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衣畑 成紀 院長の独自取材記事

阪神野田駅前ファミリークリニック

(大阪市福島区/野田駅)

最終更新日:2020/04/01

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野田阪神駅から徒歩2分。JR東西線や地下鉄の駅からも近く、周りには大規模な商業施設が立つ利便性のある場所に2019年6月に開院した「阪神野田駅前ファミリークリニック」。院長の衣畑成紀(きぬはた・しげき)先生は、総合的に診療を行う医師として診療科の枠を越え、さまざまな病気を診断し向き合い、治療をしてきた。仕事に熱心に取り組みながら「楽しいこと、面白いことも大好き」と笑う衣畑院長。そんな衣畑院長が考えたクリニックの内装は、森林浴と木漏れ日がコンセプト。小鳥のさえずりを聞きながら楽しい気分で診察の順番を待つことができる。内科、皮膚科、アレルギー科をメインとしながら、訪問診療にも力を注ぐ衣畑院長に、自身がモットーとする理念から今後の展望までを熱く語ってもらった。
(取材日2019年7月9日)

来ることが楽しみになるクリニックをめざして

クリニックの紹介をお願いいたします。

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当院は今年の6月1日に内科、皮膚科、アレルギー科をメインに訪問診療、総合診療を行うクリニックとして開院しました。こちらを開院場所に決めたのは、街全体の雰囲気が明るく、歩いている方たちも笑顔で、暮らしを楽しんでいらっしゃるように感じたからです。「ここなら、私もずっと高いモチベーションを維持しながら働いていける」と思いました。開院前のアンケート調査では、皮膚科と内科に期待するお声をたくさんいただきました。湿疹、アトピー性皮膚炎、じんましん、ニキビなどでお悩みの方から、風邪、高血圧、高脂血症、糖尿病などの一般的な内科の症状の患者さんまで幅広く来院されます。原因がわからない症状でどの科に行けばよいかと悩んでいる方にも、一度ご相談いただきたいですね。

内装もとてもすてきですね。

クリニックを受診される方は、「つらい」という思いで来られます。そんな暗い気分や落ち込んだ気持ちに、何かぱっと明るい光が差し込むようなことができたらいいなあ、というところから発想した内装のコンセプトは、「森林浴と木漏れ日」です。受付から待合室にかけて「森」をイメージした3本の木をコラージュ。空から草原に木漏れ日が降り注ぐイメージで、天井に暖色系のダウンライトを配置しました。ところどころに遊び心も演出しています。トイレを示すサインは、ちょっとユーモラスなピクトグラムに。待合室のコーナーを画廊風に仕立て、オランダの画家のポストカードを展示しました。お子さんから大人の方まで、楽しく通っていただける空間になっていると思います。

先生は、なぜ医師になろうと思われたのですか?

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実は私自身が、ひどいアトピー性皮膚炎に子どもの頃から悩まされてきました。母がいろいろな病院を連れて回ってくれたのですが、なかなか良くならず……。それなら将来、皮膚科の医師になって自分で自分を治そう、と思ったことがきっかけです。大阪医科大学の医学部生時代には夏休みを利用して2度の入院も経験しました。郊外の空気の良い場所で精神的なストレスから解放され、おいしい海と山の幸を食べて療養すると少しずつアトピーが落ち着いてきてうれしかったのですが、都会に戻るとまた症状が出てきてしまって。それなら、と保険内でできる治療を探して転院。ちょうどその頃に出た新しい薬や従来の薬の塗り方を教えてもらい実践したところ、だんだんと落ち着いていき、それからは自分で症状のコントロールができるようになりました。

「病気ではなく病人を診ること」をモットーに診察する

では、アトピー性皮膚炎で悩む患者さんの気持ちが、とてもわかりますね。

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アトピー性皮膚炎のひどい患者さんに会うと「絶対に治してあげたい」という気持ちになります。私も若い頃から同じ経験をしていますから、患者さんのお気持ちがよくわかります。肌が乾燥してボロボロと落ちて学生服が汚れたり、あたかも感染するかのように周りから誤解されて、ふさぎ込んでしまったりネガティブな気持ちになったりしてしまいました。今も、巷にはさまざまなアトピービジネスがあふれていますし、やって良い治療と良くない治療もありますので、そういうこともトータルで自分の経験を踏まえてお話しすることができます。塗り薬を処方する時にも、ただお渡しするだけでなく「ここのひび割れにこういうふうに塗って、テープで寄せるようにして止めて。剥がす時はこういうふうに」と、使い方のご説明も細かくしています。

