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内田 耕司 院長の独自取材記事

エーアンドケー江戸川橋デンタルクリニック

(新宿区/江戸川橋駅)

最終更新日:2023/03/24

内田耕司院長 エーアンドケー江戸川橋デンタルクリニック main

江戸川橋駅4番出口を出て目白通り沿いを1分ほど歩くと、「エーアンドケー江戸川橋デンタルクリニック」はある。個室タイプの診察室で落ち着いて診療を受けられるよう整えられたクリニックには、近隣の家族連れや、他府県からも患者が訪れているそう。穏やかな語り口で同院の治療内容を丁寧に説明してくれた院長の内田耕司先生は、15年以上前から「スウェーデン式」の診療を取り入れている。スウェーデン式の診療とは、口腔内に存在する細菌を正常な状態に導くことで、感染のコントロールを図るというもの。その診療スタイルによって「一生涯自分の歯で食事ができる口腔内をめざす」と語る内田院長に、スウェーデン式の診療を取り入れたきっかけから診療の特徴、現在の想いなどを聞いた。

(取材日2023年2月15日)

口腔環境を重要視するスウェーデン式の診療

こちらではスウェーデン式の診療を行っているそうですが、どういったものなのでしょうか?

内田耕司院長 エーアンドケー江戸川橋デンタルクリニック1

当院では15年以上前からスウェーデン式の診療を取り入れています。治療の前に口の中の感染のコントロールを図り、口腔環境を整えてから処置をすることで、生涯自分の歯で生きていくことをめざす治療です。スウェーデン式というと、治療後にメンテナンスを行う予防歯科をイメージする方も多いと思いますが、それには誤解があります。そういった予防が実践できるのは口の中に感染が広がっていないお子さんたちだけで、高校生くらいまでに処置をしなければ大抵の方がすでに感染している状態になっています。ですから、治療の前に常在菌層という口の中の細菌の状態を正常に戻すことによって、感染のコントロールをめざすのです。口の中の感染症を治療しているという感覚です。

治療の前に口腔環境を整えることが大事なのですね。

クリニックに感染症を治療しに来るというイメージは、なかなか患者さんは持てないかもしれませんが、例えば歯が痛くなるのも体の中に菌が入って感染することで起こっています。同じ口腔環境の中で治療をしても、また感染して痛みが再発し、結果的に歯がなくなり、インプラント治療をしたけれどその部分も感染、ということになってしまう恐れがあります。そうならないためにも、当院では感染のコントロールを重視しているのです。流れとしては治療の前、2週間以内に3回処置を行います。多いと感じる方も多いと思いますが、これにはきちんとした理由があります。歯に付着するバイオフィルムは再生する時間が決まっていて、3、4日空けると元の状態に戻ってしまうため、2週間以内に3回の処置をする必要があるのです。これを日本の保険制度内で行うのはなかなか難しいのですが、できる限りスウェーデン式の診療を取り入れています。

現在、患者さんはどのような方がいらっしゃっていますか?

内田耕司院長 エーアンドケー江戸川橋デンタルクリニック2

最初の頃は診療方針を理解していただけない方も多く、心が折れそうになったこともありました。でも、正しいことを正しく伝えたいという思いを持ち、診療を続けてきました。今では紹介でいらっしゃる方も増え、遠くは山口県など他府県からも来てくださっています。一番遠い方だとニュージーランドにお住まいの方もいるんですよ。何度も治療を繰り返している方が「自分はなぜこんなにも悪くなってしまうのか知りたい」といらっしゃることもあります。メインとなる患者層は40、50代の方とそのお子さんたちです。ご家族皆さんを診させていただくことが多いですね。

今まで得た技術と、新しい知見を患者に還元していく

先生はなぜスウェーデン式の診療を行うようになったのでしょうか?

