全国のドクター8,993人の想いを取材
クリニック・病院 161,449件の情報を掲載(2020年2月20日現在)

  1. TOP
  2. 神奈川県
  3. 横浜市中区
  4. 桜木町駅
  5. のげ内科・脳神経内科クリニック
  6. 渡邊 耕介 院長

渡邊 耕介 院長の独自取材記事

のげ内科・脳神経内科クリニック

(横浜市中区/桜木町駅)

最終更新日:2019/09/05

20190823 bana

2019年4月に開院した「のげ内科・脳神経内科クリニック」。同院は高い専門性と総合的な診断で地域のホームドクターをめざす。院長の渡邊耕介氏は、脳神経内科・頭痛・総合内科の専門家として多くの患者を診てきた経験から、とにかく脳卒中を防ぎたいと生まれ育った野毛での開院を決意。打ちっぱなしのコンクリートに天然木、そして黒をきかせた遊び心満載の院内で、「得意料理はすぐに作れるキーマカレー」と笑う渡邊氏。開業への想いから専門とする神経内科のことまで真摯な思いをじっくりと聞いた。
(取材日2019年7月17日)

高い専門性と総合的な診療で、地域医療のハブをめざす

まずはクリニックの特徴について教えてください。

1

当院は中学生くらいのお子さんから高齢者まで、誰でも気軽に通える地域のホームドクターをめざし、2019年4月に開院しました。診療内容は風邪やインフルエンザ、頭痛、胃腸炎などの一般的なものから、高脂血症、高血圧などの生活習慣病まで幅広く、さらにてんかんやパーキンソン病、アルツハイマー型認知症、ALSなどの神経難病にも対応できる専門性も持っています。毎週水曜日には日本呼吸器学会呼吸器専門医による診療もあるため、喘息やCOPD、睡眠時無呼吸症候群などの呼吸器疾患にも対応可能です。最初にかかる医療の窓口として、質の高い医療を提供するだけでなく、必要に応じて専門に特化した医療機関と患者さんをスムーズに結ぶことが、私たちの役割だと考えています。「総合的な診療」で、地域の方々に質の高い医療と適切な医療機関を提供できる「地域医療のハブ」をめざしています。

どのような主訴が多いのでしょうか。

頭痛やしびれ、ふらつきを訴えて来られる患者さんや、ふるえやけいれん、てんかん、物忘れ、眠れないなどといったご相談が多いですね。しびれの中には実は帯状疱疹だったという方も少なくありません。あとは高血圧や高脂血症など生活習慣病や、動悸などの訴えも多いです。駅から歩いてすぐというアクセスの良さもあり、若い方からの相談も少なくありません。

機器導入におけるこだわりを教えてください。

20190823 2

神経内科の現場で足りていないのは、実は脳波検査のできる場所なんです。心電図と同じように脳波ももっと身近に受けられる必要性を痛切に感じていたので、開院するにあたって、まず脳波検査ができるようにしようと思いました。あとは女性技師が頸動脈エコー、心エコー、ABPMと呼ばれる24時間血圧計、24時間ホルター心電図などを用いた検査を行い、万病の元ともいわれる動脈硬化の予防をめざしています。一過性の意識障害など、てんかんの発作なのかそれ以外なのか、わかりにくい症状の診断など、神経内科の専門性を生かしつつ、日本内科学会総合内科専門医として患者さんの全身を診ながら、適切な診断でお役に立てればと思っています。

地域のかかりつけ医として患者とその家族のサポートを

先生の専門である脳神経内科について教えてください。

3

脳神経内科は精神的な問題からではなく、脳や脊髄、神経、筋肉に何らかの原因があって体が不自由になる病気を扱います。脳梗塞や脳出血、くも膜下出血、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症、ALS、てんかんなどが含まれます。当院では脳梗塞を予防するため、動脈硬化がないか全身を調べ、兆候のある方には食事指導などをしながら動脈硬化にならないようサポートしていきます。また、外来診療の患者さんが歩けなくなって通院が困難になった時は訪問診療も可能です。地域のかかりつけ医として患者さん本人だけでなく、ご家族にもできるだけつらい思いをさせないよう、最期までサポートします。

