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藤田 基 院長の独自取材記事

道玄坂ふじたクリニック

(渋谷区/渋谷駅)

最終更新日:2026/06/03

藤田基院長 道玄坂ふじたクリニック main

渋谷駅西口から徒歩4分の「道玄坂ふじたクリニック」。院長を務める藤田基先生は、専門分野である児童精神科のほか、強迫症、不安症、軽度発達障害を中心に、さまざまなメンタルの悩みに向き合ってきた。子どもから大人まで幅広い年代の患者が訪れ、職場復帰をめざす働き世代の患者も多い中、大切にしているのは、薬に頼りすぎない診療と、自信を育てるための働きかけ。穏やかな笑みと巧みな話しぶりで患者の悩みをひもときながら、丁寧な診療に努めている。「医師と患者さんが1対1で気軽に相談できる、身近な窓口でありたいです」。藤田院長に、同院の特長などについて話を聞いた。

(取材日2026年5月1日)

児童精神科や強迫症を中心に、幅広い年代を診る

初めに、クリニックの主な患者層と主訴について教えてください。

藤田基院長 道玄坂ふじたクリニック1

当院では児童精神科と精神科の両方を診ており、20歳未満の方が約4割と幅広い年代の患者さんがいらっしゃいます。小・中学生の不登校などのほか、赤ちゃんの発達に関する相談を受けることもありますね。主訴で多いものは、強迫症・不安症・軽度発達障害です。中でも一番多いのは、例えば一度気になったら頭を離れなくなってしまい、過剰な洗浄行為や確認をしてしまうといった強迫症です。関東にお住まいの方はもちろん、遠方からも患者さんがいらしています。

開業前、どのような分野で研鑽を積んでこられたのですか?

私はこれまで自閉症スペクトラム障害を中心とした児童思春期の精神科診療や、幅広い年齢層の精神科の診療に携わってきました。内科や小児科の先生と接することも多く、患者さんを全人的に診る視点が養われたかと思います。当院が開業する前まで、この場所では、とある先生が児童精神科クリニックを営まれていました。児童精神科や精神科は、自分に合う病院探しに悩まれる患者さんも多いですし、診療のために通い続けていただくことになります。「この場所を受け継ぐことで、たくさんの方のお力になれたら」という思いで2019年に開業に至りました。

その頃は、新型コロナウイルス感染症流行の影響もあったのではないでしょうか?

藤田基院長 道玄坂ふじたクリニック2

まさに、患者さんのお悩みの変化を肌で感じました。感染症そのものではなく、生活が一変したことから生じたお悩みで来院される方が増えたのです。例えばお子さんの場合、リモート授業になって起きる時間が変わってしまったことで、いざ登校が始まるとうまく切り替えられずに遅刻が増えて、叱られるうちに不登校になってしまった……というご相談が増えました。大人の方ですと、リモートワークでずっと家にいることから気分転換がしづらくなり、家族間でいざこざが生じてしまったというケースも。また度重なる生活の変化と関連して、強迫症の症状が悪化してしまったという患者さんも多かったです。

薬に頼りすぎない診療方針と、自信を育てる働きかけ

診療方針を教えてください。

藤田基院長 道玄坂ふじたクリニック3

現在の日本の精神科医療では、薬物療法が中心となっています。ですが当院は、治療に薬が必要な統合失調症や躁うつ病など以外では、薬に頼りすぎない診療を行っています。精神科で使用する薬は、うまく使えば大きな不安を軽減するのに役立ちますが、ともすれば日常生活を安全に送るために必要な危機管理につながる不安をも取り去ってしまいかねない、隠れた副作用を持っているのです。そうした考えから、どうしても薬が必要な場合を除いて、行動療法や心理療法を中心に治療を行っています。患者さんの中には「今すぐこの不安な気持ちを解消したい」という思いで薬を飲み始め、治療を続けるうちに気力がなくなってしまったり、深く考えることができなくなってしまったりという方もいるのですが、そうした方の薬の整理のお手伝いもしています。

なぜそのような方針に至ったのですか?

