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糟谷 彰宏 院長の独自取材記事

かすや整形外科・骨粗しょう症クリニック

(高槻市/高槻駅)

最終更新日:2023/09/05

糟谷彰宏院長 かすや整形外科・骨粗しょう症クリニック main

JR京都線高槻駅、阪急京都本線高槻市駅より車で約10分。大手スーパーが入る商業施設内に、「かすや整形外科・骨粗しょう症クリニック」はある。すぐ近くには、高槻市営バス「西冠」バス停があり、アクセスも良好だ。院長の糟谷彰宏先生は1998年大阪医科大学を卒業し、同大学整形外科学教室に入局。その後約20年間、大学病院や関連病院に勤務し、豊富な臨床経験を積んできた。開業後はその経験を生かし、子どもから高齢者まで幅広い患者層の治療に携わっている。近年は来院者が増え、待ち時間が長くなることもあるそうだ。「長くお待ちいただくのは心苦しいのですが、患者さんとの対話を何よりも大切にしています」という糟谷院長に、クリニックの特色や診療への思いを聞いた。

(取材日2020年1月22日/情報更新日2023年7月18日)

骨粗しょう症の予防を通じ、高齢者の健康を支えたい

来院される患者さんは、どんな人が多いですか?

糟谷彰宏院長 かすや整形外科・骨粗しょう症クリニック1

午前中は、ご高齢の方が多いですね。骨粗しょう症をはじめ、首・肩の痛み、腰痛、膝の痛み、骨折、脱臼、打撲、切り傷、痺れなどさまざまな症状で来られます。そのほか、指の第1関節の軟骨がすり減って、変形してくる「へバーデン結節」という疾患の患者さんが来られたこともありました。午後には、けがや骨折で来院する小学校帰りのお子さんが増えます。また、働き盛りの年代の方々も多いですね。この地域には倉庫や工場などもあるので、労災事故で来られる方も少なくありません。例えば、トラックの荷台から落下して膝を捻挫したり、現場で釘を踏み抜いたり、といった事故に遭われた方もいらっしゃいます。

クリニック名に「骨粗しょう症」と入れた理由を教えてください。

骨粗しょう症とは、さまざまな原因により、骨がもろくなり、骨折しやすい状態になることです。現代は高齢化が進み、この骨粗しょう症になられる方が増えてきました。しかし、実際には、病気になっても治療を受けている人は少なく、対策が後手に回っているのが現状です。そうした背景を受け、「当院がお役に立てるのでは」と考えたのが、「骨粗しょう症」と掲げた理由になります。当院が骨粗しょう症の治療目的として見据えているのは、骨折予防。骨粗しょう症になると、ちょっとしたことで大腿骨頸部や背骨などを骨折しやすくなるからです。もし一度骨折してしまうと、手術などの処置が強いられ、寝たきりになってしまうことも。そうならないように、骨粗しょう症の早期診断・治療に力を注いでいきたいですね。

骨粗しょう症の検査・治療について教えてください。

糟谷彰宏院長 かすや整形外科・骨粗しょう症クリニック2

当院では、新鋭の骨密度測定機を導入し、患者さんの骨密度に加え、骨の質も評価しながら、適切に骨の状態を把握するよう努めてきました。例えば、エックス線検査や血液検査などを行った結果、骨粗しょう症と診断した方には、主に薬物療法を中心とした治療法をご提案します。近年は薬がいろいろ開発されていますから、症状に合わせて処方していくことが大切です。その後は、半年に1回ずつ骨密度測定を行い、良くなっているかどうかの確認を行います。改善が見られない場合は薬を替えることもありますよ。また、骨粗しょう症は自覚症状がほとんどないので、治療のモチベーションを維持することがとても難しい側面も。そのため、定期的な検査で治療の成果を可視化することがとても大切だと考えています。

診療は対話。患者と一緒に最良の治療を追求する

骨粗しょう症のほかに、力を入れている治療はありますか?

糟谷彰宏院長 かすや整形外科・骨粗しょう症クリニック3

勤務医時代は主に脊椎を専門に診てきました。当時は手術療法をメインに提供していましたが、現在は内服薬の処方や運動療法、物理療法、時にはブロック注射といった局所麻酔薬の注射で痛みにアプローチするなど、幅広い治療法で腰痛や坐骨神経痛の患者さんに対応しています。改善が見られない場合は、長々と様子を見るのではなく、大学病院で脊椎の手術をしている先生に相談し、手術的治療をご提案することも。当院では近隣の病院との連携を重視していますので、手術だけでなく、病院でMRI検査を受けてもらうことも多いです。また、緊急手術が必要な開放骨折の患者さんが来院された場合なども、迅速に近隣の病院へご紹介します。

診療では、どんなことを心がけていらっしゃいますか?

