安増 一志 院長の独自取材記事
安増歯科医院
(福岡市中央区/天神駅)
最終更新日:2024/12/17

地域のかかりつけとして一般歯科診療はもちろん、歯周組織再生療法やインプラント治療まで広く対応している「安増歯科医院」。院長を務めるのは、穏やかな語り口調が印象的な安増一志(やすます・かずし)先生である。アメリカ留学の経験もある、歯周病治療やインプラント治療を専門とする歯科医師だ。「培ってきた知識・技術・経験を生かし、『患者さんが困らない治療』の提供に努めています」とほほ笑む。自身の技術を次世代へつなげるべく、診療と並行して後進の育成にも尽力する安増院長に、これまでの歩みも振り返ってもらいながら、同院の診療内容について詳しく語ってもらった。
(取材日2024年10月24日)
専門性を生かし歯の温存に尽力する、地域の歯科医院
まずは、こちらで提供している診療について教えてください。

当院はいわゆる「地域の保険診療機関」です。虫歯治療や歯周病治療、補綴治療、根管治療、定期検診といった一般歯科に幅広く対応しています。天神駅から徒歩1分というアクセスしやすい立地にあるため遠方から来られる方も多いのですが、基本は近隣にお住まいの方々にかかりつけとして利用していただいていますね。また、歯周組織再生療法やインプラント治療、セラミック治療といった専門的な診療や、ホワイトニングも提供しているので、他院からの紹介で来院される方もいます。中には、他で診てもらったら抜歯を宣告されたという方が、当院の「残せる歯は残す」という考え方を頼りに、抜歯せずに済む方法はないか相談しに来るケースもあるんですよ。
重視されている「残せる歯は残す」という考え方とは?
抜歯をした後、入れ歯やブリッジ、インプラントといった抜けた歯を補う治療を行うことが多いでしょう。特に最近は、審美性にまでこだわりやすいインプラント治療の注目が高まっています。ですがインプラント治療は高いスキルが必要な治療法であるため、歯科医師なら誰でも対応できるわけではありません。万が一トラブルが生じた時に、かかりつけ以外では診てもらえないということもあり得てしまうのです。安易に抜歯するとこうした状況に陥ることもあるので、どこでも診療してもらえるように、なるべく歯を温存して口腔内を維持することが重要だと考えるようになりました。抜歯を宣告された歯も、場合によっては温存を図れますので、まずは状態を見せていただければと思います。
歯を温存するために注力している治療は何ですか?

歯周病治療です。開院する前、日本とアメリカ、それぞれの地で専門的に研鑽を積んできました。現在は、その時に培った歯周病治療の知見を生かして、歯を残すことに全力で取り組んでいます。歯周病でなければ予防のために、軽度であれば重症化や再発をしないように、口腔内の掃除や、ケアをしやすくするためのメンテナンスなどを行います。歯がぐらぐらしていたり、歯を支える骨である歯槽骨が減っていたりする重度の場合は、歯茎を切った上でより綿密な掃除や歯周組織再生療法も実施。そうすることで、抜歯の回避が望めるケースも多々あるんです。「今残っている歯をできるだけ温存したい」と思われている方はぜひご相談ください。
丁寧なヒアリングで、患者が安心・納得できる治療へ
歯の温存が難しい場合、どのような提案をしていただけるのでしょうか?

