外来と変わらぬサービスの提供を追求
訪問歯科診療のメリットとは
ウッディ吉原歯科
(三田市/南ウッディタウン駅)
最終更新日:2022/03/15


- 保険診療
口の健康が全身の健康維持や健康寿命に大きく影響することが盛んに取り上げられる今、特に注目されているのが歯科医療の重要性だ。しかし、中には寝たきりや障害があって通院が難しく、仕方がないと受診を諦めている患者や家族もいることだろう。そこで注目したいのが、虫歯の治療や入れ歯の調整、口腔ケアなどを在宅で受けられる訪問歯科診療。単なる口腔機能の維持にとどまらず、患者の健康面・精神面を含めた生活の質の向上が期待できると、近年ますますニーズの高まりをみせている。そんな訪問歯科診療に注力する一人である「ウッディ吉原歯科」の吉原秀明院長に、受診の効果やメリット、同院での取り組みなどを詳しく聞いてみた。
(取材日2021年11月26日)
目次
口からおいしく食べるという、当たり前の喜びを取り戻してほしい
- Qどのような人が訪問歯科診療の対象となるのでしょうか?
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A
▲「困っているが歯医者さんに行けない」という人が対象だ
訪問歯科診療とは、通院が困難な方のお宅や入居施設などに歯科医師や歯科衛生士が直接訪問し、歯科治療や口腔ケアなどを提供する医療サービスです。重度の病気でなくても、病気やケガ、障害があって1人で歩いて外出できない方であれば訪問診療の対象となります。主にはご高齢で介護認定を受けられているような方ですが、中には小児で障害のある方もおられます。「口のことで困っているけれど歯医者さんに行けない」という方に提供するのが目的ですから、そのような状況であれば、まずはお近くの歯科に気軽にご相談いただければと思います。ちなみに保険で訪問診療を受けられるエリアは、その医療機関から半径16キロ以内と決められています。
- Q訪問歯科診療には、どのようなメリットがありますか?
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A
▲当たり前の生活を送るために力になりたいと話す吉原先生
口というのは体の一番最初の入り口ですから、噛む、飲み込むといった機能が低下すれば栄養不足で筋力が低下し、転んで骨折して寝たきりになるといったリスクが高まります。また、口腔内の衛生状態が悪ければ歯周病菌が増え、認知症や糖尿病に悪影響があることがわかっています。今、問題となっている誤嚥性肺炎もそうですね。特に通院が困難であるような患者さんの場合、口腔ケアができずに長年放置し、それが全身の健康や生活の不自由さに直結しているケースも少なくはないはずです。歯科医師が日常に介入することでそうしたリスクを減らし、当たり前の生活に一歩近づけるというのも訪問診療を受ける大きなメリットといえるでしょう。
- Q院内で行っている外来診療との違いはありますか?
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A
▲外来診療と変わらない治療を心がける
歯科医院で差はありますが、虫歯の治療や入れ歯の作製など一般歯科でできることに関しては基本的に外来診療と同等レベルとお考えください。CTなどの精密な検査や大がかりな外科処置が必要なケースを除き、抜歯や歯の神経治療なども現在は在宅で可能です。ご相談で多いのは入れ歯に関する悩みですが、入れ歯の新調や調整だけでなく虫歯や歯周病の治療も必要であれば行います。応急処置だけではなく、お口全体を診て治療を進めていきます。その考え方は院内で行う治療と変わりません。また、訪問診療での治療は患者さんの生活環境やお体の健康状態、さらにはご家族のご協力やご理解も大切な要素です。より総合的な視点で治療を進めております。
- Q訪問診療を受けたいのですが、どうやって申し込めばいいですか?
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A
▲気軽に相談してほしいと話す吉原先生
訪問歯科診療を希望される場合は、手続きがどう、必要書類がどうと考える前に、実施している歯科医院に電話で直接ご相談ください。患者さんが介護認定を受けておられるような場合は、ケアマネジャーさんに相談すれば地域の先生を紹介してくれると思います。訪問診療の対象となるか、どのような手順が必要かはプロが判断して進めていきますから、あまり難しく捉える必要はありません。また、外来診療と同様に医療保険が適用されます。歯や口の不具合の中には緊急を要するケースもあるでしょう。油断していると生命に関わる可能性もありますから、なるべく迅速に対応してくれる歯科医院を選んでください。
- Qこちらで行っている訪問歯科診療の特徴を教えてください。
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A
▲コンセプトは「患者さんに寄り添う診療」
当院が第一に掲げているのは「患者さんに寄り添う診療」で、通院ができない方にも同じコンセプトで応えることが私たちの大切なテーマです。外来診療とできる限り同じレベルでの訪問診療をめざし、専用の機材やノウハウをそろえて日々の訪問に励んでいます。もう一つの特徴はスピーディーな対応です。歯が痛い、入れ歯が壊れたから来てほしいというのに、1週間後と言われればその間の食事をどうするか頭を抱えてしまうでしょう。当院ではそうした場合、「対応できる限り早めで、例えば可能であるならば当日の外来診療後でも」というレベルでのご提案を心がけています。また、治療後の継続的な検診や歯科衛生士による口腔ケアも実施しています。