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吉原 秀明 院長の独自取材記事

ウッディ吉原歯科

(三田市/南ウッディタウン駅)

最終更新日:2022/03/15

吉原秀明院長 ウッディ吉原歯科 main

公園都市線の南ウッディタウン駅から歩いて3分。すずかけ台のショッピングモール3階にある「ウッディ吉原歯科」は、患者に寄り添う診療をモットーに、小さな子どもや主婦から高齢者まで、幅広い層の患者が訪れる歯科医院。その主役となるのは、30代前半で院長を務める吉原秀明先生。隣町で歯科を営む父と両輪で、訪問診療を含む手厚い歯科医療を提供しながら地域への貢献をめざしている。「いつかは離島での診療もやってみたいんです」と無邪気な笑顔を見せる吉原院長に、自身が大切にしている理念や患者への向き合い方、歯科の役割に関する見解など、熱い胸のうちをじっくり語ってもらった。

(取材日2021年11月26日)

患者に寄り添う歯科医院であり続けたい

院長は地元のご出身だそうですね。

吉原秀明院長 ウッディ吉原歯科1

ここ三田市は私が生まれ育った町で、父が30年以上にわたって歯科を営んでいる土地でもあります。今から20〜30年前というのは、ちょうどニュータウンができた頃で、当時の人口増加率は全国でもトップクラスといわれていました。ところが今は若い人が出ていって、急激に高齢化が進んでいます。ここは駅前でにぎわっていますが、昔ながらの田園風景が広がる場所で、近所に通いやすい歯科がないとご不便を感じておられる人も多いと思います。そうした社会背景も、ここで開業しようと思った理由の一つですね。ありがたいことに、近頃は子どもの患者さんも増え、主婦の方やご年配の方など、世代を問わず幅広い層の患者さんに来ていただいています。

お父さまの歯科医院で働きながら、独立開業されたと伺いました。その理由は?

父が院長を務める吉原歯科医院は規模が大きく、将来の継承を考えれば私にとっては恵まれた環境でした。ただ、そうしたぬるま湯の中にいては、いざバトンを渡された時に自分の力でうまくやっていけるだろうかという不安があったんですね。泳ぎを覚えるなら、まずは海に飛び込むべき。そう考えて自分で開業したいと父に相談したところ、「互いに連携できるなら、そうやって距離を取るのもいいんじゃないか」と理解を得ることができました。父のことは腕の良い歯科医師として尊敬していますし、親子ですからベースとなる考えは共通しています。ただ、診療スタイルには少し違う部分もあり、自分のやりたいことを自分の責任でやってみたいという思いが大きかったのだと思います。

どのような歯科医院をめざして開業されたのですか?

吉原秀明院長 ウッディ吉原歯科2

当院が一番にめざしているのは、患者さんに寄り添う歯科医院であり続けることです。そのためここでは落ち着いた雰囲気で、小さなお子さんからご年配の方まで、誰もが安心して気軽に通えるような空間にしています。スタッフは助手が2人、受付が1人、歯科衛生士が2人で、私より年上のスタッフが多いので頼もしいですよ。私は患者さんと会話をするのが好きで、つい話し込んでいると、「先生、別の患者さんがお待ちなんですけど」とよく叱られます。でも時にはそうした時間も必要ですし、同じ地域の方と親密な関係が築けるのはうれしいことですね。チェアサイドでは会話だけでなく、大画面モニターで患者さんの口の中の様子を映し、それを一緒に見ながら、なるべく理解しやすい説明をするよう心がけています。

「当たり前」の日常を提供するのが医療の目的と考えて

歯科医師になる上で転機になった出来事はありますか?

吉原秀明院長 ウッディ吉原歯科3

学生時代のある日のことですが、父の歯科医院に見学に行き、たまたま訪問歯科の現場についていったことがありました。そこでご高齢の患者さんがおっしゃるには、「先生、良い入れ歯を入れていただいたおかげで、ひげがそりやすいです」と。歯がないと口の周囲がくぼんでうまくひげそりができないんですね。こんなきっかけから、通院できず困っている人の快適な生活を取り戻すためのサポートができる。その時に受けた意外な感銘が私の歯科医師としての起点となり、自分も訪問診療をやりたいと思う動機となりました。歯科医師になってからも手技の追求に終わることなく、食などを通じ、その方のより良い人生をサポートすることが歯科医師としての私のテーマとなっています。

