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徳田 八大 院長の独自取材記事

とくだ内科クリニック

(大東市/四条畷駅)

最終更新日:2022/02/03

徳田八大院長 とくだ内科クリニック main

「とくだ内科クリニック」はJR学研都市線の四条畷駅から東へすぐ、モノトーンの真新しい外観が目印だ。徳田八大(まさる)院長は、日本糖尿病学会糖尿病専門医。糖尿病や生活習慣病に関する新しいデータや新薬も活用して治療の選択肢を広げ、各患者が継続できるような治療を提供している。「かかりつけ医」であることを大事にする徳田院長はまた、患者に必ず「他に何か困っていることはないですか?」と声をかけ、心身ともに楽しく暮らせるようさりげなくサポート。同クリニックでは風邪などの一般内科や呼吸器疾患にも対応するほか、土曜日には女性医師による胃・大腸内視鏡検査も実施。明るく居心地の良い待合室で、糖尿病診療の方針や、医師をめざした原点について、徳田院長にゆっくりと話を聞いた。

(取材日2019年11月21日)

3代にわたり縁のある地域で開業

駅からすぐの便利な場所ですね。ご開業の経緯を教えてください。

徳田八大院長 とくだ内科クリニック1

実は、ここでは祖父と父がかつて歯科医院を開いていました。医師になった時から「いずれは開業して地元に貢献したい」と思っていたので、ある程度若いうちにと、この場所での開業を決めたのです。歯科医院は10年以上前にやめていましたが、開業にあたって近隣へごあいさつに伺うと、「ああ、徳田先生の息子さんね」と迎え入れていただけました。患者さんの中には父や祖父が診察していた方もいて、距離の近さを感じながら診療をスタートできたことはありがたいですね。

診療内容を教えてください。

私は大学病院の糖尿病内科で長く勤務してきたので、糖尿病内科と生活習慣病については初期から専門的な治療まで、幅広く対応しています。現在、患者さんは糖尿病を含めた生活習慣病の方が8割を占めていますね。もちろん風邪やアレルギー疾患、花粉症など日常的な内科疾患も診察しています。また、呼吸器内科で勤務していた時期がありますので、喘息や肺気腫、睡眠時無呼吸症候群などの治療も行います。それから、妻である副院長は消化器内科が専門ですので、土曜日は彼女が胃と大腸の内視鏡検査を行っています。わざわざ探して来てくださる女性の方も多いですね。

診察はどんな雰囲気で進めていますか。

徳田八大院長 とくだ内科クリニック2

私は、大学病院で勤務しているときから患者さんをマイクや番号でお呼びするのが苦手で、今も自分で廊下へ出て「○○さ〜ん、どうぞ」とお呼びしています。診察は基本のんびりと笑顔で。そして、どの患者さんにも必ず「何か他に困っていることはないですか」とお聞きします。別に、受診している病気以外のことでもいいんです、ご家族の愚痴でも構いませんよ。回を重ねると、患者さんもいろんなことを話してくれます。「腰が痛いんだ」と言われれば詳しく聞いて、整形外科へ紹介することも。「薬が余っているんです」とか「錠数が多くて飲みにくいです」とか、医師には言いにくそうなこともお聞きできます。診察時間は無駄話も多いですが、その中に重要な情報がたくさん含まれています。診察が長くなることは悩ましいですが、「困っていること」を切り口に本音をお聞きして、信頼関係を深めたいですね。

患者の負担を減らし、続けられる糖尿病治療をめざす

では、糖尿病の治療方針を教えてください。

徳田八大院長 とくだ内科クリニック3

糖尿病は発症してしまうと長く付き合っていかねばならない病気です。当然、服薬期間も長くなります。また、「インスリンの注射を始めたらもう終わり」と思い込んでいる方が多いのですが、そんなことは決してありません。大事なのは、お薬や食事・運動で血糖値を上手にコントロールし続けて、合併症を防ぐことなんですね。だから、私は患者さんが治療を続けていけるよう、生活背景や治療への思いをよくお聞きして、その方のキャラクターや生活に合った治療法を選ぶようにしています。診察では体重や血糖値など次回までの小さな目標を毎回設定して、患者さんと共有します。当クリニックではHbA1cなどの検査結果が10分ほどで出ますので、それを見ながらお薬や目標を調整することができます。糖尿病は慢性疾患ですが、治療そのものは漫然とせず、ジャストタイムで見直すことが重要です。

