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高橋 大樹 院長の独自取材記事

前橋みなみモール眼科

(前橋市)

最終更新日:2021/10/12

高橋大樹院長 前橋みなみモール眼科 main

前橋南ICそばの大型ショッピングモール内にある「前橋みなみモール眼科」。買い物ついでに受診できる便利な場所にあり、さまざまな機械がそろっているのが特徴だ。「昔なら見落とされていた症状も、現代の検査機器ならより細かく確認ができ、診断に役立てられます。だからこそ何もなくても検診を受けてほしいんです」と、院長の高橋大樹先生は話す。1日の診療が終わると「今日も楽しかった」と思えるほど、患者と接するのが好きだという高橋先生。診療にかける想いや、気になる目の病気について詳しく語ってもらった。

(取材日2021年6月18日)

先進の検査機器で目の疾患の早期発見を

このエリアに開業された経緯をお聞かせください。

高橋大樹院長 前橋みなみモール眼科1

私は東京出身ですが、母方の親戚が群馬にいて、この辺りにはよく遊びに来ていたんですよ。実は母の実家は、国の重要文化財に指定されている住宅で、築500年の歴史があります。そのため文化庁関係のイベントも多く、その手伝いに行くことも頻繁にあったものですから、母の実家の近くにいたいと思い、ここでの開業を決意しました。ショッピングモール内を開業場所に選んだのは、生活圏内にあるほうが患者さんの通院に便利だと思ったからなんです。実際に、ご主人が受診されている間に奥さんが買い物を済ませることも多いようですね。隣のコンタクトレンズ販売店とも提携するなど、患者さんの利便性を重視しています。

クリニックの特徴について教えてください。

さまざまな目の病気を精密に検査して診断、そして治療に生かしていくための機器をそろえています。一般的な視力検査用の機器に加えて、例えば眼圧を測る機器、コンタクトレンズが安全に使用できているかを確認するためのマイクロスコープ、緑内障や糖尿病黄斑浮腫などを調べる光干渉断層計、緑内障や白内障の治療に用いるレーザーなどがあります。お子さんの受診も多いため、小さなお子さん向けに絵を使った視力検査もあります。また、平日は忙しい働く世代の方々のために、土日祝、どの日でも受診いただけるように体制を整えています。

診療の際に心がけていることはありますか?

高橋大樹院長 前橋みなみモール眼科2

患者さんは何か知りたいことがあって受診されるのですから、お話をよく聞いて疑問に答えることを大切にしています。患者さんが知りたい内容と、医師が話したいことがずれている場合もよくあるんですよ。例えば「目がゴロゴロしている」と言って来られた患者さんを診たら、網膜に穴が開いているのが見つかるなんてこともあり得ます。その場合、当然、網膜の穴のほうが深刻ですが、まずは患者さんのゴロゴロを解決してからでないと医師の言うことを聞く気になりませんよね。ですので、当院ではまず患者さんの求める疑問を解消してから、医師として必要なことを話すようにしているんです。私は患者さんと医師はフラットな関係だと思っています。医師は人の体のメンテナンスをする係であって特別な職業ではありません。気を使わずに何でも話してほしいですね。

緑内障・白内障・飛蚊症の治療に注力

先生が特に注力されている治療は何ですか?

高橋大樹院長 前橋みなみモール眼科3

高齢者に多い緑内障や白内障です。これらは初期段階では自覚症状がほぼなく、かなり進行してから見つかるケースも多いんですよ。特に緑内障は一度なってしまうと、元の状態に戻すことはできませんので、早期発見が重要な鍵となります。少し前までは、緑内障を初期段階で見つけるには目の奥を目視で調べていくしかなく、見極めるのが難しく見逃されることもありました。ですが今はとても便利な検査装置が開発されたので、ずいぶん早い段階で発見することも可能になりました。けれど、医師が「緑内障がないか確かめよう」という積極的な姿勢で検査しなければ、発見が難しいことに変わりはありません。当院では検査体制を充実させ、この緑内障の早期発見に取り組んでいます。40歳以上の20人に1人は緑内障にかかっているという調査もありますから、年齢を重ねたら何もなくても定期的に検査を受けることをお勧めします。