患者さんに説明するときは難解な言葉を使わず、専門的な医療用語もかみ砕いて、易しい言葉で説明するよう心がけています。例えば、エックス線画像で背骨の様子を説明するとき、いきなり椎間板と言っても伝わりません。そこで、「この骨と骨との間にあるのが、椎間板ですよ。この隙間が狭くなって、痛みが生じていますね」というふうに、順を追って説明するんです。また、治療の見通しをきちんと伝えることも大切にしています。例えば骨折の場合、ギプスの固定期間はこれくらいで、日常生活に復帰し、スポーツに復帰できるのはこれくらいですよ、といった具合に。もし私が患者さんだったとしても、説明が理解できなければ不安になりますから、その辺りは特に意識して取り組んでいます。

患者さんとのコミュニケーションを大切にされているのですね。

糟谷彰宏院長 かすや整形外科・骨粗しょう症クリニック4

ええ。私は「診療は患者さんとの対話」だと思っています。インタラクティブ(双方向)と言いますか、医師が一方的に「こうしなさい」と言うのではなく、反対に患者さんが一方的に「この治療をしてほしい」と言うのでもない。医師は「痛みを取る」というゴールに最短距離で到達することを目標に、複数の治療法を提案します。患者さんはそれらの治療法をよく理解し、医師と一緒に最善の治療を選んでいくのが理想だと思うんです。今は医療が進歩し、新しい治療法が次々と生まれています。さまざまな選択肢を持ち、患者さんに選んでいただけるような医師になりたい。そのためには、これからも勉強を続けなくてはいけませんね。

「患者さんのためになる診療」とは何か。日々試行錯誤

医師を志されたきっかけについても教えてください。

糟谷彰宏院長 かすや整形外科・骨粗しょう症クリニック5

私は淡路島出身で、医療機関の少ない環境で育ったんです。それでいてボーイスカウトに入り、しょっちゅう擦り傷をつくっていたので、ちょっとした傷なら自分で消毒するのが当たり前でした。つまり整形外科が扱う「傷の手当て」が、ごく身近にあったわけです。その上、大学ではラグビー部に入ったものですから、生傷やけがの絶えない日々でしたよ。最大のけがは鎖骨骨折です。鎖骨は折れると激しく痛むので、大学病院で手術をしてもらったのですが、その時、整形外科のやりがいに気づかされたんです。開業は医学部へ進んだ時から考えていましたが、整形外科は学べば学ぶほど興味深く、20年ほど病院勤務を続けてから当院をオープンしました。この場所を選んだのは、以前住んでいたことがあり、親しみやすい雰囲気が好きだからです。また私の出身校である大阪医科薬科大学(旧・大阪医科大学)や以前勤めていた病院もあり、病診連携の面でも安心だと考えました。

開業から5年。今改めて感じることはありますか?

当院では患者さんとの対話を重視してきましたが、それが本当に皆さんのためになっているのか思い悩むことがあります。と言うのも、丁寧に診察すればするほど、ほかの方をお待たせしてしまうからです。それでは皆さんに申し訳ないと、一時期は方針を変え、お一人の診察時間を短くしたこともありました。ですが、今度は逆に言葉足らずの診療となってしまい……。きっと皆さんに嫌な思いをさせてしまっただろう、と反省しています。今では改めて皆さんにご満足いただけるよう、お一人ずつ時間をかける診療へ戻しました。もちろん、待ち時間が増えてしまうことは今も心苦しく思います。ですが、初心を忘れず目の前の患者さんのために力を尽くしたいというのが今の私の本音です。一方で、クリニックを支えてくれるスタッフにも感謝しています。「明るく、元気に」を合言葉に日々朝礼をするなど試行錯誤し、患者さんもスタッフも笑顔になれる場所にしていきたいです。

これからの展望をお聞かせください。

糟谷彰宏院長 かすや整形外科・骨粗しょう症クリニック6

今後は、スタッフ教育にも力を入れたいですね。特に強化したいのは、リハビリテーション。理学療法士を増員し、ゆくゆくは午前診と午後診の間の時間帯に、通所リハビリテーション(デイケア)の開設を構想しています。回復期を過ぎた後の維持期の訓練では、身体機能の劇的な改善は望めません。でも諦めずに訓練を続け、歩けるようになったり、旅行やスポーツができるようになったりすれば、患者さんにとってこれほどうれしいことはないでしょう。地域の患者さんが健康的な生活を取り戻せるよう、これからもサポートしていきたいですね。