勤務医時代は、総合診療科にいらしたそうですね。

総合診療とは、ひとことで言いますと「何でも診ること」です。私は長く、大阪市立大学医学部附属病院の総合診療センターと、関連病院の総合診療科や救急科に勤務してきました。大学病院における総合診療を行う医師は、他科や他の病院から紹介されて来る患者さんの、診断の最後の砦です。100万人に1人というような難病の人にも診断をつけて、治療に結びつけていく。大学病院にはいろいろな専門の医師がいますから、相談をしながら、どこの科でも診断のつかなかった人を引き受けて治療をすることが仕事です。ひとりの患者さんに1時間以上かけて診察することも珍しくありません。関連病院では他の専門の科の医師と医師の間を埋めるような仕事もしてきました。腎臓内科の医師の診察がない日に腎臓病の患者さんを診たり、救急で運ばれて来た患者さんの手術を手伝うなど、幅広い領域に関わることで、研鑽を積んできました。

クリニックで理念として掲げておられることがあると伺いました。

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病気ではなく、病人を診るということです。医療は、人と人の間に成り立つものです。「おなかが痛い」という患者さんに、「腸炎ですね」と言うのは病気だけを診た結果です。腹痛になった原因、背景までも考えるのが、病人を診ることだと思うのです。そこにはメンタルや経済的な問題も絡んでいるでしょうし、心理的な面と社会的な要素も含まれます。それらをすべてトータルに診た上で治療の提案をすることが、病人を診るということだと私は思います。そのためには、患者さんがご自身の背景を打ち明けられるような状況を作ってあげることが大事です。医師に言い忘れることがないように、わざわざメモを書いて診察室に入ったのに、言えずに帰ってしまう……。そういうことのないように、私もスタッフも、いつも患者さんが話しやすい雰囲気をつくるように努めています。

医師と患者の間にある、近そうで遠い距離を縮めて行く

先生が診察の際に気をつけていらっしゃることはありますか?

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私は基本的に、診察室に座ったまま患者さんを呼び入れるのではなく、自分で診察室の扉を開けて、患者さんを招き入れます。患者さんが待合室で待っている間のご様子を見ることから診察を始めています。体のことはもちろん、「待ち時間が長くなって、イライラしているなあ」と思えばリラックスできるような、「今日はいつもより元気がないなあ」と感じたら元気づけるような一言をかけるように心がけています。また、何げなくお話ししながら、目では患者さんの全身を見ています。診察後も、いまひとつ納得されていないような雰囲気なら、「ほかに何か聞きたいことはありますか?」と、お声をかけます。小さなことかもしれませんが、そういう時間をつくることで、患者さんは気持ちが収まったり、安心されるのではないかと思います。

今後の展望を教えてください。

かねてより準備をしてまいりました訪問診療が今月からスタートします。退院後の訪問診療や、通院が困難となった方の定期訪問、緊急時の往診や入院先の手配も視野に、地域の高齢者の方が安心して毎日が過ごせるお手伝いをしていきたいと思います。また、当院の待合室を多目的に利用し、地域の方々とのコミュニケーションの場として展開していくことも計画中です。アロマスプレー作りや、アロママッサージなどのイベントも定期的な開催を予定しています。病気を治療するクリニックとしてだけでなく、地域の皆さまが気軽に集える場所となっていければうれしいです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

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医療が身近である医師と、病気を身近に感じ切れていない患者さんとの距離は、近そうで遠いと思います。しかし、患者さんが自分から医療知識を得たいと感じ、行動に移せるよう医師がそのサポートをすることで、その距離はぐっと近づくと思います。そのために医療のことを、わかりやすくお伝えしていきたいですね。この場所でずっと長く、地域の皆さまのために、「あそこに行ったら、満足できる」「ためになる情報が得られた」と思っていただけるクリニックをめざして頑張っていきます。

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