保険診療・自由診療の選び分けを
経済面と未来の健康から考える

症状や費用、ライフステージなどを考慮した上で、保険診療と自由診療を適切に選択することが重要

Q歯科における保険診療と自由診療の違いについて教えてください。

A

▲患者の要望に丁寧に寄り添った治療を提案する関根院長

保険診療とは病気を治した時にかかる費用の一部を国が負担するもので、このような内容で治療すると国が定めたガイドラインに沿った診療です。一方、自由診療では保険診療の範囲外となっている治療を患者さんとの自由契約によって行います。保険診療でも基本に忠実にケアを行っていれば、材料の違いくらいで長持ちするものはします。材料で強度や見た目が変わることはありますが、しっかりとした技術があれば保険でも十分に機能しますし、逆に技術がなければ自費でもうまくいきません。

Q保険診療のメリットはどのようなところにあるのでしょうか？

A

▲保険診療のメリットも正しく伝えている

例えば入れ歯には自由診療で提供される金属床のタイプがあります。確かに食べ物の温度を感じやすく、装着した時の違和感も保険診療の入れ歯より少ないといわれます。しかし故障した時に修理に手間がかかるので、その点では修理しやすい保険の入れ歯のほうが患者さんにとっても都合が良い場合があります。また、かぶせ物の素材としては金属が強度的に優れているとされています。より良い金属となると自費になりますが、セラミックより金属のほうが強度はあります。セラミックはプラスチックに比べればかなり強度はあり、審美的にも優れていますが、強度はやはり金属でしょう。

Q自由診療のメリットについてはいかがでしょうか。

A

▲患者にとってベストな選択ができるようサポートする

例えば、矯正歯科は歯並びの改善に役立つほか、歯並びが整えば手入れがしやすくなるので虫歯や歯周病にかかりにくくなると考えられます。また、適切な咬合もめざすことができるため、全身の健康にも資する治療でもあります。例えば大人になって経済的にも多少余裕ができた時期に、咬合や歯列を整える機会をつくっておけば80歳、90歳となっても自分の歯を多く残せる可能性が高まります。子どもの頃に矯正を受けることで、顎の発達を促しながら正しい咬合に導いていける場合も。また食いしばりなど普段から歯に負担がかかっている人が割れにくいジルコニアを選ぶなど、自由診療も健康と密接に関連しているのです。

Q自由診療と保険診療、どのように判断すればいいでしょうか？

A

▲生活に合った治療法の選択を勧めている

自由診療だから良い治療が受けられるというわけでもありません。かぶせ物や入れ歯など、型を採って技工を加えて装着するのは保険診療も自由診療も同じですから。ただ保険は規定により使用する材質が決まっています。その材質が患者さんのお口の中の状況や治療内容にふさわしいか、十分かというところで、歯科医師は強度や耐久性、審美性なども含めて検討し、患者さんに提案します。それに対して患者さんは費用面と治療期間も聞いて、自由診療か保険診療かを判断するといいでしょう。当院では経済的な部分もお聞きして、場合によっては一度に費用負担がかからないよう後回しにできる治療は後にして、今やるべき治療から取りかかることもあります。

Qクリニック選びも大切になりますが、アドバイスはありますか？

A

▲さまざまなアドバイスをしてくれている

受診前にはよくわからないでしょうから、受診してみてその説明に納得できるような先生であれば、任せていいと思います。その際に質問があれば、何でも聞いてください。聞くことは患者さんの当然の権利ですし、むしろ聞かれることでこちらの説明不足に気づくこともありますから。そのため当院ではわからないことがあれば気軽に質問してもらっています。もう1つ、セカンドオピニオンに対応しているかどうかもポイントだと思っています。当院でもセカンドオピニオンに対応していて、もちろん反対に、当院のセカンドオピニオンを他院に聞きに行ってもらっても結構という姿勢ですね。