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早川 徳香 院長の独自取材記事

はやかわこころのクリニック一社

(名古屋市名東区/一社駅)

最終更新日:2020/10/12

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名古屋市営地下鉄東山線・一社駅から徒歩1分、新しくできた医療モールの2階に2019年9月に開業したばかりの「はやかわこころのクリニック一社」。早川徳香院長は、総合病院や大学病院で研鑽を積んだ後、10年以上にわたり南山大学で勤務し、同大に設置された特別修学支援室の室長を務めるなど、学生たちのサポートに尽力してきた。患者の生活の質(QOL)を上げることを目標にする同院は、個別の心理カウンセリングや必要に応じた薬物療法をはじめ、就労を目的としたキャリアカウンセリングにまで対応している。「患者さんの将来につながる治療をめざしたい」という早川院長の、開業にかける思いや診療方針などたっぷり話を聞いた。
(取材日2020年1月16日)

アットホームなクリニックで、生活の質を上げる診療を

先生が精神科医師をめざされたきっかけを教えてください。

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精神科に研修に入り、良い先輩に出会ってお話を伺ったり勉強を重ねたりするうちに興味を持つようになりました。精神科というと、「お悩み相談」とか「人生相談」というイメージを持っている人が多いと思うのですが、患者さんのお話の中に1つのストーリーがあったり、ある種のパターンがあったりということに気づき、精神病理学と児童精神医学という領域に興味を持ったことがきっかけだと思います。ただ、人の悩みを聞いているだけでは決してないんだなと。

開業しようと思われたのは、どのような経緯からでしょうか?

開業前は南山大学で13年ほど勤務しており、学生の教育だけでなく相談を受けサポートをしていました。最後の2年間は、特別修学支援室という、何らかの特性を持っていることで、学校生活がうまく送れない学生さんのサポートをする部門で室長を務めさせていただいた経験もあります。そこで仕事をする中で、特性をもっている方の特性を根本から変えるのではなく、特性とうまく付き合いながら幸せに生きていけるようにお手伝いすることこそが大切だと感じるようになったんです。そして、それは大学生の方に限ったことではないと思うようになりました。開業に至ったのは、そういった不安や悩みを抱えている幅広い層の方の力になりたいという想いが強かったからです。

緑が多く、とても落ち着くすてきなクリニックですね。

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ありがとうございます。いわゆるクリニックらしさをなくしたいと思い、緑を多く取り入れナチュラルな感じにしました。森の中にいるように感じてもらえるんじゃないでしょうか。自分の家に帰ってきた時のようにホッとするアットホームな雰囲気を大切にしています。患者さんの気持ちが少しでも上向きになり、自己評価が上がるような空間でありたいですね。アロマオイルやお香をたいていますので、待ち時間も良い香りの中でゆったりと過ごしてもらえると思います。本棚には、医療に関する実用的な本だけではなく、美しいものやワクワクするようなもの、目で見て楽しめるような本を私が選んで置いています。待合室の一角には、隠れ家のようなキッズスペースもあるんですよ。

患者の特性に適した方法でカウンセリング

こちらのクリニックの診療の特徴を教えてください。

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当院は、青年期の発達障害の患者さんもいらっしゃいますが、成人からご高齢の方のうつ病や不安障害、心身症などの患者さんも多くいらっしゃいます。そのため、症状に応じて問診表やカウンセリングの内容を使い分けています。その際に大切にしているのが、患者さんが所属する年代の社会の中でQOLを上げるためにはどのような方法が良いかということです。薬物療法をする際にも、向精神薬や漢方を用いますが、最低限の量に抑えることを心がけています。当院ではグループカウンセリングを取り入れています。症状によっては個別でのカウンセリングよりグループカウンセリングのほうが改善の効果を見込めることもあり、どちらも対応できるようにしています。グループカウンセリングでは同じ悩みを抱える方々との関わりをもつことで社会に適応していくための1歩になるケースも多くあるんです。

他にこのクリニックならではの取り組みはありますか?

