屋良 貴宏 理事長の独自取材記事
やら整形外科
(福岡市早良区/野芥駅)
最終更新日:2023/09/05
「地域に根づいた社会に貢献できるクリニックにする」という思いのもと、尽力している医師がいる。地元早良区で2019年に「やら整形外科」を開院した屋良貴宏理事長だ。整形外科、リハビリテーション科、リウマチ科が診療科目で、清潔感のある広々とした院内が印象的。充実したリハビリ施設では、理学療法士や作業療法士がマンツーマンで患者のサポートにあたる。屋良先生自身、学生時代はテニスやサッカーなどスポーツに打ち込み、ケガをしては整形外科に通う日々だったそう。その経験が医師となった今、とても役に立っているという。プライベートでは小学生の息子の父親でもある屋良先生に、診療方針やクリニックの特徴、こだわり、さらにはプライベートまで幅広く話を聞いた。
(取材日2020年6月18日/情報更新日2023年8月23日)
開院以来、クチコミで広がり多くの患者が訪れるように
この地域は地元とのことですが、先生は小さな頃どんなお子さんでしたか?
活発な子でした。小さな頃もそうですし、中学、高校、大学と、テニスやサッカー、バスケットボール、バレーボールなど幅広くスポーツをやっていましたね。整形外科の医師になろうと思ったのは、スポーツに関わることが多いということも大きな理由の一つにあります。私自身、テニスで肘を痛めたり、サッカーで捻挫したり、学生時代は随分と整形外科にはお世話になりましてね。当時は長いこと競技ができなかったり、長期間の通院もしていました。その時にすごく良い先生に出会えたのもあって、自分もこういう整形外科の医師になりたいなあと思っていたんですよ。もっとさかのぼると、幼い頃くらいから医師になりたいと親に言っていたらしいです。父が心臓外科の医師だったことも影響したのかもしれないのですが、同じ外科の中でもよりスポーツに携われる整形外科のほうが良いなあと思い、整形外科に進みました。
大学は山口大学の医学部に進まれたそうですね。どのような分野を学ばれたのでしょう。
最初の頃は、山口大学大学院で脊髄再生の実験をしたり、臨床に出たら主に膝や股関節などの人工関節手術をしていました。手術後患者さんが喜ばれる姿を見て、これはすごいなと感動しましてね。それを極めたいと思い、人工関節の勉強を主にやりました。卒業後はいくつか病院を回りまして、その中に大阪も含まれるのですが、そこは人工関節のエキスパートがそろっている病院で、何としても最先端の人工関節の勉強がしたいという思いから大阪に行ったんです。そして山口の下関や宇部、福岡は小郡などの病院も回る中でそれぞれの地域性も感じながら、最終的には地元での開業に至りました。
開院から4年目を迎えられましたが、この4年はいかがでしたか。
クチコミで広げてもらった部分が大きいです。土地柄的に患者さんは80歳以上の方たちをイメージしていたのですが、実際開院して4年たった今、当院の平均年齢は約60歳なんですよ。新しいクリニックということで、近くの主婦の方がまず来られて、そしてそのお子さんたちやご家族、そこからクチコミで広めていただいた感じですね。当院の良さを知っていただける対応が、スタッフ全員徹底してできていると思いますので、そこが伝わっているのかなと感じています。常に患者さんの立場になって、コミュニケーションもしっかり取りながら対応させていただいていますので、そこは当院が自信を持ってお伝えできる点ですね。スタッフは理学療法士が10人、リハビリ助手が9人、看護師が5人、受付が6人のトータル30人体制でやっています。
理学療法士と連携し、手を触れて行う「手当て」を重視
整形外科、リハビリテーション科、リウマチ科の関連性についても教えてください。
整形外科を軸にそこから膝、肩、腰などを痛めている方たちにリハビリを提供することが多いですね。当院は優秀な理学療法士のスタッフがそろっているので、しっかり手を当てて患者さんを「手当て」することを徹底しているのが特徴の一つとしてあります。リハビリを重要視し、私も診察のみではなく、リハビリに来られた全員の方に声をかけて状態を確認しています。ですので、整形外科とリハビリテーション科は関連も強く、非常に重きを置いていますね。リウマチに関しては、山口大学時代もリウマチの研究もしていましたし、その後の臨床の現場でも多くの患者さんを診ていましたが、リウマチの患者さんは肺炎など内科系の疾患もお持ちの方がおられますので、その時は他の内科の先生と連携しながら治療を進めていく形を取っています。
スタッフとの連携のこだわりをお聞かせください。
リハビリで患者さんと接する理学療法士は、新人でもベテランでも患者さんにとっては同じです。そのため、優秀な理学療法士を育てたいと思い、勉強会や研究会に積極的に参加してほしいという気持ちでサポートをしていますね。知識や技術を習得し、患者さんに「手当て」として、還元してもらうことがなにより大切ですから。また、診察の際に看護師が必ず同席し、私の説明後に確認を入れさせていただくようにしていますね。そうすることで、私に聞けなかったことや、不安な部分がより解消されたりすると思います。看護師との密な連携を図ることで、気づかなかった視点から、患者さんの情報を拾うこともできるので非常に感謝しています。さらに風通しの良い仕組みもできることで、チームとして患者さんに安心感や満足感を提供することができるので、今後も大切にしていきたいですね。
先生自身、スポーツをされていた経験が治療で役に立っていることも多いのではないでしょうか。
それは大いにありますね。ギプスをつけて、運動は禁止と言われる運動部の学生のつらさなどは身にしみてわかっていますから。ですので、なるべく運動しながら少しずつ良くしていけるような治療法を選択する時もあります。中学、高校の頃の1ヵ月というのはとても大きいですし、その期間まったく練習ができないというのは他の部員と大きな差ができますからね。そこは理学療法士とも連携して、状態を悪化させることなく、早く復帰できることをめざして治療にあたっています。そういう点を学生の患者さんたちがクチコミで広めてくれたのもありますね。早く完治するためには、やはり早めの治療というのが大きなポイントになります。オーバーじゃなく、その後のスポーツ人生にも関わってくることがありますので、そこは重要視しています。
夢は「この地域の方々は皆元気ですね」と言われること
では、先生の診療スタイルやこだわりもお聞かせいただけますか。
患者さんにしっかり触れるというのが診療スタイルであり、こだわりでもありますね。薬を出して電気を当てて終わりというような治療ではなくて、理学療法士としっかり連携して、手を触れて治療にあたる。その「手当て」という部分に力を入れていますので、当院がここにできたおかげで、この地域の人たちがみんな元気になったと言ってもらえるようになったらいいなと思っています。また、院内の造りも私のこだわりですね。いろんな動線を考えて、私や理学療法士が行き来しやすい造り、コミュニケーションを取りやすい造りになっています。
そんなお忙しい日々ですが、休日はどのように過ごされていますか?
朝からジョギングして、小学生の息子と虫取りに行ったり、釣りに行ったりと、とにかく動いていますね。家族で食事や買い物へよく出かけています。日頃、息子とはあまり遊んであげられないので、休みの時くらいはしっかり触れ合うことを大事にしていますね。
では、最後に今後の目標についてお聞かせください。
当院は、地域に密着し信頼されるクリニックをめざしています。地域の皆さんに健康と笑顔を届けることで、社会に貢献するという目標に向かって、日々診療にあたっていけたらと思っていますね。まずは地域の方々に認知してもらって、このクリニックができて良かったと思ってもらえるとうれしいです。「この地域の方々は皆元気ですね」と言っていただけるように、スタッフ一同尽力していきます。