横山 建二 院長の独自取材記事
横山スマイル内科クリニック
(箕面市/彩都西駅)
最終更新日:2026/04/27
田畑が点在し、のどかな風景が残る箕面市に位置する「横山スマイル内科クリニック」。院長の横山建二先生は、長年にわたり総合病院の腎臓内科に勤めてきた腎臓のエキスパートだ。腎機能は低下しても自覚症状が出にくいため、「健康診断をきちんと受けて、異常が出たら自己判断せずに受診してください」と呼びかける。腎臓内科とともに一般内科の診療も行い、地域のかかりつけ医として「患者さんが元気で毎日を過ごしていけるようにお手伝いをしたいと思っています」とほほ笑む横山院長に、診療や地域への思いを聞いた。
(取材日2026年3月17日)
「患者と向き合い続けていたい」との思いから開業
まずは、ご開業までの経緯を教えてください。

大学卒業後は府内各地の総合病院で診療を続けてきました。腎臓疾患は経過が長いので、患者さんとは長いお付き合いになることも多くありました。勤務医のキャリアを重ねると臨床以外の仕事も増えていくのですが、私はいつまでも患者さんと向き合っていたいと思うようになり、開業を決めました。場所を探す際には、私が生まれ育った南河内のような自然豊かな環境をイメージしました。箕面市東部は宅地開発が進みましたが、クリニックの周囲には懐かしさを感じる農村の景色が残っていたのです。また、この近隣では医院の閉院が続き、患者さんが受診先に困っているとのことでしたので、その受け皿になれればという思いもありました。
腎臓内科の医師になられたのはなぜですか。
6歳上に医師になった兄がいて、私はいつも比較されていたので、憧れとともにライバル心も抱いていました。また、母が病弱で、さまざまな治療を受ける姿を見て育ちました。そのせいか、中学生の頃から自然と医師になろうと思っていましたね。兄は腎臓内科で勤務していたのですが、私が医学部2年生の時、父と兄が相次いで病気で他界しました。以前から内科系に進もうと考え、心臓か腎臓かで迷っていましたが、最終的に腎臓を専門にしたのは兄の存在が大きいかなと思います。
クリニックの診療内容を教えてください。

専門である腎臓内科と、一般的な内科の診療を行っています。総合病院に勤務していた頃から、プライマリケアについても興味があり、さまざまな病気の患者さんを診たいと考え学びを深めてきました。一般的な内科診療では、適切な診断とともに、症状に応じて、入院ができる病院や、専門的な検査・治療ができる病院とのスムーズな連携を大事にしています。現在は、内科と腎臓内科の患者さんは半々ぐらいです。ご高齢の方が中心ですが、健診で異常を指摘された方もいらっしゃいますし、一般内科疾患での受診では働き盛りの世代も多いですね。お子さんも、小学生以上なら診療させてもらっています。
前向きな気持ちで治療を続けてもらうために気を配る
腎臓疾患は生活習慣と密接に関わっているそうですね。

診療では患者さんの生活ごと診ることを意識し、お話をよく聞くようにしています。薬のことや、どのような病気をしたか、他にどの医療機関に通っているかといった医学的な話はもちろん、生活環境や家族構成、趣味まで、幅広くお話を聞かせていただいています。患者さんがどのようなことを楽しみにして過ごしているとか、大切にしている考え方なども教えていただけて、とても楽しいですよ。そういった情報が診療に生きてくる場合もありますね。
腎臓内科を受診する目安はありますか?
腎臓の機能が多少低下しても、自覚できる症状はほとんどありません。ですから、多くの方は検尿や血液検査で異常を指摘されて初めて気がつきます。検診結果をきっかけに、ご自身で調べて食生活の改善を試される方も多いのですが、精密検査や治療が必要な方はそれほど多くはありません。ですから自己判断で済ませずに、まずは医師に相談していただきたいと思います。今の状況や心配な点を伺った上で、今後どうしていくかをその方に合った方法でご提案できますから。
腎臓の診療で、先生が大事にしていることはありますか。

