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谷本 啓爾 所長の独自取材記事

おおさか内分泌診療所

(大阪市北区/大阪駅)

最終更新日:2020/04/01

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阪急電鉄・梅田駅の茶屋町口を出て徒歩2分。おしゃれなカフェやファッションビルが並ぶエリアに2019年2月、「おおさか内分泌診療所」が開院した。甲状腺や下垂体、副腎などホルモン分泌に関わる臓器の疾患に特化した診療所で、大きな病院へ行かずとも、専門的な検査や治療を受けられるのが特徴だ。所長の谷本啓爾(けいじ)先生は、学生時代から内分泌のメカニズムに惹かれ、この道一筋に探究してきたスペシャリスト。数多くの研鑽を積んだ今も「まだまだ内分泌への興味は尽きない」といい、患者一人ひとりに日々全力で向き合っているそうだ。診断が難しい内分泌疾患を正確に見極めるため、コミュニケーションを何より大切にしているという谷本先生に、診療へかける想いを語ってもらった。(取材日2019年6月10日)

アクセス抜群のエリアに開院し、患者の通院を楽に

内分泌疾患に特化した診療所とは珍しいですね。

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当診療所は一般内科を標榜せず、甲状腺、副甲状腺、下垂体、副腎、性腺などの内分泌疾患を専門的に診ています。代表的な病気は橋本病、バセドウ病、下垂体機能低下症、高プロラクチン血症などです。このような病気は大きな病院で診てもらうことが多いかと思いますが、紹介状が必要だったり、検査にも時間がかかったりで気軽に受診しづらいのが難点です。患者さんにとって、もっと身近な存在となる診療所をつくりたくて、開院に踏み切りました。梅田を選んだのも、通院しやすさを考えてのことです。阪急、JR、地下鉄など各線からアクセスできます。

診療所の特徴を教えてください。

内分泌疾患の診断に必要な、ほとんどの検査を院内で受けていただけます。具体的には、血中ホルモンを測定する血液検査、甲状腺超音波検査、細胞診などです。そして1時間ほどお待ちいただければ、原則的に検査したその日に結果をお伝えできます。内分泌疾患は症状だけでは診断がつきにくく、いろいろな診療科を回っても不調の原因がわからずに不安を抱えている患者さんも多いので、その日に検査結果がわかるというのは大きなメリットではないでしょうか。また薬を注射してホルモンの変化を診る「負荷試験」という特殊な検査も行っていて、これは内分泌を専門とする当診療所ならではだと思います。検査結果が出るまでの待ち時間はカフェなどへ行って時間を過ごしてもらうこともできますが、ここで待ちたいという患者さんのために待合室は広めに取り、リラックスできるように温かい落ち着いた色の照明を採用しています。

どのような患者さんが多く来られますか?

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女性に多い病気ですから、男女比でいうと女性が8割から9割です。年代は20代から80代まで幅広いですね。健診で異常が見つかり、かかりつけ医に「内分泌の病気がないか調べたほうがいい」と言われて検査に来られる方も少なくありません。こちらは会社勤めの方も通院しやすい立地にありますから、会社を丸一日休まなくとも受診していただきやすいのではないでしょうか。診療の流れとしては、問診、診察、甲状腺の超音波検査、血液検査という順で進めていきます。検査の結果、外科的処置などが必要なら、内分泌疾患の手術が可能な病院を患者さんとご相談の上、紹介しています。

高い専門性とコミュニケーション力に強み

なぜ、内分泌を専門に選んだのですか?

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学生時代に受けた講義がとても興味深かったのです。内分泌疾患はホルモンの分泌が影響していて、例えば甲状腺からのホルモンの分泌が少ないと、頭の下垂体から出る甲状腺刺激ホルモンは増えますし、その逆のパターン、あるいは両方のホルモンが少なくなるパターンなど、いろいろな組み合わせがあり、それがさまざまな症状となって現れます。このメカニズムは非常に奥が深いもので、講義を受けてすぐに「これを専門にしよう」と決断しました。研修中にほかの分野に誘われたこともありましたが、内分泌は学べば学ぶほど面白かったので決意は変わりませんでしたね。

