安田 健太郎 院長、安田 博行 先生、安藤 謙一 先生の独自取材記事
安田整形外科リハビリテーション科クリニック
(名古屋市緑区/相生山駅)
最終更新日:2021/10/12
名古屋市営地下鉄桜通線の相生山駅から車で5分の住宅街にある「安田整形外科」は今年6月に開業したばかりの真新しいクリニックだ。前身は安田健太郎院長の父である安田博行先生が福岡で開業していた23床の病床をもつ「安田整形外科医院」。健太郎院長の恩師で「神様のような存在」と尊敬する安藤謙一先生を顧問に迎え、経験豊かな3人のドクターが患者自身を診ることに重きを置いた診療を行っている。3人の先生方に開業の経緯や診療方針などを聞いた。
(取材日2019年8月3日)
経験豊かなベテランドクター3人による診療体制
最初に、開業の経緯を教えてください。
【健太郎院長】私は福岡県の出身で、「安田整形外科医院」はもともと北九州市で父が開業したクリニックになります。藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)に入学して愛知に来て、安藤先生は大学の恩師にあたります。大学を卒業後、九州大学の医学部整形外科教室に入局して福岡を中心に各地の病院に勤務していましが、10年ほど前に愛知で働く機会があり安藤先生に相談をさせていただきました。そこから先生に指導をしていただくなど、懇意にさせていただいています。九州に帰ることも考えましたが、こちらに10年暮らし、勤務していた緑市民病院の患者さんも継続して診ていきたいという思いもありました。父に相談したところ、九州からこちらに移転をしてもいいということだったので、今年6月に緑区に開業したわけです。
健太郎院長を中心に、3人で診療されているのですね。
【博行先生】私は普段は老人保健施設の施設長をさせていただき、当院には週に1回、土曜日に勤務しています。私は長年町医者として、婦人科以外、幅広く診てきました。開業して間もないですが、理学療法士、柔道整復師、看護師らスタッフとともにまずは順調な滑り出しで、とりあえず安心しています。
【安藤先生】私の専門は股関節と小児整形外科で、これまで数多くの股関節の人工関節手術を手がけてきました。藤田医科大を定年退職後、おかげさまで今も休みのないくらい忙しくさせてもらっていて、今は月に1回、当院で小児整形外科の診察をさせてもらっています。小児整形外科は専門のドクターが非常に少なく、少しでも患者さんのお役に立てたらと思っています。
先生方はなぜ医師になろうと思われたのでしょうか?
【健太郎院長】父をはじめ親族に医師が多く、小さい頃は大人になったら勝手に医師になっているものだと思っていました(笑)。父は大きな存在で、怒られていたわけではないのですが、ピシっとしていて怖かったですね。大きくなってからも医師以外の選択肢は頭にありませんでした。整形外科を専門に選んだのは、子どもからお年寄りまで患者さんの年齢層が幅広く、がんで亡くなる人が少なく、多くが元気になって帰っていくところが魅力でした。人の面倒を見るのが好きな性格なんです。
【安藤先生】私も父が医師だったのですが、実は理学部に入って学者になりたいと思っていたんです。京都大学の理学部まで受験しましたが一浪して、その時に理学部の学生と話をしたら自分では太刀打ちできないと感じました。父にも相談して、翌年は医学部を受験して慶応大学に入り、医師に。一生やりがいのある仕事と巡り合えて、後悔はないですね。
骨粗しょう症治療に注力。健康寿命を延ばしたい
クリニックの特色を教えてください。
【健太郎院長】骨粗しょう症に関しては、腰と股関節の骨密度を測れて、学会に発表できるような精度にこだわったデータを取れる先進の機械を導入しています。大きな病院では導入をしていますが、開業医では少ないと思いますよ。骨粗しょう症はこの5年ほどで新しい薬も出て、今後も治療薬は増えるはずですから、積極的に診療していく方針です。
【安藤先生】人工関節の手術をする人の多くが、骨粗しょう症です。健康寿命と本当の寿命をいかに近づけるかは整形外科が担う部分も大きいですから、高齢者の医療、特に骨粗しょう症治療は大切だと考えています。
診療のモットーを教えてください。
【健太郎院長】患者さんの訴えに対して、最善の治療をしてあげたいと思っています。希望をよくくんで、満足して帰っていただきたいですね。丁寧な説明を心がけていますので、患者さんから喜んでいただけることも多いです。お話をよく聞いて、動きを診ることで、ある程度の診断をつけることのできる自負があります。もちろん検査も大事ですよ。治療によって早く痛みを取り除くことをめざすのは当たり前として、プラスアルファ、地域に早く溶け込んで、何かあったときに頼りにしていただきたいですね。
検査をしても痛みの原因がわからない患者さんもいるかと思いますが、どのように治療を進めますか?
【健太郎院長】本人が痛いと訴えているということは、必ず痛みがあります。それをいかに取り除くか。検査では悪くないと言われても、触診をすると「やはりここが痛みますね」となるんです。そこで何らかの処置を行います。検査にも限界がありますから、検査に頼りすぎず、患者さんを観察して、お話を聞いて診察をすることが大切ですね。
地域に根差したホームドクターでありたい
患者層について教えてください。
【健太郎院長】地域の老若男女の方に来ていただいています。高齢の方ですと腰、膝、肩をはじめとした痛みを訴える方が多いです。患者さんの痛みを治療するだけでなく、皆さんが元気に暮らせるためのプラスアルファも提供したいと思っています。リハビリや体のバランスを整えることも大切ですし、機能訓練以外に食事も大事。患者さん一人ひとりに合わせた指導をしています。今までは大きな病院で手術をすることがメインでしたが、今は地域のホームドクターという立場で何でも診させてもらっています。
健康寿命を延ばすために、普段からできることはありますか?
【安藤先生】ジョギングはいいですよ。私自身、腰痛の緩和のために毎日3キロ走っています。背筋と腹筋が鍛えられているのを感じますね。ジムに通えない人も、ウォーキングやジョギングで体を動かすと良いですよ。
【健太郎院長】走ることが難しい人はストレッチや筋力トレーニング、体幹を鍛えるトレーニングをお勧めします。私自身、首と腰に椎間板ヘルニアがあったり、神経痛や腰痛もあったりして、痛みを抱えている人間。私の場合、走ると膝に良くなかったので30分のストレッチと30分のトレーニングを組み合わせています。最近忙しくて、日々心がけてはいますが、なかなかできていないのですけどね(笑)。自分で取り組んでいることを患者さんにも提供するなど、その人に合わせた指導を心がけていますよ。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
【健太郎院長】地域に早く根差して、皆さんに信頼されるクリニックにしていけたらと思います。整形外科では内臓筋以外の筋肉・骨格を診ることが基本ですから、痛みのある方はお気軽にご相談ください。
【博行先生】昭和は戸畑(北九州市)、平成は博多、令和は名古屋でそれぞれ開業医として働き、この地に縁を感じます。次の世代に後をつないで、地域の方に役立つクリニックとして発展していくことを祈っています。
【安藤先生】小児整形外科では、歩き方が不自然だなと感じたら早めに相談していただけたらと思います。学童期になると平日の日中に通院することが難しくなりますから、就学前に受診することをお勧めします。1歳ではまだ歩き方は安定しませんから、2歳を過ぎて気になることがあれば、ぜひ早めにお越しください。