全国のドクター8,992人の想いを取材
クリニック・病院 161,454件の情報を掲載(2020年2月22日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 堺市南区
  4. 栂・美木多駅
  5. くわばら腎泌尿器科
  6. 桑原 伸介 院長

桑原 伸介 院長の独自取材記事

くわばら腎泌尿器科

(堺市南区/栂・美木多駅)

最終更新日:2019/07/02

191624 %e3%81%8f%e3%82%8f%e3%81%b0%e3%82%89%e8%85%8e%e6%b3%8c%e5%b0%bf%e5%99%a8%e7%a7%91

泉北高速鉄道の栂・美木多駅に直結するショッピングモール1階に、「くわばら腎泌尿器科」はある。住民の多くが高齢者という地域の特性上、患者の半分以上を70歳以上の高齢者が占める。だからこそ、院長の桑原伸介(のぶゆき)先生は「患者さんが将来、家から出ることが困難になってしまっても、診続けていきたいですね」と語る。大学病院や総合病院に勤めていた頃から訪問診療の必要性を感じ、それを実現するために開業を決意したという桑原院長。オープンして間もないクリニックの診療方針や今後の展望についてなど、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2019年6月6日)

在宅医療への意識が高まり開業を決意

開業のきっかけについて、教えてください。

1

今まで勤めてきたのは、総合病院や大学病院です。病院では、一人ひとりの診察にあまり時間をかけられませんから、患者さんのお話をあまりよく聞けないことが不満でした。また、軽症の方や治療を終えて術後のケアが必要な方は他の医療機関へ送っていたのですが、患者さんを最後まで診たい、という想いがありました。一方で、患者さんの年齢層や環境が次第に変化していくのを目の当たりにしながら、これからの社会は在宅医療が前提になるだろうと感じていたんです。40歳を過ぎた頃から開業を考え始め、訪問診療をしなくてはいけないという想いがいよいよ強くなったので、開業に踏み切りました。

患者さんの年齢層や環境が変わったとは、具体的にどのように変化したのでしょうか?

高齢者が増えてきたのが一番ですが、それだけではありません。私が医師になったばかりの頃でしたら、帰る家があるのが当たり前の患者さんがほとんどで、「年末年始やお盆には親族が集まるから絶対に入院したくない」とおっしゃる方が多かったんです。ところが最近では、「家に帰っても誰もいないし、店も開いていない。むしろ、年末年始やお盆にこそ入院したい」とおっしゃる患者さんが増えてきたように思います。また病院では、治療が終わった方や、治療がこれ以上できない方には他の医療機関をご紹介しなければなりませんが、引き受けてもらえるところが少なくて、思うようにいかないことも多々あったんです。それで、そういう時に患者さんの力になれるようにしたいと思うようになりました。

どのような患者さんがいらっしゃいますか?

2

年齢層は、予想していたとおり、高齢の方が圧倒的に多いですね。70代、80代の方が中心で、たまに90代の方もいらっしゃいます。また、泌尿器科は男性の患者さんが多いだろうという先入観を持っていたのですが、意外と女性の患者さんにも来ていただけています。主訴で最も多いのは、排尿障害ですね。頻尿は男女ともにご相談を受けますし、男性なら尿が出にくい排尿困難、女性なら尿失禁でお悩みの方がよく来院されます。男性の場合は、前立腺がんを心配されて受診される方も多いですね。前立腺がんは、高齢になるほど発症率が上がりますから、定期的に検査をしていただいたほうがいいと思います。

泌尿器にとらわれず全身を診て原因を探る

受けられる検査について教えてください。

3

エコー、エックス線、膀胱ファイバースコープなどを用意しています。頻尿などの排尿障害の方でも、必ず1回はエコー検査を行います。残尿はあるか。ある場合は、臓器の形に異常がないか。結石はないか。といったことを確認していきます。エックス線検査は、結石が疑われる方に行っています。膀胱ファイバースコープは、細くてやわらかく、曲がりやすいスコープです。尿道にスコープを入れる際、特に男性の場合は、昔ながらの硬いタイプを使うとかなりの苦痛を伴います。しかし、このスコープなら痛みをかなり軽減できると思います。ファイバースコープの一番のメリットは、初期の膀胱がんを発見しやすいことですね。エコーやCTでは、初期の膀胱がんを見つけられないことが多いんです。また、間質性膀胱炎の診断にも使います。

患者さんに接する上で心がけていることはありますか?