内分泌疾患にはいろいろな病気があるそうですね。

そうですね。あまり一般的に知られていない希少疾患も多いんです。私は特に下垂体を専門的に学んだのですが、それは下垂体がすべてのホルモンの働きをコントロールしている中枢だからです。内分泌疾患の中で実際に多いのは甲状腺疾患なのですが、下垂体のことを知っていれば甲状腺も含めいろんな疾患に対応できます。すべてに責任を持って診療できるようになることを目標に、研鑽を積んできました。中でも、東京女子医科大学第二内科学の高野加寿恵教授、肥塚直美教授に師事したことは自分にとって貴重な経験でしたね。お二人はホルモンを簡単に測定する機器がない時代から研究や診療を重ねていらっしゃったので、お話の一つ一つが深く、たいへん勉強になりました。あの経験がなければ、今の自分はないと思っています。

患者さんはどのような症状で受診されますか?

実は一概に「こういう症状」とは言えないんです。ホルモンは血液を通して全身を流れて作用するので、人によって症状の出方が違うんですよ。例えば甲状腺ホルモンには活動性を高める働きがあるので、これが増える病気だと頻脈、体重の減少、手が震えるなどの症状が出て、少なくなると逆に脈が遅くなり、むくみ、便秘になるのが一般的です。しかし、バセドウ病など甲状腺ホルモンが増える病気でむくむ人もいて、専門家でも判断が難しい場合があるのです。そのため何が原因なのかも症状だけでは判断しづらく、しっかりと問診して何の可能性があるのか、見極めていく必要があります。

診断には高度な知識と経験を要するのですね。

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実際のところ、この仕事はコミュニケーション力が勝負です。ホルモンの数値は風邪、ダイエット中、運動後など本人の生活状況によっても変わりますし、妊娠、閉経などの影響も大きいです。さらに言うと副腎ホルモンは朝高くて夜低いので、時間軸も見ながら総合的に判断しなければなりません。個々人の状況をよく聞かないと、症状とホルモンの解釈を見誤ってしまいます。ライフスタイルの変化についても伺う必要がありますが、すべてを把握するのは難しいものです。例えば長年通っている患者さんでも、結婚したとなると妊娠の可能性が高まるので注意しなければなりませんが、患者さんがわざわざ医師に「結婚したんです」と話すとも限りませんよね。ですから診療には時間をかけて、なるべく話しやすい雰囲気をつくるように心がけています。

もっと内分泌疾患を知ってもらい、診療するのが目標

長く通院しなければならない患者さんもいらっしゃいますよね。

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そうですね。実は「治りますか?」という質問に答えるのが一番難しいです。基本的には薬で治療していくのですが、それで治る場合と、完治することはなく継続して治療しなければならない場合、何もせず経過観察する場合があります。バセドウ病などは治ったとしても、また再発しないかどうか定期的に検査していくことが必要になります。そういう意味では、治ってもうまく付き合っていかなければならない病気が多いのです。それがほかの病気とは違って難しいところですね。

どのようなときに検査を受けるべきでしょうか?

甲状腺ホルモンが少ないと不妊や流産のリスクが高まるといわれていますから、妊娠適齢期の方で不安があれば一度検査することをお勧めします。ほかは状況によりますが、気になる症状があれば風邪を診てもらうのと同じ感覚で、気軽に来ていただきたいですね。内分泌疾患の症状は実にさまざまですから、インターネットなどで検索すると何かしら当てはまるものがあり、不安だけが募ってしまうでしょう。検査の結果、異常が見つかればここで治療して上手に病気と付き合っていけるようにします。逆に、問題なければ「大丈夫ですよ」とはっきり言ってあげられるのも自分の強みであり、役割だと思っています。

今後の展望をお聞かせください。

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内分泌内科の診療は慣れるまでは難しく大変ですが、経験を積めば明快で興味の尽きない分野だと思います。そのため日々、一人ひとりの患者さんの診療に対してやりがいを感じていますね。とはいえ、一般の方からすると「内分泌」という言葉自体になじみがなく、どんな症状でかかればいいのかわからないという人もまだ多いようです。ですから「もっと内分泌の診療をしたい、もっと知ってほしい」というのが私の願いです。何かわからない症状があれば大きな病院に行かねばならないと思っている人に対して、「あそこの診療所でもしっかり診てもらえるよ」と紹介してもらえるようにしていきたいです。

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