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自宅で過ごす子どもと家族が
安心して暮らせるための在宅医療

わしおこども医院

(神戸市中央区/みなとじま駅)

最終更新日:2025/04/04

わしおこども医院 自宅で過ごす子どもと家族が 安心して暮らせるための在宅医療 わしおこども医院 自宅で過ごす子どもと家族が 安心して暮らせるための在宅医療
  • 保険診療

昨今の医療の傾向として長期入院から在宅療養へという流れが加速し、在宅医療の重要性が高まっている。その一方で、「在宅」というと高齢者のイメージが強いこともあってか、子どもを対象とした在宅医療は見過ごされがちな側面もある。そうした中で、地域のニーズをすくい上げ小児の訪問診療に取り組んでいるのが、ポートアイランドにある「わしおこども医院」だ。もともと「地域で暮らす人々が子育てしやすい環境をつくりたい」という鷲尾隆太院長の思いからスタートした同院。2022年には小児専門の訪問看護ステーションも開設し、チームで連携しながら自宅で暮らす子どもとその家族を支えている。今回は鷲尾院長に小児在宅医療の現状と、同院の取り組みについて詳しく聞かせてもらった。

(取材日2025年2月27日)

子どもとその家族が笑顔で過ごせるよう、チームで連携して「できることは何でもする」

Qクリニックで小児在宅医療を始めようと思ったのはなぜですか?
A
わしおこども医院 安心して自宅で過ごせるように訪問診療にも注力している

▲安心して自宅で過ごせるように訪問診療にも注力している

前職で訪問診療に携わるうちに、その必要性を強く感じたからです。自宅で過ごす子や医療的ケアが必要な子が、一番安心できる場所で自分らしくいられるようサポートしたい、それが出発点でした。生活の場で必要なケアをすることで、その子にとっての成長を間近で見ることができるのは、医師として大きなやりがいだと思ったんです。同時に、親御さんの力になりたいという気持ちもありましたね。バギーを押して病院と自宅を往復し、親子で長い待ち時間を過ごすことは私たちが考える以上につらいはずです。そうしたご苦労や負担を考えたときに、僕たちがご自宅に出向けば、お子さんにも親御さんにもプラスになるんじゃないかなと考えました。

Q現代において、小児在宅医療の重要性は高まっているのですね。
A
わしおこども医院 通院が難しい患者にも対応可能であることがメリット

▲通院が難しい患者にも対応可能であることがメリット

日本は世界の中でも新生児死亡率の低さにおいて、トップレベルだと思いますが、命が助かる子が増える一方で、後遺症を残してしまう方がいらっしゃるのも事実です。また、入院期間を短くしようという医療提供体制になっていることもあり、呼吸器をつけているお子さんであっても、昔に比べて退院までの期間は短くなっています。病院にいれば看護師さんが24時間交代制で看護できますが、ご自宅に帰るとどうしてもご両親、特にお母さんがつきっきりでお世話をするために負担が大きくなり、就労を諦めたり自分のことは後回しにせざるを得ないというのが現状です。こうしたことから、小児在宅医療の重要性は年々大きくなっていると思います。

Qこちらではどのようなお子さんを対象としているのですか?
A
わしおこども医院 安心して通ってもらえるようにかわいらしい院内

▲安心して通ってもらえるようにかわいらしい院内

通院が難しいすべてのお子さんです。ですから、医療的ケアを必要としている子はもちろん、終末期の看取りにも対応しています。お子さんがどういう状況でも、ご家族が願うのは「子どもと一緒にこれまでどおりの日常を送りたい」ということだと思うんです。でも、現実には不安と隣り合わせの生活を送られているわけで、そうしたお母さんたちの不安を少しでも減らし、皆さんを笑顔にするのが僕たちの仕事です。そのためにはどんなことでもやりますから、一人で抱え込まずに頼ってほしいなと思います。医師だけでなく、看護師やリハビリテーションスタッフなどの専門家がチームで皆さんを支えられることを、より多くの方に知っていただきたいですね。

Q実際に、在宅医療の場ではどんなことが行えるのですか?
A
わしおこども医院 「おうちでの生活の良さを感じてもらいたい」と話す院長

▲「おうちでの生活の良さを感じてもらいたい」と話す院長

定期的な訪問によるお子さんの体調管理のほか、発熱時などの緊急対応も行っています。特に急な体調不良の場合は、外来に行くとなると親御さんの負担も大きいので、僕たちが出向いて、自宅で様子を見るのか、入院したほうがいいのかを診た上で、必要なサポートを親御さんと一緒に考えさせていただきます。また、僕たちは生活の場に入らせてもらっているので、ご家族全体を診るという視点も大事にしています。例えば、患者さんのきょうだいや親御さん自身のことなど、気になることがあれば話を聞かせていただき、必要に応じてケアをしたり解決策を一緒に考えたりと、ファミリーサポーターのような立ち位置で皆さんの生活を支えられたらと思います。

Qこちらのクリニックの訪問診療における特徴を教えてください。
A
わしおこども医院 保護者と一緒に考えるということを大切にしている

▲保護者と一緒に考えるということを大切にしている

第一に、24時間体制で対応していることですね。在宅医療を受けているお子さんは昼夜関係なくケアが必要なことが多いので、いつでも相談できるのは親御さんにとって大きな安心につながるのではないでしょうか。また、法人内に子ども専門の訪問看護ステーション「わっしぃ」があるのも特徴です。訪問介護ステーションが同じ法人だと連携が図りやすいので、僕たちも患者さんの状況を把握しやすく、より早く変化に気づける点がメリットだと思います。もちろん外部の訪問看護とも連携していますので、地域の医療・介護と協力しながら、チームで患者さんとそのご家族を支えていけたらと思っています。

ドクターからのメッセージ

鷲尾 隆太院長

医療的ケアが必要なお子さんや終末期のお子さんが、ご家族とともに安心してご自宅で過ごすための手段として、在宅医療という選択肢があります。まずはそのことを知っていただき、「おうち」だからこそ味わえる日常生活の楽しさをめいっぱい感じてもらえたらなと思います。そのために、僕たちはどうしたら患者さんが不安なく笑顔に過ごせるのかを、お子さんと親御さんの目線に立って考え、できることは何でもするつもりです。そうして風邪をひいたらクリニックを受診するように、些細なことでも気軽に相談してもらえる存在でありたいですね。患者さんたちの暮らしがより良いものになるよう、これからもチーム一丸となってサポートしていきます。

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