「患者さんの思い」は、治療にはどのように反映するのですか。

例えば私は「食べない」という食事制限はあまり行いません。人間、食べることを我慢するのはとても苦しい。食事制限で治療自体が嫌になってしまったら、意味がないのです。だから、適正な摂取カロリーはもちろんお伝えしますが、そのために「食べない」のではなく、低糖質の食材に置き換えたり、食べ方で工夫したりする方法をお勧めします。管理栄養士からの食事指導では、日々の食事内容を詳しく聞いて、患者さんが取り組めそうな食事の置き換えを具体的に提案します。今は糖質をカットした食品が多く出回っていて、対策もしやすくなりましたよ。なお、減量などの目標が達成できなくても、厳しく注意することはせず、達成できなかった理由を一緒に考えて次回の改善をめざすようにしています。

インスリンを注射していても、離脱することはできますか。

徳田八大院長 とくだ内科クリニック4

はい、できる場合はありますよ。かつては内服薬の種類が限られていたので、「内服薬で血糖値のコントロールが難しくなったからインスリン」という流れがありましたが、今はさまざまなメカニズムをもつ内服薬が登場して選択肢が増えています。また、一時的に血糖値が非常に高かったのでインスリンに切り替えた患者さんでも、血糖値が下がれば、インスリンをやめることもできます。実際に、当クリニックでもインスリンをやめることができた方も多数いらっしゃいますよ。注射は患者さんの負担が大きいので、離脱や注射回数を減らすことは1つの大きな目標になりますね。また内服薬だけの患者さんでも、新しい薬をうまく利用してなるべくお薬の錠数を減らし、今は必要がないと思われるお薬は整理していきます。投薬の負担を減らすことも、治療の継続につながると考えています。

地域の住民が健康で楽しく過ごせるようにサポート

ご開業から1年、現在の思いをお聞かせください。

徳田八大院長 とくだ内科クリニック5

開業したからには、地域の方が健康で楽しく過ごせること、長生きのお手伝いをすることが私の使命だと考えています。大学や総合病院では治験や研究もしていましたが、今は診療に多くの時間を使えますので、真正面から取り組めていますね。そういった中で、当院で初めて診療させていただくこの地域の皆さんが、糖尿病という疾患についてあまりよくご存じでないことを日々感じています。単に薬を飲み続ければよいと思っていたり、血糖値を反映する検査値であるHbA1cを知らなかったりする患者さんに、多数お会いしてきました。ですから、血糖コントロールの大切さ、合併症の種類や怖さといった糖尿病の基本的な知識をお知らせしたいと思っています。どなたでも参加できる健康教室も開催していますので、情報発信の場にしたいですね。

ところで、先生が医師になったのはなぜですか?

実は、父には「歯科医師になるか?」と言われていたものの、高校3年になっても現実的に考えていませんでした。ある時、授業で世界的に有名な修道女のドキュメンタリー番組を見せてもらったんですね。インドへ来たばかりの彼女は何をしてよいかわからず、ガンジス川のほとりで衰弱していた老人の体を洗い、食事を与え、献身的に看護したのです。何日かたって老人が、なぜこんなによくしてくれるのか尋ねたところ、彼女は「Because I love you」と。周りの同級生はみんな寝ていましたが(笑)、18歳の私はなぜか大きな衝撃を受けたんです、人を助けることは人の心を助けることなんだと。そこで誰かを助けるために医師になろうと決心し、猛勉強を始めて今に至ります。あの日の思いは、今も私の中にしっかりと刻まれています。

最後に、地域の患者さんへメッセージをお願いします。

徳田八大院長 とくだ内科クリニック6

血糖値を上手にコントロールするためには、受診のたびに血糖値を調べ、お薬や食事・運動内容を調整する必要があります。しかし「糖尿病は慢性疾患」という言葉のイメージから、適切でない治療や生活を続けている場合があります。そういう方は、もちろん検査値や体重の目標が未達成になりがちで、合併症も起こりやすくなってしまう。ですから、もし治療内容や血糖値・体重が停滞しているようであれば、時には「治療の見直し」をしてほしいと思います。当クリニックでは治療の見直しを含めた、糖尿病のあらゆるご相談に応じていますので、気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談いただければうれしいですね。

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