内田 耕司 院長の独自取材記事
エーアンドケー江戸川橋デンタルクリニック
(新宿区/江戸川橋駅)
最終更新日:2026/05/14
「エーアンドケー江戸川橋デンタルクリニック」は、東京メトロ有楽町線・江戸川橋駅から徒歩3分の場所にある。近隣住民のほか遠方では海外からも患者が訪れる同院の院長を務めるのは内田耕司先生。2004年の開業当初からスウェーデン式の診療を取り入れており、長期的に口腔の健康の維持に努めている。スウェーデン式の診療とは、口腔内に存在する細菌を正常な状態に導き感染のコントロールを図るもの。この治療法を取り入れることで、生涯自分の歯で食事ができる口腔環境の実現をめざしているという。最近では、子どもの口腔機能発達不全症に対して行う口腔機能訓練にも注力。「歯の健康のためには、食事も大切」と食事アドバイスも行っている内田院長に、現在の診療に対する考えを聞いた。
(取材日2025年12月5日)
開業当初から続けている、スウェーデン式の診療
スウェーデン式の診療とはどのような治療法になりますか?

スウェーデン式の診療と聞いて、なじみのない治療法だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、当院では20年ほどこの診療を取り入れています。治療前に口の中の感染のコントロールを図り、口腔環境を整えてから処置をすることで、生涯自分の歯で生きていくことをめざす治療になります。虫歯などの治療を行う前に口腔環境を整えることを優先すると、驚かれる患者さんも多いです。ですが、いわゆる予防歯科を実践できるのは、口内に感染が広がっていないお子さんたちだけで、高校生くらいまでに処置をしなければ、大抵の方はすでに何かしらの感染症を持っている状態です。ですから、治療の前に常在菌層という口の中の細菌の状態を正常に戻すことによって、感染のコントロールをめざします。口の中の感染症を治療するというイメージですね。
治療に入る前に口腔内の環境を整えることは大事なのでしょうか。
患者さんの中には、歯科クリニックで口内の感染症の治療をするというイメージが湧かないかもしれませんが、例えば歯が痛くなるのも体の中に菌が入って感染することで起こっています。ですから、口腔環境を改善せずに治療をしても、感染して痛みが再発することに。そして結果的に歯がなくなり、インプラント治療をしてもその部分がまた感染する、という悪循環が生まれます。そうならないためにも、当院では感染のコントロールを重視しています。一連の流れは、治療前に2週間以内に3回処置を行います。多いと感じるかもしれませんが、歯に付着するバイオフィルムは、再生する時間が決まっていて、3~4日空けると元の状態に戻ってしまいます。そのため、2週間以内に3回の処置を行う必要があるのです。これを日本の保険制度内で行うのはなかなか難しく自費診療となるのですが、できる限りスウェーデン式の診療を取り入れています。
先生がスウェーデン式の診療を始めたきっかけを教えてください。

日本の歯科治療ではなかなか改善できない部分があったので、海外ではどういう歯科医療が行われているのか興味を持ち、ペール・アクセルソン博士というスウェーデンの歯科医療で多くの実績を持つ先生の講演を聞きに行きました。その講演の内容に衝撃を受け、その後いろいろな文献を調べて勉強をして、治療前の感染コントロールの重要性を理解して、現在の治療法を行うようになりました。もともと私は大学院で部分的な入れ歯の構造力学で学位を取得していて、補綴が専門なのですが、学んだとおりに適切に治療した歯でも、なぜか再発して抜けてしまうことがあったんです。スウェーデン式の診療を学んだことで、その原因に感染が関わっているとわかりました。
子どもたちの将来を見据え小児の咬合育成にも力を注ぐ
現在、こちらのクリニックにはどのような患者さんがいらっしゃっていますか。

お子さんから高齢の方まで幅広くいらっしゃっている印象です。私は以前、池袋のクリニックで働いていて、その時から通ってくださっている患者さんもいます。そうなると、もう20年以上診ていることになりますね。最初の頃はこのスウェーデン式の診療を理解していただけない方も多かったのですが、正しいことを正しく伝えることを大切に、診療を続けてきました。現在では、山口県など遠方から来てくださる方もいらっしゃいます。海外だと、ニュージーランドに移住された方が引き続き来院いただいていたりしますね。ほかの歯科医院できちんと通院されていても、どうしても再発してしまう、という悩みを抱えた方には、ぜひスウェーデン式の診療をお勧めしたいです。
口腔機能発達不全症に関しても積極的に治療を行っているようですね。
そうですね。子どもの患者さんもよく来院されるので、お子さんの口腔機能訓練も積極的に行っています。口腔機能発達不全症は、うまく物が噛めない、飲み込めない、口呼吸をしているなど口腔機能のトラブルのことを指しますが、こういう問題を抱えているお子さんには、成長に合わせたトレーニングを実施しています。ストローとマグカップがセットになった、ストローマグは子どもの水分補給の際に便利なので使用する親御さんも多いですが、これを使用することで口唇と舌の発達が阻害され、歯並びにも影響を及ぼすことがあります。また、母乳の与え方や離乳食の食べさせ方、食事の時の姿勢なども大事なので、お話ししています。
小児歯科の分野で、新しく始められたことはありますか?

最近ではマウスピース型装置を使った小児の咬合育成にも力を入れています。2種類の装置を採用していて、1つは、やわらかい素材でできているため、お子さんでも扱いやすいのが特徴です。もう1つは、硬めの素材ですが、機能性が高く、子どもの発育に合わせた調整が可能です。咬合育成は早いうちに始めるほうがスムーズに進むので、乳歯が完成する3〜4歳の時点で、骨格的に問題がありそうなお子さんにはお勧めしています。
歯の健康を保つためには、食事が基本
院内設備でこだわっていることを教えてください。

診察室は一つ一つのブースが独立した個室タイプで、その中で仕事が完結できるようになっています。3つの診療室のほかにカウンセリングルームがあり、エックス線室にはデジタルパノラマエックス線撮影装置、歯科用CTを導入しています。また、虫歯や歯周病の感染を扱う場所ですから、入り口付近に手洗い場を設けるのは世界のクリニックの鉄則でもあります。当院でも開業時に設計して、さまざまな感染症に対応できるように対策しています。
健康的な口腔環境を築くために必要なことはどんなことですか?
コロナ禍を経て、みなさん免疫に対する意識が高まったと感じています。免疫力は歯の健康を保つためにも重要ですので、免疫力を高めるための食事についてなど、アドバイスを行っています。現代人はミネラルが圧倒的に足りないので、必要なミネラルを摂取するために塩を変えてみる。あとは、にがりでミネラルを補うのもお勧めですね。サプリメントもいいですが、塩やにがりなど食品で取るほうが手軽だと考えています。また、体の健康のために、食事の視点を少し変えてみるのも良いでしょう。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

海外の論文などを読み、新しい治験の情報にアンテナを張ることを大事にしています。スウェーデン式の診療に行き着いたのも、時間の限りさまざまな論文にふれたからです。私はよく先輩方から、現在行われている研究が正しいかどうかはわからない、常に調べて検証する姿勢を持つようにといわれていました。その言葉を信じ、今でもグローバルな視点を持ちながら、勉強し続けています。皆さんも世の中にあふれている情報をうのみにせず、気になることがあれば、自分で調べてみるといいでしょう。そうすると自分に必要なものが見えてくるはずです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療(1歯)/45万円~、バイオフィルムクリーニング/1万1000円、小児の咬合育成/12万円~

