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益子 竜弥 院長の独自取材記事

エメラルド整形外科疼痛クリニック

(札幌市北区/麻生駅)

最終更新日:2021/10/12

益子竜弥院長 エメラルド整形外科疼痛クリニック main

札幌市営地下鉄南北線・麻生駅の4番出口から徒歩1分、6番出口からは徒歩2分の「エメラルド整形外科疼痛クリニック」は、2019年4月に益子竜弥院長が開業したクリニック。「医師でありながら化学というサイエンスの一分野」での留学経験があるという益子院長は、治療においても論理的な考え方でアプローチし、原因をしっかりと突き止め、原因に応じた治療をすることを大切にしている。また自身がアトピー性皮膚炎に悩んだことをきっかけに漢方薬についても学び、診療にも取り入れているという。「祖母から『医は仁術なり』と聞かされて育ちました。心と体は密接につながっているもの。患者さんの心も大切にしながら治療にあたっています」と語る院長に、クリニックの特徴や診療スタンスについて話を聞いた。

(取材日2021年7月28日)

「化学から学んだ経験」を生かし、論理的に治療を展開

まず、医師をめざしたきっかけとこれまでに力を入れて学んできたことを教えてください。

益子竜弥院長 エメラルド整形外科疼痛クリニック1

うちは医師の家系で、父も整形外科の医師です。母方の祖父も医師でしたが早くに亡くなっており、祖母を通して「医は仁術なり」という祖父が大切にしていた格言を聞かされて育ちました。小学校の文集にも「将来は医師になる」と書いていましたね。実際に医師になり、大学院に進学した際には、医学部と理学部で再生医療について学び、軟骨や靭帯組織を再生させる医療材料を化学的手法を用いて合成する、という研究をしていました。そうして2年間、医学と化学の研究を行った後、ご縁をいただきアメリカのジョンズ・ホプキンス大学へと留学したんです。そこでは、化学・生物学を専門とする世界的な研究者の担当教授から、論理的な考え方・証明の仕方という、サイエンスの根幹をしっかりと教えていただきました。医師が、医学以外の分野の専門家から直接に重点的な指導を受けられることは非常に稀ですから、この経験を存分に生かし社会貢献したいと考えています。

留学経験は、診療にどのように生かされているのでしょうか?

例えば肩こりがある患者さんで、手のしびれなどの麻痺症状がない場合には、一般的には痛み止めの処方やリハビリテーションが行われます。しかし、痛みが良くならない場合もあります。その際に、サイエンスの論理的な考え方・証明の仕方が役に立ちます。ポイントは4つです。1つ目は「詳細に原因を突き止めること」。肩こりの場合、骨格や姿勢の問題、筋力不足、ストレス、自律神経の乱れなどが原因として考えられますので、診察や画像診断でしっかりと原因を突き止めることが重要です。その上で2つ目のポイントは、「原因に応じた治療法を選択すること」。筋肉が原因であれば筋肉に働きかける漢方薬を処方したり、ストレスが背景にあれば認知行動療法を行ったりします。自律神経の乱れから心身症を引き起こしている場合には、バイオフィードバックで評価や治療を行います。

残る2つのポイントについてもお聞かせください。

益子竜弥院長 エメラルド整形外科疼痛クリニック2

3つ目は、原因に対する適切な治療法がなければ「努力して体得すること」です。サイエンスの分野では、「必要な手法だが自分は知らない」場面が必ずあります。その際は他の研究者に相談するなどして、何とかしてその手法を遂行することがとても重要です。そして4つ目は、思うように痛みが軽減しない場合、「一から原因を究明し直し、新たな治療方針を組み立てること」です。大学院や留学を通じて学んだこのようなサイエンスの論理的な考え方・証明の仕方は、現在の治療に大いに生かされていると感じています。

西洋薬と漢方薬を併用し、患者に応じた治療を提案

アクセスの良い場所にありますが、遠方から来る人もいますか?