白内障についても教えてください。

白内障は、目の中のレンズが濁ることによって起きます。これは年齢を重ねれば少なからず誰にでも起きるとされている現象なのですが、10代と30代の目でも、既に透明度が違うんですよ。白内障は仮に進行してしまっても、手術で濁りを取って人工的なレンズを入れることで対応が可能です。言わば失明を防いでいくためのゴールキーパーがいる病気なので、必要以上に心配することはありません。それでもなるべく自分の目を長持ちさせたいとお考えなら、早い段階で発見して進行を抑制させていく目薬などを使うことをお勧めします。このように治療の選択肢はいろいろあるので、検査してご自分の病状を知った上で、適切な治療法や手術について一緒に考えていきましょう。

他に、早期発見が重要な目の病気はありますか?

高橋大樹院長 前橋みなみモール眼科4

飛蚊症といって、目の前に糸くずのような浮遊物が見える症状があります。これには治療の必要のない生理的な飛蚊症と、病的な飛蚊症があって、多くは生理的な飛蚊症です。若い人に飛蚊症の症状が現れる場合は、目の中にあるコラーゲンの繊維が少し不透明になっているのが原因で、それが影となってアメーバのような浮遊物が見えます。それ以外の飛蚊症の大半は加齢によるもので、網膜についていた膜が離れて丸いリング状に浮き上がり、それに光が当たって影ができることから浮遊物が目の中を動いているように見えます。これら2つの場合は異常ではないので安心ですが、まれに気をつけるべき病的な飛蚊症も出現するので注意が必要です。

気をつけるべきものとは?

一つは、膜が離れているところと離れていないところの間にエッジができて、目を動かすたびに引っ張られる状態になっているケースです。そうなると光が走ったように見える光視症という症状が出ます。もう一つはもっと深刻で、膜の癒着が強い部分に穴が開く場合があります。すると血液が飛び散って点が見えたり、もっと傷が深いと網膜に穴が開いて網膜剥離の原因になる危険があります。これを放置すると数日で網膜剥離が起きてしまうことも。この場合は、レーザーで処置して穴の周りに堤防を作ってあげることで剥がれるのを防いでいきます。このように、一部に深刻な症状が隠れていることもあるので、自己診断せずに気になったらすぐに眼科を受診してください。

天職と思える眼科診療で患者の役に立っていきたい

先生はなぜ医療の道へ?

高橋大樹院長 前橋みなみモール眼科5

医師になると決めたのは中学1年生。父方の祖母が後妻で、血のつながっている祖母は昔、乳がんで亡くなったという話を聞かされたときでした。それが衝撃的で、がんを治す人になりたいと思いました。そうして念願の医学部生になりましたが、実際に大学で臨床に携わるようになると、当初考えていたがんの治療よりも、眼科の診療のほうが断然興味がわいてしまいまして。迷いましたが、さまざまな診療科での研修を受けた後でも、やっぱり眼科が一番面白いと感じたので、一生の仕事として眼科の医師を選びました。その後、日本眼科学会眼科専門医の資格も取得しました。

これまで診療されてきて、気になることはありますか?

近視の低年齢化が最近ますます顕著になっているように思います。近くで物を見る時間が連続して長くなると近視が進むということがわかっていますが、パソコンやタブレットの普及によってそれが進んでいるようです。一昔前なら学校では黒板を見て、ノートを見てを繰り返していましたが、今のようにずっと手元を見ているとピントが切り替わる機会が少なくなり、どうしても近視が進行してしまうことが多いのです。対策としては、30分間近くを見たら、30秒でもいいので5メートルほど先の物に目の焦点を合わせるといいですよ。

最後に患者さんへメッセージをいただけますか?

高橋大樹院長 前橋みなみモール眼科6

私は患者さんを診療することが大好きで、一日患者さんの診療に集中していると「今日も楽しかった」と心から思えるほどなんですよ(笑)。診療を通じて少しでも多くの患者さんの役に立ちたいですし、特に緑内障、白内障など早期に発見すれば進行を遅らせていくことが期待できるような病気に関しては、精密に検査を行い、いち早く適切な治療につなげたいと考えています。なるべく早く見つかれば、進行するスピードを遅くしていくこともできるでしょう。人生の長い間、見える生活が送れます。高齢の方は、自覚症状がなくても定期的に検診を受けていただけるとうれしいです。

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