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桑原 伸介 院長の独自取材記事

くわばら腎泌尿器科

(堺市南区/栂・美木多駅)

最終更新日:2020/11/19

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栂・美木多駅に直結するショッピングモールの1階にある「くわばら腎泌尿器科」。住民の多くが高齢者という地域の特性上、患者の半分以上を70歳以上の高齢者が占める。「患者さんが家から出ることが難しくなってしまっても、診療を続けていきたいですね」と語るのは、院長の桑原伸介(のぶゆき)先生だ。一方で、若い世代であっても、日常において気になることがあれば気軽に相談に来てほしいという。今回はクリニックの診療について、桑原先生にたっぷりと話を聞いた。
(取材日2019年6月6日/再取材日2020年10月29日)

外来診療をメインに、必要な患者には訪問診療も実施

開業のきっかけについて教えてください。

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今まで勤めてきたのは、総合病院や大学病院です。病院では診察に時間を割けず、患者さん一人ひとりのお話をじっくり聞けないことに葛藤を感じていました。また、軽症の方や治療を終えて術後のケアが必要な方は、ほかの医療機関へ送っていたのですが、「担当した患者さんを最後まで診たい」という想いも持っていたんです。さらに、担当する患者さんの年齢層や環境が次第に変化していくのを目の当たりにしながら、今後は高齢化社会に対応した医療が必要になると感じて……。40歳を過ぎた頃から開業を考え始め、患者さんとゆっくり向き合える場所をつくりました。

目の当たりにした変化とは、どのようなものでしょうか?

高齢の方が増えてきたという印象が第一ですが、それだけではありません。私が医師になったばかりの頃だと、「帰る家があるのが当たり前」といった患者さんがほとんどで、「年末年始やお盆には親族が集まるから絶対に入院したくない」とおっしゃる方が多かったんです。ところが最近は、「家に帰っても誰もいないし店も開いていない。むしろ、年末年始やお盆にこそ入院したい」とおっしゃる患者さんが増えてきたと感じています。また病院では、治療が終わった方や、治療がこれ以上できない方にはほかの医療機関を紹介しなければなりませんが、引き受けてもらえるところが少なく、思うようにいかないことも多々ありました。そのことから、そういう時に患者さんの力になりたいと思うようになったんです。

どのような患者さんが来院されていますか?

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70~80代の方が中心で、90代の方もいらっしゃいます。相談内容としては、排尿障害に関することが多いです。性別に関わらず頻尿に悩んでいる方は多く、男性なら尿が出にくくなる排尿困難、女性なら尿失禁を訴えて来院されています。男性の場合は、前立腺がんを心配されて受診される方も多いですね。前立腺がんは、高齢になるほど発症率が上がりますから、定期的に検査を受けていただくことを推奨しています。また泌尿器科と聞くと、どうしても高齢の方が多いイメージがありますが、若い方の相談にも応じています。健康診断で引っかかったり、感染症の疑いがあったりする方も、気軽にお越しください。

病院とクリニックの使い分けも重視されているとか。

大きな手術を伴わない、あるいは専門治療を必要としない場合は、ぜひクリニックを受診していただきたいと思っています。というのも、クリニックの場合は、患者さん一人ひとりに時間を使うことが可能です。診察においても、いろいろなお話を伺うことができますし、説明に時間をかけることもできます。病院にかかるべきかどうかの診断も含めて、きちんと検査した上で対応し、患者さんと病院をつなぐ懸け橋のような存在でありたいと考えています。また今後は、当院で対応できることを増やしたいと思い、日帰り手術に対応することも視野に入れています。

泌尿器にとらわれず全身を診て原因を探る

検査について教えてください。

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当院は超音波検査装置、エックス線装置、膀胱ファイバースコープなどを用意しています。排尿障害の方が受診されたら、必ず1回は超音波検査を行います。検査では、残尿や結石の有無、臓器の形などを確認していきます。エックス線撮影は、結石が疑われる方に行っています。膀胱ファイバースコープは、細くてやわらかく、曲がりやすいスコープです。特に男性の場合は、尿道にスコープを入れる際に、昔ながらの硬いタイプを使うと苦痛を伴いますが、細くてやわらかいスコープを使うことで、痛みの軽減につなげています。ファイバースコープを使う一番のメリットは、初期の膀胱がんを発見しやすいことですね。超音波検査やCT撮影では、初期の膀胱がんを見つけられないことが多いんです。また、間質性膀胱炎の診断にも使います。

診療において心がけていることはありますか?