内田耕司院長 エーアンドケー江戸川橋デンタルクリニック3

開業して2、3年たった頃、スウェーデンの人々の歯の状況を示したデータを見て、どういう歯科医療が行われているのか興味を持ち、ペール・アクセルソン博士というスウェーデンの歯科医療をけん引してきた先生の講演を聞きに行き、目からうろこが落ちました。その後、いろいろな文献を調べて勉強し、治療前の感染のコントロールの重要性を理解して、現在のような診療を行うようになったのです。もともと私は大学院で部分的な入れ歯の構造力学で学位を取得し、補綴が専門なのですが、学んだとおりに適切に治療した歯でも、どうしてか再発して抜けてしまうことがあったんです。スウェーデン式の診療を学んだことで、その原因に感染が関わっているとわかりました。また、この新型コロナウイルス感染症の流行下で免疫と常在菌層との関係を示した論文が世界中で発表されています。時間が許す限りそれらの論文を読み、現在も新しい知見に触れて勉強をしています。

こちらに開業した経緯を教えてください。

開業する前は、池袋の大きな法人のクリニックに勤めていたのですが「分院長にならないか」というお話をいただいた時に、分院長をやるなら自分で開業したいという思いが高まりました。さまざまな先生が訪れるクリニックでしたので、一つの方針を立てて意思を統一して治療を行うことが難しいと思ったんです。開業したからこそ、今のスウェーデン式の診療方針を突き通せているわけですから、とても良かったです。当院では、歯科衛生士、受付スタッフ、副院長、当院に関わる者すべてが診療ポリシーを共有しています。どのスタッフに聞いても診療方針などの説明ができますので、安心して質問していただけます。

先生がもともと歯科医師を志したきっかけは?

内田耕司院長 エーアンドケー江戸川橋デンタルクリニック4

叔父と兄が歯科医師だったので歯学部に進んだのですが、大学時代はあまり真面目な生徒ではありませんでした。勉強が面白いと思ったのは、大学院で義歯のことを学び始めてからです。理工学部など他学部の講義を聞きに行ったり、研究所で実験をしたりして、自分のしていることがリアルで人の役に立つと結びついてから勉強が楽しくなりました。この頃に論文の正しい読み方も知り、今でも新しい知見を得るのに役立っています。

何歳からでも、一生涯自分の歯を残せる口腔内をめざす

専門である部分入れ歯などの補綴治療のほかに注力している治療はありますか?

内田耕司院長 エーアンドケー江戸川橋デンタルクリニック5

子どもの患者さんもよく来てくださっているのですが、お子さんの口腔機能訓練も積極的に行っています。特に口腔機能発達不全症という、うまく物が噛めない、飲み込めない、口呼吸をしているなど口腔機能の問題を抱えているお子さんに対して、成長に合わせたトレーニングを実施。ストローとマグカップがセットになった、いわゆるストローマグというものはお子さんの水分補給のために使う親御さんも多いのですが、これを使用することにより口唇と舌の発達が阻害され歯並びにも影響が出てしまう可能性があること、母乳の与え方や離乳食の食べさせ方、食べる時の姿勢など、親御さんへもお話しします。お口の中だけでなく全身の成長バランスを診ていくことも必要なのですが、なかなか小児科でも扱っていない分野のため、われわれ歯科が取り組んで、今後医科にも関わりを広げていければと考えています。このほか当院ではインプラント治療にも対応しています。

院内設備でこだわっていることを教えてください。

診察室は一つ一つのブースが独立した個室タイプで、その中で仕事が完結できるようになっています。3つの診療室のほかにカウンセリングルームがあり、エックス線室にはデジタルパノラマエックス線撮影装置、歯科用CTを導入しています。また、虫歯や歯周病の感染を扱う場所ですから、入り口付近に手洗い場を設けるのは世界のクリニックの鉄則でもあります。当院でも開業時に設計して、さまざまな感染症に対応できるように対策しています。

最後に今後の展望をお願いします。

内田耕司院長 エーアンドケー江戸川橋デンタルクリニック6

口腔内のトラブルに本当に困っている方に、スウェーデン式の診療に触れてもらい、まったく違う世界があるんだということを知っていただきたいです。そして一人でも多くの方を救いたいと思っています。60代からの方でも、90歳を超えて持病がある方でも、どなたでも受けていただけます。スウェーデン式の基本に則って治療を行い、お口の健康、安定をめざしましょう。高齢になって自分の歯が残っていると全身の健康にもつながります。当院では今後もスウェーデン式の診療をベースに、自分の歯で一生涯食事ができる口腔環境をつくっていきます。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療(1歯)/45万円~、バイオフィルムクリーニング/1万1000円

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