抜歯が避けられないケースであれば、入れ歯治療やブリッジ、インプラント治療をご提案しています。大ざっぱに分けると、欠損している歯が1本ならブリッジを、2本以上が連続して欠損しているならインプラント治療をお勧めすることが多いですね。また、患者さんが「歯が抜けたままでいい」と希望する場合や、一番奥の歯が上下ともにないという場合には、「何もしない」という選択肢もあります。ただ、口腔内の状態を診て治療したほうがいいと判断した際には、なぜ必要だと思ったのかを説明させてもらい、その上でもう一度検討していただくようにしています。
ちなみに、インプラント治療は安増院長のもう一つのご専門だそうですね。
そうですね。インプラント治療も専門的に学んできました。ですから当院では一般的なものはもちろん、支柱となるインプラントをいくつか埋め込んで入れ歯を固定するインプラントオーバーデンチャーにも対応可能です。治療の際にはまず患者さんから丁寧にヒアリングをしたり、歯科用CTを用いながら精密検査をしたりして、診断します。また本当にインプラント治療が適切かどうか、先に歯周病治療などが必要かどうかも確認するので、ご安心、ご納得の上で治療を受けていただけるでしょう。インプラント治療は虫歯の心配がない点や、他の歯に影響を与えにくい点から、抜けた歯を補う治療法として優れていると考えています。しかし先ほどお話ししたとおり、万が一トラブルが生じた時を考慮すると、私にとってインプラント治療は「最後の手段」なのです。ですから当院では、患者さんが後々で困らない治療を第一に考えているのです。
患者さんを第一に考える安増院長が、診療の際に心がけていることは何ですか?

患者さんが何を望んでいるか、適切にくみ取ることを心がけています。例えば「歯を残したい」と「しっかりと噛めるようになりたい」という要望は、似ていますが同じではありません。必要となる治療も異なります。また、「インプラント治療をやってほしい」と来院された方でも、お話を聞いてみると、実は他の治療のほうが希望に沿えそうということも少なくありません。だからこそ、まずは患者さんのお話を丁寧にヒアリングすることを大切にしているのです。どんな治療を希望されているのか、どんな悩みやトラブルを持たれているのか、些細なことでも何でもお話ししていただけたら幸いです。
強みである専門性の高さは日本とアメリカでの研鑽から
安増院長が歯科医師を志した経緯をお聞かせください。

歯科医師として働く父の姿を見て育ったことが、進路に大きく影響したと感じています。仕事から帰宅した父からした独特な薬品のにおいや、たまにのぞかせてもらった診療風景が、歯科医師を職業にするというイメージにつながったのでしょう。そうして歯科医師を志した私は、九州大学歯学部に進学したのです。
大学卒業後は、どのように研鑽を積まれたのでしょうか?
卒業後は、海外の歯科医療も取り入れた先生のもとで、キャリアを積ませてもらえました。いざ勤務してみると、当時の一般的な歯科医院とは、環境や診療内容がまったく違っており衝撃を受けたのを覚えています。特に、当時の日本で主流だった保険診療内でできる範囲の治療を行うという考え方ではなく、保険診療内外問わず幅広い診療を丁寧に提供するという考え方に、感銘を受けました。その後、アメリカで研鑽を積む機会をもらい、スキルアップにつなげました。帰国してからは、もといた歯科医院や父の歯科医院で、それまでに学んできたことをアウトプットし理解を深めることに。それから留学先で知り合った方からのお声がけで、2019年にここ天神で開院しました。
アメリカ留学の経験から、英語力も身につけられたのですね。

ええ。留学前、英語は得意なほうだと思っていましたが、実際には通用しませんでした。アメリカの歯科医療をしっかりと学ぶためにも、現地の方と意見交換をするためにも、必死に英語力を磨いたんですよ。当時を振り返ると、とにかく大変な日々でした。後輩たちには、「お金を払って地獄に落ちるようなもの」と説明しているくらいです(笑)。ですがスキルアップをめざすためには、とてもいい経験だったと今でも思います。実際当院では海外からの患者さんは多く、数ヵ月に1回定期的に、東南アジアやアメリカから通院される方もいらっしゃいます。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
今後は、次世代を担う若者たちへバトンをつなげるために、講演会や後進の育成を考えたいですね。また、歯を残したいと考える方をはじめ、一人でも多くの方のお役に立てたらと考えています。私は歯を残すために役立てることにやりがいを感じ、歯周病治療をはじめとする歯を温存する治療に尽力しています。もちろんインプラント治療も素晴らしい治療ですが、あくまでも最終手段です。まずは歯を温存できるかどうかを模索させていただきます。「もう抜歯しかない、手遅れだ」と思われている方も、一度ご相談しに来てください。お待ちしています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/48万円~、歯周組織再生療法/18万円、インプラントオーバーデンチャー(総入れ歯の場合)/95万円〜、セラミック治療/10万円〜、ホワイトニング/3万5000円〜