信濃町診療所 Clinica Medica

信濃町診療所 Clinica Medica

矢吹 大輔院長

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信濃町駅から徒歩30秒、「信濃町診療所 Clinica Medica」を訪れた。開業から40年、専門である泌尿器科を中心に、内科、皮膚科、性感染症内科という幅広い分野の診療を行いながら、この町の人の健康を守り続けている。性病を患っている患者を多く診ており、膀胱炎や前立腺肥大症、尿路結石症、性感染症などの治療が得意だ。糖尿病などの生活習慣病、メタボリックシンドロームやAGAの治療にも力を入れるなど、プライマリケアを真髄としている。2代目院長の矢吹大輔先生は、メキシコで医学を学んだ国際派医師。海外での現場経験を礎とし、究極のホームドクターの在り方を模索し続けている。そんな矢吹先生に、治療のコンセプトや自身の経歴について、たっぷりと語ってもらった。
(取材日2012年3月14日)

メキシコの大学で医学を習得。プライマリケアを真髄に

―先生は2代目の院長と伺いました。

はい。初代院長は私の父で、40年ほど前に開業しました。父の時代から「いろいろな分野を診る」というスタンスは、ずっと変わっていません。とくに信濃町には、性病など、なかなか人には相談しづらい病気を持った患者さんも多いです。どんなことでも、ここではざっくばらんに話してもらえるように、気さくな応対を心がけながら長いこと仕事をしてきました。スタッフは私と看護師が1人といった、こじんまりとした医院ですが、だからこそアットホームな親しみやすさを感じていただけることもあるんです。明るい笑顔と包容力で、皆さんの不安を少しでも和らげることができればうれしいです。

―メキシコで医学を学ばれたそうですね?

高校を卒業後はグラダラハラ自治大学の医学部に進学しました。向こうの医学部は、「まず実践、そこから学べ」の繰り返しです。必要最低限の知識や技術を習得したら、その後は患者さんを診ながら経験を積むのみ。わからないことは、その場で調べて身につけていけという風潮です。学期末の試験も毎回難しく、卒業時の学生数は入学時の3分の1まで減ります。ですから、技術の習得は早かったですし、ハングリー精神もかなり養われたと思います。当時は本当にいろいろな患者さんがいらっしゃいました。疫病や感染病のまん延も早くて、専門の科だけを診ているようでは仕事にならず、ここの経験からも「いろいろな分野を診る」というスタンスの真髄を学びましたね。メキシコでの経験は、ここでの診療の礎になっています。

―人を助けるために、できることはなんでもするべきだということですね。

それこそが医療の本質だと思いますよ。メキシコはカトリックの国で、困っている人や、病んでいる人に手を差し伸べる“隣人愛”の精神が根付いていますから救急医療も発達しています。難しい病気もありますから、専門医という立ち位置は必要ですけど、町の診療所では、来院された方の病気を的確に判断して、治療を振り分けることも大事なことです。ここでできる処置は適時的確に行い、難しい病気は連携している病院に紹介する。その判断が、われわれ開業医の一番大切な仕事なのかもしれません。そう思えるようになったのもメキシコでのいろいろな経験のおかげでしょう。帰国後には日本の医師免許を取得し、東邦大学医療センター大森病院で外科なども経験し、また東邦大学医療センター大橋病院泌尿器科へ入局し、泌尿器科の臨床も学びました。それでも私の精神はメキシコで培われた部分が大きいようで、プライマリケアを真髄とした全人的な医療をめざしています。



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