成井 康直 院長の独自取材記事
金沢文庫メンタルクリニック
(横浜市金沢区/金沢文庫駅)
最終更新日:2024/11/11
2019年の開院以来、「身近な心のかかりつけ医」として地域の人々に親しまれている「金沢文庫メンタルクリニック」。金沢文庫駅東口から徒歩5分とアクセスの良さも魅力の一つだ。「患者さんに最高の医療サービスを提供するため、医療従事者のQOLを上げることで医療の質を高めていく」をモットーに掲げる医療法人社団一星会が有するクリニックであり、同院は法人のグループ院「横浜金沢文庫皮膚科クリニック」「横浜弘明寺メンタルクリニック」と連携を図っている。院長の成井康直先生はこれまで、順天堂大学医学部附属浦安病院や久喜すずのき病院などで精神科診療を手がけてきた人物で、中でも睡眠障害の診療を得意とする。気さくな人柄で、「ドクターっぽくないとよく言われます」と笑う成井院長に、診療への想いを聞いた。
(取材日2024年9月6日)
身近な心のかかりつけ医として、通院しやすさに配慮
こちらに来院される患者さんは、どのような方が多いですか?
当院では、うつ病、双極性障害、不眠症、適応障害、パニック障害、社交不安障害、強迫性障害、統合失調症といった疾患のほか、職場のメンタルヘルスの問題、家族・育児の悩みなどさまざまなご相談に対応していますが、比較的、軽症の段階で来ていただけるケースが多いのが特徴かもしれません。「自分のこの症状は、もしかしたら精神的なものなのだろうか?」と感じるくらいの、症状の軽い方が多い印象です。体の病気と同じで、心の病気も、早く受診していただけるほど早期改善につながる可能性が高まりますから、「身近な心のかかりつけ医」として当院を利用していただけてうれしいですね。
精神科・心療内科は行きづらいと感じる人も多いですよね。何か受診のハードルを下げる工夫はしていますか?
ホームページに院内の写真をできるだけ多く掲載して、来院いただく前にどんな場所かイメージしやすいようにしています。それから、当院はビルの構造上、入り口が2つあるんですよ。入り口が表と裏にあるので、患者さんがビルに入るところを人に見られたとしても、「メンタルクリニックを受診する」とはわからないようになっています。この導線も、患者さんの心理的負担の軽減や受診しやすさにつながっているといえるでしょう。もちろん診療室は防音対策されており、呼び出しにお名前を使わないなどプライバシーへの配慮も十分に行っています。
ほかにも、何か工夫していることはありますか?
当院ではインターネットによる予約システムを導入しているのですが、患者さんが少しでも来やすい、通いやすい予約の取り方を意識しています。例えば、「10時に来てください」としてしまうと、「絶対に10時に行かなければ」と心の負担になってしまう方もいらっしゃるので、「10時から10時30分の間に来てください」または「10時台に来てください」というような大まかな予約の取り方にすることで、患者さんの負担にならないよう工夫しています。予約状況はリアルタイムで管理しており、曜日や時間帯によって予約枠を開放することもありますので、思い立った時に気軽に予約していただきやすいかと。また、お仕事や育児などで忙しい方にも来ていただきやすいよう、平日は18時30分まで、土曜日も15時まで診療しています。
本気で患者の病気を治したいからこそ、率直に伝える
診療のモットーについてお聞かせください。
「無駄に長引かせない治療」をモットーに、患者さん一人ひとりに応じたオーダーメイド診療を提供しています。「無駄に長引かせない」というのは、薬を使うべきところはしっかりと使い、症状に合わせて段階的に薬を減らし、なるべく早く治療が終わるようにしていく、という意味です。当然ではありますが、「治療」を目的としており、「どうしたら患者さんが良くなるか」を第一に考えています。ですから、だらだらと診察を重ねるようなことはせず、診察し続けても当院では治療が難しいとなれば、迅速に大きな病院へ紹介します。そうした判断をしっかりとするよう常に心がけていますね。
お若いドクターなので、話しやすいという患者さんも多いのではないでしょうか?
そう思っていただけていたらうれしいですね。診察では、まず患者さんのお話を聞いた上で、「あなたの抱えている違和感は決して特別なものではなく、単なる病気なんだよ」とカジュアルに伝えるのが、私の診療スタイル。誰にでも起こり得る病気であって、特別ではない。眠れないなら薬を飲めばいい、ただそれだけのこと。悩んでいても解決するわけではないし、病気なのだからしっかり通院して治しましょうと伝えています。私の診療スタイルを少し冷たいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。でも、患者さんの病気を本気で治したいからこそ、率直にお話ししているんです。
長く苦しんでいる方も、「病気」だとわかることで気が楽になるかもしれませんね。
心の病気も体の病気と同じで、「治療」が必要なもの。患者さんと一緒に治療計画を立てたら、その計画どおりに治療を続けることが大切です。仮に、薬が切れているはずなのに受診せず、数ヵ月たって「やっぱり調子が悪い」と来院されるような方がいたら、きちんと治療計画どおりに受診いただけないと、治るものも治らないですよと、はっきりお伝えします。厳しいと思われるかもしれませんが、私は心から「患者さんを治したい」と思っているんです。だからこそ、患者さんご自身にも治すことを諦めないでほしいし、そのために、先ほど申し上げたような受診しやすい環境づくりにも力を注いでいます。
「医療に詳しい隣人」のような気軽に相談できる存在に
スタッフさんが働きやすい環境づくりにも力を入れていらっしゃると伺いました。
当院が所属する医療法人社団一星会は、「患者さんに最高の医療サービスを提供するため、医療従事者のQOLを上げることで医療の質を高めていく」をモットーに掲げています。当院ではそうした理念のもと、スタッフのメンタルヘルスには特に注意を払っていますね。何か困り事があれば、個人やクリニックで抱え込むのではなく、すぐに法人につないで、理事長に対応してもらうよう徹底しています。法人でバックアップする体制が整っているので、安心して働いてもらえているのではないでしょうか。定期的にスタッフ一人ひとりと面談して問題を抱えていないか確認したり、チャットツールを使ってリアルタイムでコミュニケーションを図ったりもしています。
他院との連携についてもお聞かせください。
当院と同じビル・同じフロアに「横浜金沢文庫皮膚科クリニック」があるので、例えば当院の患者さんで皮膚疾患のある方は皮膚科に紹介するなど、連携体制を敷いています。また同じ医療法人の「横浜弘明寺メンタルクリニック」とも連携しており、転居に伴って通院が難しくなった場合に紹介するなどしています。法人では今後も、京急線沿線に新しいメンタルクリニックをつくっていく予定ですので、それらとも連携を図り、患者さんにとっての利便性向上に努めていきたいと考えています。
最後に、受診を検討している読者に向けて、メッセージをお願いします。
当院は、「医療に詳しい隣人」のような感覚で気軽に相談できるクリニックをめざしています。身近な心のかかりつけ医として皆さんと関わり合い、心身の不調を和らげるお手伝いができれば幸いです。人間は誰でも孤独を感じることがあると思います。孤独を感じたり、ちょっとした違和感があったりしたら、一人で悩む前に相談してください。自分では「まだ大丈夫」と思っていても、第三者から見たら「大丈夫ではないかもしれない」というケースも少なくありません。患者さんに満足し安心していただけるよう、丁寧でわかりやすい説明と適切な診療に努め、親切で心のこもった医療サービスの提供を心がけていますので、どうぞ気軽に話しに来てくださいね。