糖尿病や生活習慣病、甲状腺疾患と
関連が深い睡眠時無呼吸症候群
銀座クリニック
(中央区/銀座駅)
最終更新日:2024/09/11


- 保険診療
眠っている間に繰り返し呼吸が停止する睡眠時無呼吸症候群。無意識下の症状だけに自覚が難しく、いびきなどを家族に指摘されてようやく気づくケースも多いという。男性では30〜60歳、女性では閉経後の50歳前後で発症率が高く、いわゆる働き盛り世代でリスクが高いのも特徴だ。「医療法人みなとみらい 銀座クリニック」の田中俊一院長は、早期から睡眠時無呼吸症候群と糖尿病、高血圧症、脂質異常症などの生活習慣病との関連を指摘し、首都圏に複数の拠点を設けて専門診療に取り組んできた。「高血圧や高血糖の根底に無呼吸がある場合、まず睡眠時の無呼吸を正さないことには薬などによる治療は無意味。まず睡眠の改善にも取り組むべきです」と話す。多くの患者を診てきた専門家の視点による、睡眠時無呼吸症候群の解説をしてもらった。
(取材日2024年8月8日)
目次
睡眠中の無呼吸が招く血中酸素濃度の低下が、連鎖的にリスクを呼び込むことも
- Q睡眠時無呼吸症候群は糖尿病や生活習慣病と関わりが深いとか。
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A
▲清潔感あふれる落ち着いた雰囲気の院内
体重増加、加齢によるたるみなどを原因に気道が狭くなることで、寝ている間に呼吸停止を繰り返す睡眠時無呼吸症候群。寝ている間に呼吸が止まるとまず何が起こるかというと、血中酸素濃度が下がります。心臓と脳の酸素消費量は他臓器と比較して10倍ともいわれており、不足した酸素を補おうと体は心拍を増加させます。一時的には低酸素状態が解消されますが、その後も無呼吸が続くと酸素不足から抜け出せなくなります。そうなると今度は、酸素を送るために体は血圧を上げざるを得ません。これが高血圧です。細胞が酸素不足のストレス状態になると、コルチゾール、アドレナリン、ステロイドが分泌されて高血糖に。これが糖尿病につながるのです。
- Q睡眠時無呼吸症候群による合併症のリスクを教えてください。
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A
▲睡眠呼吸障害は生活習慣と深く関わっていると話す田中院長
血中酸素が不足した状態が長く続くと、それをカバーしようと心臓や全身の血管が無理にパフォーマンスを上げ、負担がかかる結果となります。この状態が続くと、脆くなった血管にトラブルが起こり、心不全やくも膜下出血などの脳卒中を引き起こすことも。これらは突然死につながるケースも少なくない、リスクの高い疾患です。また、甲状腺の機能が低下する橋本病などの病気でも、気道の狭窄が起こり睡眠時無呼吸症候群につながる場合があります。睡眠時無呼吸症候群は、さまざまな疾患と深い関わりを持っており、中には命に関わる深刻な疾患につながるケースもあるのです。
- Q睡眠時無呼吸症候群は、どのような検査を行うのでしょうか?
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A
▲エコー検査をはじめ、さまざまな検査に対応する
睡眠時無呼吸症候群の診断には、睡眠中の血中酸素濃度や呼吸状態を調べる終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)を行います。問診や自宅での簡易検査でスクリーニングし、必要に応じて医療機関に1泊または2泊してより精密なPSG検査を受けるのが通常の流れです。当院では簡易検査のみ実施しており、PSG検査が必要なケースでは、グループ系列院の「みなとみらいクリニック」をご紹介します。連携先での検査により治療が必要となった場合には、当院に戻っていただき治療を進めることが可能です。
- Q治療はどのように進めるのでしょうか。
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A
▲専門知識をいかして丁寧に説明し、治療する
睡眠時無呼吸症候群は、基本的にCPAP療法(持続陽圧呼吸療法)を中心として治療を進めます。機械につながるマスクを装着して眠りにつき、鼻から圧力をかけた空気を送り込むことで、気道閉塞の防止を図る方法です。これは近視に対する眼鏡のようなもので、あくまで対症療法となります。原因として肥満がある場合には、食事や運動といった生活習慣を見直すことも大切です。ただ、マスクを装着して寝ることに抵抗感を持ち、治療を中断してしまう方も少なくないようです。睡眠時無呼吸症候群が引き起こす突然死や認知機能の低下、日中パフォーマンスの低下といったリスクをよく理解し、治療の必要性をしっかり認識した上で始めることも重要です。