パーキンソン病について教えてください。

パーキンソン病は、65歳以上の100人に1人は罹患していると言われており、実は身近な病気です。α-シヌクレインという、本当は取り除くべきタンパク質が神経細胞内に蓄積し、脳内のドパミンが一定の値より少なくなることが原因で、体の動きが悪くなります。しかし、ガス欠の車にガソリンを入れるとちゃんと動くように、正しい診断をしてドパミンを補充する治療を行えば、今まで通りの生活を送ることができます。一方で、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症などの、パーキンソン病よりも進行が早い病気もあります。中には非常に診断が困難なケースもあるため、その場合は連携の病院の先生方と相談します。どうしても進行する病気なので、最終的に通院が困難になった患者さんは、在宅で診療を継続することも当院では可能です。個人的にはiPS技術でこの病気を治せるようになることを切に願っていますが、それまでは患者さんを支えていきたいと思います。

印象に残っている患者とのエピソードをお聞かせください。

20190823 4

これまで大勢の患者さんを診てきましたが、やはり救えなかった患者さんのことは忘れられません。若くして神経難病に罹患された患者さんは、常に自分の心を責めています。その姿を見ていると、一定の確率で起きる難病は、自分自身を含め誰もがその運命を背負う可能性があったと感じます。だからこそ、患者さんご本人だけでなく、そのご家族にも敬意をもって接し、できるかぎりのサポートをしていきたいですね。とくに訪問診療でお伺いする患者さんに対しては、やるべきことをすべてやったか、次回で良いと妥協しなかったかと、いつも自問しています。本人やそのご家族にできるだけつらい思いをさせないために自分に何ができるかを常に考えながら、病気の早期発見と早期治療だけでなく、予防にも力を入れていきたいと思っています。

脳梗塞の予防に使命感を持って診療を行う

先生が医師をめざそうと思ったきっかけは?

5

実は私の父も医師なのですが、私は特に医者になれと言われたこともなく、大学では環境情報学を学んで普通の会社に就職しました。ちょうどその頃、父が開院したんです。地域医療のために奮闘する父の姿を見た時、初めて父を応援したいという気持ちになり、「今から医学部に入れないかな」と聞いたら、ものすごくうれしそうな顔で、わが家が江戸時代から代々続く医師の家系であることを話してくれました。もう、びっくりですよ。結局、編入学試験を受けて医学部に再入学したのですが、遠回りをしたからこそわかる患者さんの気持ちもあることを感じています。また、勤務医時代に患者さんが脳神経内科の開業医が少ないことでとても困っている様子をさんざん見て来ました。今は父と連携しながら24時間体制で訪問診療にも対応しています。

今後の展望をお聞かせください。

脳梗塞のつらさ、大変さを嫌というほど見てきているので、かかりつけ医として患者さんを脳梗塞にしない、再発させないという使命感を持ちながら診療にあたっています。初期の脳梗塞だと40代くらいではMRIでわかるような変化が現れないことも多く、そういう時に役立つのが頸動脈エコーです。若くても肥満のある方や、30代後半になった方は、一度は頸動脈エコーを受けてみてほしいですね。当院では悪玉コレステロールの上昇が見られた患者さんは全員、頸動脈エコーで全身をチェックするようにしています。自覚症状のない患者さんが生活習慣を改善するのはなかなか難しいのですが、客観的データと専門家による指導で本気になって取り組んでくださるケースも多いですね。頸動脈エコーは悪性腫瘍から動脈硬化まで、体の部位ごとに幅広い病気の発見につながることを広く知っていただけるよう、真摯に取り組んでいきたいと思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

20190823 6

今は片頭痛の治療に役立つ薬があります。市販薬を飲みながら片頭痛を我慢している方も多いと思いますので、まずは専門家の診断を受けてみてほしいですね。また、そういった専門分野だけではなく、総合内科専門医として、全身を幅広く診療し小さな予兆も見逃さないように心がけています。発熱や腹痛など具合の悪い時はもちろんですが、何科を受診すればいいのかわからないという時や、もしかしたら自分はてんかんなのではないか、認知症ではないかと不安に感じていらしゃる方の最初の窓口として、迅速な検査と的確な診断力でお役に立つことをめざしています。いつでも受診できる地域のホームドクターとして、気軽にご相談ください。

Access