安武 美紀 院長の独自取材記事
楽々園内科呼吸器クリニック
(広島市佐伯区/楽々園駅)
最終更新日:2024/07/09

広電2号線・楽々園電停から徒歩5分。閑静な住宅街を抜けた街道沿いに立つメディカルビル「楽々園クリニックビル」の3階に位置する「楽々園内科呼吸器クリニック」。大きな窓が印象的な待合室は、明るく落ち着きのある雰囲気だ。院長の安武美紀先生は、へき地医療やさまざまな医院で呼吸器疾患の治療に従事。その経験を生かし、同院でも喘息の治療に特に力を入れていると語る。患者の利便性のためにCTを導入するほか、さまざまな面で受診する患者の負担軽減に取り組み、患者の幸せを一番に考える熱い心を持った安武先生に、治療方針や今後の展望について話をじっくりと聞いた。
(取材日2024年6月11日)
風邪から喘息まで幅広い疾患に対応
これまでのご経歴を教えてください。

へき地や離島など、医療が機能しにくい土地での医療確保、またその土地で医療を行う人材を育てることを目的とした自治医科大学医学部を卒業し、9年間へき地医療に携わっていました。その後、さまざまな病院で診療を行う中で、やはり生まれ育った広島の皆さんの健康を支えたいという思いから、当クリニックを開業しました。へき地医療に携わっていた際は、幅広く診療できる医師として消化器内科や循環器内科も従事しましたが、大学卒業後に勤務した県立広島病院は喘息患者が多く、当時の院長・桑原正雄先生が喘息の診療を得意とする先生であったこと、喘息のグループに所属していたこともあり、喘息を深く学ぶことができる呼吸器内科の道へ進みました。
どのような症状で来院される方が多いですか?
呼吸器内科なので、咳や熱といった一般的な風邪症状を発症して来院される方が多いです。耳鼻咽喉科とどっちに行こうかなと悩まれる方も多いですが、どちらでも大丈夫です。ただ一つの目安として、鼻から喉の症状なら耳鼻咽喉科、咳や痰など気管や肺に症状が起きている場合は呼吸器内科を選んでいただけるといいかなと思います。風邪ではなく気管支炎や肺炎だったという場合もありますし、肺炎にもさまざまな種類があって、その見極めは私たちですら難しい時もあるほど複雑なんです。なので、耳鼻咽喉科に行ったけど風邪の症状がなかなか改善しない場合や、咳などの症状にお悩みの際は、いつでもご相談くださいね。
開業して6年目となりますが、印象的だったことは?

やはり新型コロナウイルスの感染拡大はクリニックにとって大きな出来事でした。緊急事態宣言が発令され、知識を吸収し地域医療を推進する場である医師会の活動や集まりもなくなるなど、目まぐるしく事態が変わりその対応に追われる日々でした。しかし、私たちの使命は目の前の患者さんを助けること。そのことを常に意識し、地域医療を支えるためにできることを行い続けました。例えばワクチン接種も迅速に導入しましたし、二次感染が起きないように隔離したスペースをつくり、発熱症状のための外来診療も行いました。目に見えず、感染力が強い未知のウイルスと戦う日々はとても大変でしたが、そういう時だからこそ患者さんの支えになり、頼れる存在であるべきだと私は考えています。開業して1年足らずでパンデミックを経験し苦悩することもありましたが、この経験があったからこそ、今現在地域の方に頼っていただけるクリニックに成長できたと感じています。
地域住民にとって便利なクリニックをめざしCTを導入
こちらのクリニックの強みを教えてください。

私自身が日本呼吸器学会呼吸器専門医であることに加え、看護師が全員呼吸器の検査を行えることから、検査や解析など呼吸器疾患の治療を適切に行うことができるところです。特に喘息の診療を専門的に行ってきたので、町のクリニックで専門的な喘息治療を行うことができる点は当クリニックの強みですね。通常、大学病院に行かないとできないことが多いCT検査も当クリニックで行うことができますし、通院しやすい距離にこの医療環境を整えているクリニックがあるというのは、地域の方々にも安心していただけているのではないかなと感じています。
CTを導入された理由はなんだったのでしょうか?
地域の方々にとって、便利なクリニックになることを目標にしているからです。大規模病院でCT検査を受けようと思うと、外来の診療時間は基本的に平日の日中のため仕事を休まなければいけないという方が多い上に、家から遠い場合は交通費もかかります。ですが、地元のクリニックなら仕事帰りに寄って手軽に検査を受けることができますし、症状によっては肺炎治療も入院せずに通院で点滴を受けるだけで治療できる場合もあるため、時間や経済的な負担が少なく済みます。CTを用いた検査では、CT画像を見て病気の有無や状態を確認する読影を私と外部の放射線を担当する医師でダブルチェックを行い、最終的な診断をすることで見落としがないようにしています。
診療方針について教えてください。

当クリニックでは診療方針として「地域住民の健康を支えるために」という言葉を掲げています。その想いは日々の診療で常に大切にしていますし、スタッフ間でも共有して、クリニック全体で患者さんのことを支えることができるような体制を整えています。例えば、患者さんの負担を減らすため、先ほどお話しした読影の外部発注費用はクリニック負担にしたり、今年の6月に行われた診療報酬の改定では、患者さんの負担が増えないような報酬体系を選択したりと、目に見えないところですが、できるだけ患者さんの負担が増えないよう工夫しています。保険診療なのでできることには限りはありますが、私はお金のためではなく困っている人を助けたい一心で医師の道を選んだので、患者さんファーストを意識しています。
これからも変わらず地域住民の健康を支えていきたい
休日は何をされていますか?

主人が長崎に単身赴任中なので、休日はドライブがてら会いに行くことが多いです。ゴールデン・レトリーバーを2匹飼っているので一緒に乗せて行くのですが、道中を少しでも快適に過ごしてほしくて車を買い替えるほどに溺愛しています(笑)。あとは隙間時間に読書をしたり、野球観戦が好きなので試合を見たりしています。私自身がクリスチャンなので教会にもよく行きますね。
これからの展望を教えてください。
これからも変わらず、地域住民の方々に頼っていただけるようなクリニックをめざしていきたいです。先ほども少しお話しした新型コロナウイルスが流行し始めたのが、開業してまだ1年もたっていない時だったので、地域住民の方々にもまだ当クリニックが浸透していなかった時期ですし、患者さんも通常時の半分ほどになってしまったんです。ですが、目の前の患者さん一人ひとりと真摯に向き合い続けることで少しずつ信頼していただけるようになり、今ではたいへん多くの患者さんに来院していただいています。これからも当クリニックの診療方針である「地域住民の健康を支えるために」という言葉を胸に、そのためには何ができるかを自身に問いかけ続けながら、地域の皆さんの健康を支えていきたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

地域住民の方に、気軽に来院していただけたらいいなと思っています。検査や治療などは、お金がある人でないと受けられないものではありません。当クリニックは、症状に困っている方全員が平等に治療を行うことができる、そんなクリニックをめざしています。例えば喘息の吸入機もいろんな価格帯があります。また、検査もたくさんの種類を受ければその分費用がかかってしまうので、患者さんのご希望に応じて必要最低限の検査で済ませることも可能です。患者さんに寄り添い、最適な治療法を一緒に見つけていけたらいいなと思っておりますので、何か気になる症状やお悩みがある際はいつでも相談していただけるとうれしいです。