泌尿器科は尿に関することを診るところではありますが、排尿に関する病気の場合、膀胱や腎臓だけに問題があるわけではないことのほうが多いんです。だからこそ、泌尿器科とはいえ全身を診るようにしたいですね。患者さんが高齢者の場合は特に、その必要があると思っています。それから、患者さんのお話をよく聞くように心がけています。1人あたり10分はかけるでしょうか。病院では時間に追われての診察でしたので、患者さんのお話をじっくりと聞くのがなかなか難しかったのですが、その頃よりはよく聞けていると思います。女性の方で私に言いづらい場合は、スタッフに伝えていただいて、スタッフから情報をもらうこともあります。女性専用の待合室も用意したので気軽に来ていただけるとうれしいですね。

薬の処方に関しては、どんなスタンスをとっていますか?

4

頻尿を例に挙げると、最近は市販の薬が出てきていますし、患者さんから申し出があれば、泌尿器科以外の医師でも薬を処方してくれるでしょう。とはいえ、頻尿になっている理由を突き止めたいなら、専門の医師に任せていただいたほうがいいと思います。実際に「頻尿の薬を飲んでいるが、改善しているのかどうかよくわからない」とおっしゃる方が多いんです。そして、高齢の方に、問診で日常的に服用している薬を確認すると、皆さん、何種類も飲んでいて、10種類ぐらい飲んでいる方が珍しくありません。これ以上飲んで大丈夫なのか、と心配になりますよ。私としても、適していると思う薬があればもちろん処方します。ですが、まずは薬以外のところ、生活習慣や日常生活での行動などに問題が隠れていないかどうかを調べてから、処方するようにしています。

他職種との連携で訪問診療を推進したい

一番充実していると感じるのは、どんな時でしょうか。

5

オープンしたてのクリニックなので、患者さんが「泌尿器科のクリニックができて良かった」とおっしゃってくれるんですよ。とてもうれしいです。買い物のついでに寄れる場所があれば、近くに泌尿器科クリニックがあれば行くのにと思っていた方や、他の科にかかっている流れで来ていただける方が多いようです。今はバスや自動車を利用して通院できている方が、将来、家から出ることが困難になってしまっても、診続けていけたらと思っています。通院できなくなったらそこで終わり、ではなくて、その先をどうするかが大切なんですよね。

訪問診療をしたいというお話がありましたね。

はい。国の方針でもありますけれども、患者さんの年齢層を考えると、訪問診療をやらなければいけないと思っています。ご希望があれば、まずは午前中の診療と午後の診療の間を利用して行うつもりです。とはいえ、訪問診療をやるにあたって病気以外の問題もありますから、患者さんに対して医師一人では、絶対に無理だと思っています。例えば、団地に住まれている高齢者には、家から外へ出ることすら一人では難しい方が大勢いらっしゃる。介護の資格を持っている方、看護師などの助けが必要です。幸いにも、この辺りは他職種の方と協力できる体制が整っていると感じています。勉強会に積極的に参加するなどしてネットワークを広げ、ゆくゆくは他職種の方や地域の看護ステーションなどと連携していきたいですね。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

6

泌尿器科へ行ってもいいのかな、と迷われるような軽い症状でも結構ですので、お気軽にお越しください。お子さんのおねしょの相談についても対応しています。おねしょこそ、医師が親御さん、そして当人のお子さんと話をすることが大事ですね。実は、お母さんからのプレッシャーが、おねしょが治りにくい状況をつくりだしていることもあるんです。検査の結果にもよりますが、お子さんが普段から自由にふるまって、のびのびしていたら、それほど心配しなくても大丈夫ですよ。そのほか泌尿器科に関わる症状なのかわからない場合も、診させていただいて、適したところをご紹介します。お買い物のついでに、お気軽にご相談ください。

Access