筋膜リリースや理学療法で
肩こりや腰痛の治療を
やら整形外科
(福岡市早良区/野芥駅)
最終更新日:2023/09/05
- 保険診療
日本人の国民病ともいえる肩凝り。あって当たり前と思われがちだが、医療機関を受診して適切に診療を受ければ、つらい症状の改善をめざすことが可能なのだそう。2019年に開院した「やら整形外科」では、肩凝りをはじめ、膝・肩・腰の痛み、骨粗しょう症、骨折などのけが、関節リウマチなど、体のさまざまな不調に対して幅広いアプローチで診療を行っている。繰り返す肩凝りの痛みを緩和していくための方法として積極的に取り入れているのが、超音波で痛みの原因となる筋膜を確認しながら注射を打つ筋膜リリース(ハイドロリリース)だ。さらに、薬剤療法や理学療法士によるリハビリテーションを併用することで、根本的な痛みの解消を図る。肩凝りの原因や治療の方法について、屋良貴宏院長に詳しく話を聞いた。
(取材日2020年12月24日/情報更新日2023年8月28日)
目次
筋膜リリース注射やリハビリテーションを併用して、慢性的な肩凝りに根本からアプローチ
- Q肩凝りにはどんな原因があるのですか?
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A
肩凝りの原因の多くは、僧帽筋などの肩周りにある筋肉の疲れや血行不良です。長時間のデスクワークやパソコン作業、スマホ操作、読書など、下を向く姿勢を続けていると、肩周りの筋肉が緊張して、肩凝りになりやすくなります。最近は新型コロナウイルスの影響で、家でじっとしている時間が増え、20代〜50代の若い世代を中心に肩凝りを訴える方が急増しています。症状がひどくなると、頭痛や吐き気、背中の痛み、眼精疲労、顎関節症など、全身の病気を引き起こすこともあります。また、重大な病気が隠れているケースもあるので、早めの受診をお勧めしています。
- Qこちらでの治療の流れや方法を教えてください。
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A
先ほど申し上げたように、肩凝りに思いがけない病気が隠れていることもあるため、診察による理学所見とエックス線の検査をもとに診断を行います。これらの検査により他の疾患による肩凝りが除外されたら、痛みに応じて、投薬治療、筋膜リリース注射(ハイドロリリース)、理学療法士によるリハビリテーションなどを行います。最近では、患者さん自ら筋膜リリース注射を希望される方が多いですね。診察において重視しているのは、患者さんのお話をよく聞くことです。急に肩凝りがひどくなったという場合、何か原因があるはずなので、最近、生活スタイルに変化がなかったかどうかを詳しく伺うようにしています。
- Q筋膜リリース注射とは、どのようなものですか?
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A
エコーで筋膜の状態を見ながら細い注射針を刺し、痛みのある部分に注射液を入れていく方法のことをいいます。筋膜とは筋肉を包み込んでいる薄い膜のことで、血行不良などにより癒着を起こすと、筋肉に負荷がかかりさまざまな不調を招くと考えられています。痛みのある部分に直接注射液を入れる筋膜リリースは、即効性が期待されるのが特徴です。また、主に生理食塩水を使うため副作用はほとんどないとされています。妊婦さんや授乳中の方、お子さんでも使用することがあります。注射には痛いイメージがあるかもしれませんが、針を刺す時にチクッとする程度です。費用については保険適用で受けていただけます。
- Q理学療法士との連携やリハビリテーションが大切だそうですね。
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A
筋膜リリース注射をした後に、リハビリテーションで首や肩をしっかり動かしておくことで、その状態を長く保つようにしていきます。また、クリニックで治療・施術を受けられる時間は限られているので、自宅へ帰った後にどう過ごすかが大事です。そこで当院では理学療法士が中心となり、セルフストレッチの指導や日常生活のアドバイスなども行っています。より良い結果を出すために、スタッフ間の連携は重要です。医師である僕と理学療法士が言うことが食い違っていると、ケアを受けるほうも不安になってしまいますよね。密に連携を取り合い、活発な意見交換ができる雰囲気づくりを心がけ、チームで治すという意識を持って治療にあたっています。
- Q貴院ならではの治療のポイントを教えてください。
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A
肩凝りに対して筋膜リリース、お薬を使った治療、理学療法士によるリハビリテーションを組み合わせて診療を行っています。リハビリテーションというと機械などを利用した物理療法を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、当院では理学療法士がしっかり手を当てる「手当て」による治療に力を入れているのが特徴です。また、理学療法士と過ごす時間は長いけれど、医師とは十分に話せないということがないように、お互いに行き来しやすい導線を工夫しました。僕もリハビリテーション室に頻繁に顔を出して、患者さんに声をかけたり、理学療法士と意見交換したりしています。