開業前に重度の強迫症のお子さんを診たのが最初のきっかけでした。食事ができず薬も飲めないという状況だったため、心身に負担をかけることなく回復につながるよう行動療法を中心に行いました。もちろん薬が必要な症状もありますが、適切な診断と薬の整理、そして行動療法によるアプローチを行えば「患者さんが人生を取り戻す手伝い」ができるのではと考えるようになりました。鉄分などの栄養素の不足、また生活スタイルの乱れが精神に及ぼす影響にも注目。心理状態だけでなく、生活背景も伺って原因をひもとき「人生を取り戻すためにはどうすれば良いか」を見つけて実践していくのが当院の診療です。これらの研究成果を発表する機会もあり、従来の治療と併せた科学的な研究を行うきっかけになればと考えています。

「人生を取り戻す」とは具体的にどのようなことでしょうか?

藤田基院長 道玄坂ふじたクリニック4

例えば、大人の患者さんの多くは「今は不調だけれども、いずれ社会復帰したい」と望まれます。薬はその場の不安を取り除くかもしれませんが、それを続けることで、果たして社会復帰がかなうでしょうか。精神科医は、患者さんの人生に関わる仕事です。固定観念を捨てて、目の前の患者さんにしっかりと向き合いたい。患者さんが昨日より少しでも自信を持って、また自分らしく生きていけるようサポートがしたい。その思いを、太陽の光を浴びて力強く成長する双葉のロゴマークにも込めました。

小さな悩みから相談できるクリニックをめざして

患者さんとのやりとりで大切にしていることは何ですか?

藤田基院長 道玄坂ふじたクリニック5

患者さんご自身が「病気の治療に積極的に関わっている」という気持ちになれるようにすることです。それは患者さんが大人でも子どもでも同じことで、私は子どもの患者さんとも1対1で話す時間をつくるようにしています。患者さんの同意を得て親御さんに同席してもらうことも多いのですが、患者さん抜きで話を進めることはありません。また行動療法では、患者さんにチェックリストをお渡しして宿題を出します。その次の診察では「前回から今日まで、どんなことがうまくいきましたか?」と質問し、「うまくいった日のことを思い出してみましょうか」と順を追って振り返りを行います。その過程で患者さんの言葉を拾っていきながら言葉を投げかけ、小さなところから患者さんの自信を育て、強めていけるような会話を心がけています。

医師をめざしたきっかけを教えてください。

私が医師になることは、実は100年前から決まっていたのです(笑)。と言うと冗談のようですが、私の先祖は、とある藩の御殿医だったんですね。家老との間に争いが起こって城外追放となり、米屋を営みながらいつか子孫を立派な医師にするという目標を掲げていたようです。時代の変化にもまれて、なかなか実現しなかった先祖の夢がようやくかなったのが、5代目にあたる私というわけです。数学と英語を中心に早期教育を受けたことから、物理学者や数学者、人工知能の研究者、幼い頃から親しんでいたピアニスト、果ては財務省の官僚と、さまざまな夢を持ってきましたが、最終的には医師を志しました。精神科医であれば、人工知能の研究にも携われると考えたのです。また、幼い頃にフロイト全集を読んで興味を覚えたことも、今思えば進路選択につながっているのかもしれません。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

藤田基院長 道玄坂ふじたクリニック6

精神的な不安やお悩みを抱えている方の中には「自分には何もできない」と思っている方もいらっしゃるかもしれません。ですが、どんな方にも昨日までできていたことが必ず一つはあるものです。小さなことを積み上げていけば、少しずついろんなことができるようになるでしょう。そのために、今ご自分ができることを振り返ってみて、小さな自信を持っていただきたいと思っています。当院は、お話や行動療法を中心に、患者さんの自信を育て、自分らしく生きていくためのサポートを行う場所。程良い距離感で、かつ1対1でお話を伺いますので、小さなことから相談できる窓口として頼りにしていただけるとうれしいです。薬による副作用が心配な方や、現在お使いの薬を見直したい方も、お気軽にご相談ください。