就労を目的とするキャリアカウンセリングにも力を入れています。主に成人している発達障害の方を対象に、その方が社会に出て活躍するためのサポートをするためのカウンセリングです。社会に出る上では仕事をすること以外にも適応していくべき部分があるので、生活カウンセリングも行いながら働くために朝仕事に遅れないように起きるということや、電車に乗るといったことも自分でできるようにサポートもしていきます。その際にはグループカウンセリングも行いながら人と接する経験を重ねながら少しずつ現実の社会により近づけることができるので、その人によって判断し対応しています。

スタッフさんについて教えてください。

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キャリアカウンセラー、生活カウンセラー、臨床心理士、言語聴覚士、看護師、事務員と現在15人のスタッフがいます。当院は、患者さんの幅も広いので、年齢や状態に合わせてその方に適切なカウンセリングを受けていただけるようにしています。ですから、カウンセラーはそれぞれの専門分野に合わせた人を採用しています。スタッフは皆とても勉強熱心で、当院の自慢です。先日もスタッフの方から「勉強会をしたいから部屋を貸してほしい」と言われたくらいなんですよ。また、事務スタッフの中に外国人の方がいるので、英語でのお問い合わせにも柔軟に対応しています。

先生が、診療の際に心がけていらっしゃることはありますか?

来院した人のQOLを上げていくことが当院の理念の柱ですので、QOLが上がった後の生活の状態を想定し、その間をどのように橋渡しをしながら取りもっていくのかを常にイメージしています。例えばアルバイト1つとっても、まずは対人接触の少ないアルバイトから始めるのか、短時間だけやるのかなど、どの選択がこの患者さんにとってより良い状態につながっていくのかを念頭においてお話しするようにしています。そのうえで、患者さんと一緒に考えていくということは非常に重要だと思います。

ソーシャルスキルトレーニングで人との関わり方を学ぶ

青年期の患者さんの治療は、先生が力を入れている分野なんですね。

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大学で勤務していた関係で、高校生から大学生の患者さんは多いですね。実は、大学は高校よりも生活しづらいと感じている方々がいるんです。自由度が高く主体性を求められる大学生活は、人によっては、挫折しやすい環境なんですよね。本人も周りも早い時点でその特性を理解し、サポートを受けられるようにすると良いですね。同年齢ぐらいの人たちと一緒に何かを行うことによって、そのコミュニティーの中で自分をどう表現していくか、逆にこういう時は自己表現をしないほうがうまくいくとか、そういうソーシャルスキルを身につけていけるようにお手伝いします。本人が不安だったり、ご家族がそういう特性に気づいた時は、早めに学校の専門部署やクリニックに相談されることをお勧めします。

他に力を入れていることはありますか?

さまざまなお悩みに対応させていただきたいと思っていますが、特にお力になりたいのは、現在きちんと社会で機能している中で悩みや不安を抱えている方です。現在通院されている方も多く見えますが、そういった方はクリニックに通院される際、どうしても自己肯定感が低くなっていってしまいます。医院の内装やスタッフの対応にこだわりをもっているのは、そういう方が通院に前向きになって、自己肯定感を高めてもらえるようにできたらという想いがあるからなんです。

最後になりましたが、今後の展望と読者の方へメッセージをお願いします。

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まだ開業したばかりで試行錯誤していますが、「患者さんが社会の中での居場所を見つけること」につなげられるような診療に力を入れていきたいと思っています。それは小さなお子さんもそうですが、中学、高校、青年期と年齢が上がるにつれて、すごく重要なことだと思います。最近は中年や高齢者の方で悩みを持っている方も多く、「老いを受け入れながら幸せに生きる」ために医師として何ができるのか、ということもさらに力を入れていきたい分野です。心の病気も体の病気と同じで、早く対処することでその後が大きく変わってきます。「こんな小さな悩みでクリニックへ行くのはどうだろう?」と迷っている方には、悩んだらまず相談してくださいとお伝えしたいですね。

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