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検査から抜けがちな頭頸部
意識的に検査し頭頸部がんを早期発見

うぐもり耳鼻咽喉科

(松山市/鎌田駅)

最終更新日:2021/10/12

うぐもり耳鼻咽喉科 検査から抜けがちな頭頸部 意識的に検査し頭頸部がんを早期発見 うぐもり耳鼻咽喉科 検査から抜けがちな頭頸部 意識的に検査し頭頸部がんを早期発見
  • 保険診療

舌がんや喉頭がん、甲状腺がんなど、首から上部にできる頭頸部がんは種類も多岐にわたる。鼻や耳などに発症する場合もあれば、「そんなところにがんができるの?」と、あまり認知されていないがんもある。頭頸部は話す・聞く・食べるなど、生活する上で欠かせない五感に関係する部分。QOLにも大きく影響することから、早期発見が大切といわれているが、この領域のがんは一般的な人間ドックの項目外で、初期段階では自覚症状に乏しく、専門の医師でなければ異常が見つけにくいため、気づいた時にはかなり進行しているケースもあるそうだ。その頭頸部がんのエキスパートとして国立がん研究センターや大学病院で長年治療に携わり、現在は「うぐもり耳鼻咽喉科」で早期発見に力を入れる鵜久森徹院長に話を聞いた。

(取材日2019年9月19日)

不調があればまず検査。耳・鼻・喉のがんは早期発見&治療できれば、健康時のQOLを維持できる可能性も

Q頭頸部がんにはどのようなものがありますか?
A
うぐもり耳鼻咽喉科 鵜久森院長は日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医の資格を持つ

▲鵜久森院長は日本耳鼻咽喉科学会耳鼻咽喉科専門医の資格を持つ

頭頸部(とうけいぶ)という言葉を初めて耳にする人も多いでしょう。頭頸部とは、脳と目を除く鎖骨から上の頭部のことを示し、頭頸部がんとはそこに発症するがんの総称です。口や鼻、喉、耳下腺、甲状腺などに発症する頭頸部がんは認知度も低く、がんの中で占める割合は5%程度といわれています。副鼻腔がん、舌がん、唾液腺がん、咽頭がん、喉頭がん、甲状腺がんなどさまざまな種類があります。舌だけでなく歯肉にできたり、頻度は高くないですが耳の中耳や外耳にもできます。

Q頭頸部がんの場合、どのような症状が現れますか?
A
うぐもり耳鼻咽喉科 問診前に問診票からも症状を把握

▲問診前に問診票からも症状を把握

病気ができる部位により症状が若干異なります。喉頭がんや咽頭がんでは、声がかすれる、食べた時に喉がしみる、喉の詰まりや違和感、リンパ節が腫れることによる頸部のしこりができることがあります。舌がんでは舌の外側の縁にしこりができることが典型的な症状です。しこりができなくても2週間以上治らない口内炎の症状は注意が必要です。鼻の奥にできる上咽頭がんでは最初の症状が中耳炎の場合があります。甲状腺がんでは喉ぼとけの下辺りにしこりができたり、声がかすれるなどの症状が出ることが挙げられますね。

Q頭頸部がんになりやすいのはどのような人でしょうか?
A
うぐもり耳鼻咽喉科 自己判断せずに、医療機関へ相談して早期に検査することが大切

▲自己判断せずに、医療機関へ相談して早期に検査することが大切

下咽喉がんはほぼお酒やタバコが原因といわれていますが、まれに女性で鉄欠乏性貧血が原因でなるケースも。子宮頸がんと同じヒトパピローマウイルス(HPV)が原因といわれる中咽頭がん、EBウイルスが原因の上咽頭がんは20代でなる場合もあり、中耳炎がなかなか治らない場合、発症している可能性も。地域性や食べ物が原因とも言われ、上咽頭がんはアジア地域、特に中国や台湾が多い傾向があります。頭頸部に関わらず、リウマチなどで免疫抑制剤を服用している人、飲酒で顔が赤くなる、アルコールを代謝する機能が低い体質の人は発がんのリスクが高くなる傾向があります。逆にアルコールを全く受けつけない人はリスクは低いと言えますね。

Qどのような検査をするのでしょうか?
A
うぐもり耳鼻咽喉科 内視鏡や超音波による検査、診断

▲内視鏡や超音波による検査、診断

頭頸部がんは見た瞬間、触った瞬間にわかる場合もあります。舌がんは口を開けていただき、触ればほとんどの場合わかるので検査も簡単です。喉頭の検査には内視鏡検査を用いますが、胃の検査のように前処置も不要で5分ぐらいで済みます。鼻から入れる細い内視鏡なので、胃カメラが苦手という方でも「もう終わったの?」と言われるぐらい負担の少ない検査です。そのほか座ったまま撮影ができるCTなども用います。頸部の超音波検査では甲状腺やリンパ節の状態を確認します。腫瘍が見つかれば、組織を内視鏡で採取し、悪性の所見が出た場合は大学病院やがんセンターなど、専門の医療機関で治療が受けられるように連携しています。

Q頭頸部がんも早期発見が重要だと聞きました。
A
うぐもり耳鼻咽喉科 早めの受診・相談を呼びかけている

▲早めの受診・相談を呼びかけている

はい。例えば舌がんは早期の場合は30分程度の手術で入院も1週間。追加治療の必要もなく、あとは外来での定期検診だけです。進行している場合は舌を半分近く切除して、おなかから筋肉を移植するなど、大がかりな手術が必要となる場合も。術後もしばらく食事が普通にできませんし、放射線治療を続ける場合は、進行状況にもよりますが3ヵ月程度の入院を要します。咽頭がんも早期であれば、内視鏡で切除できるので入院も1週間程度、機能障害もほとんど残らないでしょう。しかし、進行がんの場合は喉頭を部分的もしくは全部切除しなければならず、発声機能を失ったり、物の飲み込みが難しくなったりと、生活の質が大きく低下することもあります。

ドクターからのメッセージ

鵜久森 徹院長

勤務医時代、頭頸部がんの診療や手術に携わる中、適切な時期に適切な診断を受けることができれば、大がかりな手術をすることなく、生活の質を落とさずに済んだのに、と思われる方を大勢診てきました。一般的な人間ドックでも検査項目に入っていない頭頸部のがんは早期発見が難しく、見つかった時にはかなり進行していることが多い傾向にあります。また、初期段階では自覚症状に乏しいため、専門の医師でなければ見逃してしまうことも。それだけに、不安になった時にまず行ってみようと思えるかかりつけ医を持つことは重要です。「こんな症状で受診してもいいのかな」と思うレベルでも結構なので、気になることがあれば気軽にお越しください。

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