排尿に関する病気の場合、膀胱や腎臓以外にも問題があることのほうが多いんです。だからこそ、泌尿器科とはいえ全身を診るよう心がけています。患者さんが高齢の場合は特に、その必要があると思っています。それから、患者さんのお話をよく聞くようにしています。1人あたり10分はかけるでしょうか。病院では時間に追われての診察でしたので、患者さんのお話をじっくりと聞くのがなかなか難しかったのですが、その頃に比べると時間をかけてお話できていると感じています。女性の方だと私に言いにくいこともあるでしょうから、その場合はスタッフに伝えてもらっても構いません。院内での情報共有をきちんと行っているので、なんでも話していただければと思います。

薬の処方に関してはいかがですか?

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頻尿を例に挙げると、最近は市販の薬がありますし、患者さんから申し出があれば泌尿器科以外の医師でも薬を処方してくれるでしょう。とはいえ、頻尿になっている理由を突き止めたいなら、専門の医師に任せていただいたほうがいいと思います。実際に「頻尿の薬を飲んでいるが、改善しているのかどうかよくわからない」とおっしゃる方が多いんです。高齢の方に日常的に服用している薬の数を確認すると、10種類ほど服用されているという方も珍しくありません。時には、「こんなに服用してもいいものか」と心配になることも。私としても、適切だと思う薬があればもちろん処方します。しかし、まずは生活習慣や日常生活での行動といった、薬以外の部分に問題が隠れていないかどうかを調べた上で、処方するかどうかを決めるようにしています。

気軽に相談できるかかりつけ医をめざす

喜びを感じるのはどのような瞬間ですか?

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これまではこの周辺に泌尿器科を受診できる場所が少なかったことから、患者さんが「泌尿器科のクリニックができて良かった」と言ってくださるんですよ。そういう時に、とてもうれしく思います。買い物のついでに寄れる場所や、家の近所に泌尿器科クリニックがあれば行くのに……と思っていた方、他診療科を受診した流れで来ていただいている方が多いようです。現在はバスや自動車を利用して通院できている方が、将来家から出ることが困難になってしまっても、継続して診療していけたらと思っています。通院できなくなったらそこで終わりではなくて、その先をどうするかが大切なんですよね。

訪問診療にも対応されているそうですね。

国の方針でもありますけれども、患者さんの年齢を考えたときに必要性を感じ、当院は訪問診療にも対応しています。患者さんや病院からのご依頼があれば、午前と午後の診療の間を利用して行っています。とはいえ、訪問診療においては、病気以外の問題もありますから、患者さんに対して医師一人では絶対に無理だと思っています。例えば高齢の方だと、外へ出ることすら一人では難しいというケースが多い現状がありますから、介護士や看護師といった他職種の連携が不可欠です。幸いにも、この周辺は他職種の方と協力できる体制が整っているので、密な情報共有と連携につなげられていると感じています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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泌尿器科へ行ってもいいのかな、と迷われるような軽い症状でも結構ですので、まずは相談にお越しください。お子さんのおねしょに関する相談についても対応しています。おねしょについては、医師が親御さん、そして当人のお子さんと話をすることが大事ですね。実は、お母さんからのプレッシャーによって、おねしょが治りにくい状況をつくりだしている場合もあるんです。検査結果にもよりますが、お子さんが普段から自由に振る舞って、伸び伸びしていたら、それほど心配しなくても大丈夫ですよ。ほかにも、泌尿器科に関わる症状なのかわからない場合であっても、当院で診させていただいた上で、必要に応じて適切な診療科をご紹介します。お買い物のついでに、気軽にご相談ください。

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