腎臓病は、治療を始めると長いお付き合いになる病気です。30年ほど来てくださっている患者さんもいます。ご自身の腎臓をできるだけ長持ちさせることが理想ですので、食事など、日常生活である程度の制限は必要になりますが、腎臓だけが大切なのではありません。腎臓を守ることだけが目的なのではなく、肉体的にも精神的にも健康であることが大切だと思って患者さんにはお話をしています。そのためにも、治療に対してポジティブな気持ちを抱いてもらえるような言葉を選んでいます。
高齢者とその家族が安心して頼れる医院をめざして
ご高齢の患者さんや、そのご家族が安心して頼れるように工夫していることを教えてください。

まず、できるだけ向かい合って顔を見ながら聞かれたことには必ず回答するようにしています。「私の専門ではありません」、「わかりません」などの質問を打ち切ってしまうようなお答えは極力しないように心がけています。もちろんすべての質問に的確な回答ができるわけではありませんが、「〇〇の可能性があるように思いますが、心配ならご紹介しましょうか」とか、「▽▽の病気の可能性が高いように思うので、お近くの□□科クリニックに行ってみてはどうですか」のようにお答えするようにしています。患者さん任せにするよりも、そのほうがお互いに安心できると思います。また検査結果にはコメントを書くようにしています。数値が高い低いということよりも、「貧血は改善していますが、腎機能は前回よりも悪化しています」、「水分摂取量が少なく尿が濃くなっています」などと書いておいたほうが患者さんも理解しやすいのではないかと思っているからです。
今後、やってみたいことはありますか?
独居のご高齢者が多いので、そういった方が集まって話せるような地域のコミュニティーをつくることができればいいなと思っています。女性はお友達をつくって一緒に出かけたりされる方も多いのですが、男性の場合は独居になると引きこもってしまう方が多いです。普段話をする機会がないから、通院された時にはたくさんお話ししてくださるのですが、やはり月に1回私と話すだけでは良くありませんよね。そういった方が気軽に話せる環境があれば生活にも張りが出てくると思います。また、オンラインでの栄養指導の導入も検討しています。箕面市立病院などでも栄養指導は行われているのですが、交通の便が悪かったり、栄養指導のためだけに病院に行くのはハードルが高いと感じる方がおられたりして、なかなか思うように患者さんに届いていないのです。ですから、ニーズがあれば当院でも取り入れたいですね。
地域の皆さんに改めてお伝えしたいことはありますか?

地域の皆さんには、単に長生きするのではなく、明るく楽しく朗らかに生きていただきたいですね。そのために当院にできることがあれば、精いっぱいサポートさせていただきます。2025年よりかかりつけ医制度が始まりました。これは、患者さんがかかりつけ医と思ったドクターをご自身のかかりつけ医として良いという制度です。別に内科や外科に限らず、眼科や精神科のドクターでも構いません。1回ワクチンを打ちに来られた方が、当院をかかりつけ医としてくださるのはとても光栄なことではあります。ただ、情報がまったくない状態ではかかりつけ医としての責任を果たすことは難しく思います。
最後に、この記事を読まれた方へメッセージをお願いします。
日頃からお元気で病気知らずという方は、身長、体重の変化、過去にかかった病気を指す既往歴、過去現在に飲んだ薬を指す服薬歴、それに加えてサプリメントの利用状況、ご両親ごきょうだいがかかられた病気を指す家族歴、いつ、どんなワクチンを打ったかを指すワクチン接種歴などをノートなどに記入していただいて、受診される場合にはそれを持参するようにしていただければ、その方の健康状態がわかりとても助かります。テレビで有名な生坂政臣先生は、病気の多くは問診で8割は診断できるといわれています。つまり患者さんの訴えを丁寧に聞くことで、診断できることが多いということです。そのためには患者さんの生活背景を知った上で、症状などを正確に答えていただけるような関係はとても大切だなと感じています。ですので、風邪など、ちょっとしたことでも構いません。ぜひ気軽に相談に来ていただけるとうれしいですね。