訪問歯科診療には現在も力を入れていますね。

患者さんのお宅へ行くと、「歯医者さんが来てくれるシステムがあるなんて知らなかった」という言葉をよく耳にします。訪問歯科診療というもの自体、まだ世間に根づいていないことを肌で感じる瞬間ですね。通院のできない患者さんにとって訪問診療は最後の砦であって、その先はもうないとも言えるでしょう。歯科医師が「無理」と言ってしまえば、その方はどうしようもないわけです。患者さんに「諦めないでください」と言う前に、一番諦めてはいけないのは私自身なんですね。外来診療とのかけもちは時間的にも体力的にも厳しいです。しかし自分が望んでやっていることですし、何より訪問先で喜んでもらえると本当に励みになります。最終的に亡くなってしまう患者さんもおられますが、「最後に先生に会えて良かった」と言ってくださる方もいて、それはまさに歯科医師冥利に尽きるといったところです。

診療で大切にしているコンセプトを教えてください。

吉原秀明院長 ウッディ吉原歯科4

当たり前のことが、当たり前であり続けてほしいんです。口の中に歯があるのが当たり前、痛みもなく楽しくごはんが食べられるのが当たり前。しかし、その「当たり前」が徐々に失われ、ある日突然消えてなくなってしまうから怖いんです。高齢になったからといって、食べるのを諦めるわけにはいかないでしょう。虫歯になって歯が痛んだり歯周病で歯を失ってしまう、そんな事態から皆さんを守ることが歯科医師の重要な務めです。もちろん、必ずしも予防意識の高い人ばかりではありませんから、歯科受診の機会に何か一つでも気づきを持ち帰ってもらい、当たり前の生活を少しでも長く続けていただければと考えています。

歯科医院の可能性をさらに探っていきたい

ご多忙の中、プライベートはどのようにお過ごしですか?

吉原秀明院長 ウッディ吉原歯科5

私はかなり多趣味なほうですが、特に車やバイクなどの乗り物が昔から好きで、旅行に行くのも好きです。アウトドアブームが来る少し前にキャンプにはまりました。スポーツタイプの車や年代物のオフロードバイクに荷物を積んで出かけることもありますが、今はブームが高まりすぎてオートキャンプ場の予約が取れないのが悩みの種です。もともと家の中で過ごすよりも、とりあえずどこかに出かけたいタイプなんです。訪問診療に出かける時も、ちょっとしたドライブ気分を味わいながら自然にリフレッシュしているのかもしれませんね。

今後に向けた展望のようなものはありますか?

やりたいことはたくさんあります。一つの方向性としては「食べる」ということに特化し、摂食・嚥下リハビリテーションなどにも力を入れていきたいと考えています。私の夢は当院の隣にレストランをつくることで、新しい入れ歯を入れた後、そのままお店でごはんを食べていただいて具合を見ることができれば理想的でしょう。こうした食支援のアプローチに関しては、歯科医師にできることがもっとあるのではないかと思います。歯が良くなり、口の調子が良くなってごはんがおいしく食べられるようになる。元気で明るくなる。そんな幸せを人に直接与えられる可能性のある仕事ということがわかってもらえれば、歯科医院のイメージも少しは変わるかもしれません。幸い、私は若い年齢で開業することができました。そのぶん、将来に向けていろいろなことにトライしていきたいですね。

最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。

吉原秀明院長 ウッディ吉原歯科6

私たちの歯は、「当たり前」の状態でなくなるリスクに常にさらされています。なんらかの段階を踏んで少しずつ悪くなっているにもかかわらず、まだいいだろうとつい油断してしまうんですね。仕事や学業、子育てなどでお忙しいのはよくわかりますが、ダメージが深まるほど治療期間も長くなってしまいますから、もう少し気軽に歯科を受診していただきたいと思います。「こんなに悪くなってから行くと歯医者さんに叱られる」と思っている方がおられますが、病気を前にして怒るような先生はいません。私もそうですが、「よく頑張って来てくれましたね」という気持ちのほうがずっと大きいものです。ぜひ気軽に、お近くの歯科を頼ってみてください。私も歯科の可能性を探りながら、さらに皆さんのお役に立てるよう励んでいきたいと思います。

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