになったきっかけは何ですか。

鼠径ヘルニアの手術は外科手術の中では比較的難易度が低く、新人外科医が手習いとして行うことが多い手術です。私もがんのような悪性疾患の手術を任されるようになると、鼠径ヘルニアの手術をやる機会がなくなってきて。新人医師を指導する立場になって改めて手術してみると、結構難しくて奥が深いものだと思い、それから熱心に取り組むようになりました。下肢静脈瘤はフランスの病院の血管外科へ留学した際に師事していた先生が得意としており、その先生がきっかけで興味を持ちました。静脈は動脈と比べると血管の走行に個人差が大きく、患者さんに合わせて手術のやり方を変える必要があり、これもまた奥が深いと思いました。当時勤務していた病院で自分以外に鼠径ヘルニアや下肢静脈瘤に興味を持つ外科医は少なかったこともあり、ほとんどの手術を自分が担当するようになりました。得意と思えるようになったのはこの時に多くの経験を積めたおかげですね。

院長の岩嵜友視先生が透析アクセスやシャントの手術を担当されていますね。

高島格理事長 新宿外科クリニック4

岩嵜院長は私の大学の医局の後輩です。血管外科を専門としており、特に透析アクセス治療に熱心に取り組んでいる医師で非常に高い技術を持っています。人工透析は腎不全の方にとって生命の維持に必要なもの。透析アクセスは人工透析を行う上で重要なものです。透析アクセスは急に狭くなったり、詰まってしまったりすることもあり、そうなると透析ができなくなりますので、急患の方も多いです。治療後や翌日に透析クリニックに戻って人工透析を行うことが多いので、透析アクセス治療も日帰り手術向きの手術です。当院では透析アクセス治療、管理、シャント作成手術等を行っています。連携している腎臓内科の先生からの依頼が多いですが、患者さん自ら受診されることもあります。

明るい院内の雰囲気の理由とは

院内には高島先生による近隣のグルメマップがありますが、食べ歩きがご趣味なのですか?

高島格理事長 新宿外科クリニック5

そうですね。外食した際はお店の接客など、当院の雰囲気づくりに参考にすることもあります。レストランのクチコミを見ると、満足したのは食事よりスタッフの雰囲気であることも多いのです(笑)。手術の技術はもちろんですが、私やスタッフの対応で気持ち良く帰っていただきたいとも考えています。

スタッフの皆さんの雰囲気もあってか、クリニックの院内は明るいですね。

はい。たとえ日帰り手術であっても、手術を受ける前の患者さんが不安を感じないようにしてもらいたい、と思っています。また、もともと手術を受ける患者さんに喜ばれたいという思いで始めたクリニックですから、患者さんが何か言いたいことがあっても言えないような、権威主義的な雰囲気も避けたいと考えています。院内には患者さんと私が一緒に撮った写真を貼るなどしていますが、これもスタッフのアイデアです。患者さんと明るく楽しくコミュニケーションを取りながら診療や手術を受けてもらいたい、という思いで続けています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

高島格理事長 新宿外科クリニック6

鼠径ヘルニアや下肢静脈瘤は一般的には良性疾患と言われる病気ですが、患者さんにとって、手術はやはり怖く、少しでも先延ばしにしたいと考える方は多いかもしれません。また、手術への恐怖感はなくともお仕事などで時間が取れず、なかなか受診できないという方もいると思います。当院では長年日帰り手術を行っているので、患者さんの不安をできるだけ軽減し、かつスムーズに手術を行えるように心がけています。進行する病気ですので、悪化してから手術をするよりも早めに手術をしたほうが「より良く」「より楽に」治すためにも早めの受診は大切です。少しでも症状にお悩みのようでしたら当院にご相談ください。

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