益子竜弥院長 エメラルド整形外科疼痛クリニック3

地下鉄南北線麻生駅から徒歩1分、バスターミナルから徒歩2分、 JR新琴似駅からは徒歩9分、そして札幌北インターチェンジからは1.5kmほどの好アクセスです。遠方から患者さんが来られることも想定してこの場所を選びました。実際に室蘭・伊達、夕張などから足を運んでくださる方もいます。もちろん近隣の方も多いですよ。クリニック名のエメラルドですが、これはスターエメラルドといってダイヤモンドよりももっと貴重な宝石のことを指しています。エメラルドは癒やしの石ともいわれていますし、麻生付近の患者さんだけでなく、札幌や北海道の方に貴重な癒やしを提供できる場所にしたいという思いを込め、この名前にしました。

先生が診療時に心がけていることを教えてください。

「ベストな医療を患者に提供することが医療者としての本分」と考えていますので、自分が「行いたい」「できる範囲」の医療を行うのではなく、「患者さんに必要」な検査や治療を提供したいのです。そのために現在の自分にできないものがあれば、新たに学び、体得して医療として実践できるように努めています。例えば、心因的な要素が強い患者さんのために認知行動療法を学んだのもその一つです。さらに、ワークブック形式の方法を導入し、患者さんご自身が自宅でも行えるように工夫しています。また、西洋医学では良くならない患者さんのために、東洋医学・漢方薬を学び、患者さん一人ひとりに合わせて最適と思える組み合わせで治療の提案を行っています。さらに、これまでの医療の限界を打破する可能性を秘めている先進の医療技術である「バイオフィードバック」についても新たに学び、体得して、日々の治療に取り入れています。

保険適用の漢方薬を取り入れているのも、そういった考えからでしょうか?

益子竜弥院長 エメラルド整形外科疼痛クリニック4

そのとおりです。僕が漢方薬による治療を始めたきっかけは、西洋医学を駆使してもどうしても良くならなかった患者さんたちに、漢方薬でアプローチしてみてはどうかと考えたからです。独学で漢方薬について勉強し、診療に用いるようになりました。それからも、さらに研鑽を積み、今では西洋医学と同じくらいの頻度で漢方薬を使用しています。

40分の時間をかけ念入りにリハビリテーションを実施

こちらで行っているリハビリテーションの特徴をお聞かせください。

益子竜弥院長 エメラルド整形外科疼痛クリニック5

通常、リハビリは20分ほどで行うところが多いのですが、当院では予約制で40分かけて行います。理学療法士を担当制にすることで、細かい症状の変化も捉えることができ、より患者さんに合わせたリハビリを提供していけるようになると考えています。そのため、患者さんの病態・病状などに合わせて担当を決めます。当院のもう一つの特徴は、リハビリに筋電図バイオフィードバックを活用していることです。表面電極を皮膚に貼って、複数の筋肉の状態を同時にリアルタイムに画像化していきます。なお、この表面電極は針電極ではないので、痛みを感じるものではないです。患者さんは実際の安静状態や動作時の筋肉の状態を画像で見ることで、問題点や改善度などを認識・理解することができ、その意識をもちながらリハビリテーションを行います。このバイオフィードバックをリハビリテーションに活用する方法を行う病院やクリニックは、ほとんどないかと思います。

患者さんの体だけではなく、心も大切にされているんですね。

「病は気から」と言うように、コロナ禍の今、心の不調が体に表れる方や、体の痛みから心に不調をきたす方が多い印象があります。当院は「痛みに特化した整形外科クリニック」ですので、体とともに、心の不調による痛みに対する治療も行っています。はじめにお伝えした保険診療のバイオフィードバックを使用し、ストレスに体がどう反応するかを検査するストレステストや、腹式呼吸や瞑想などで体がリラックスできるかを把握するリラックステストを行っています。これらにより自律神経の不調から心身症を引き起こしていると判断された場合は、呼吸の調節で自律神経のバランスを改善する心拍変動バイオフィードバックを行っています。ただし、当院は整形外科ですので、現時点では整形外科と関連した心の不調に対してのみ対応しています。

最後に、読者へメッセージをいただけますか?

益子竜弥院長 エメラルド整形外科疼痛クリニック6

患者さんの痛みの原因を突き止め、適切な治療を提案して、未来への希望を与えていくことが医師の仕事と考えています。整形外科として一般的に行われている西洋薬とリハビリテーションを用いた治療はもちろん、漢方薬や認知行動療法、自律神経の評価、筋電図・心拍変動バイオフィードバックなど、多彩な治療法やアプローチで皆さんの不調の改善をめざしていきます。興味のある方はぜひ、一度当院にご相談ください。

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