河野 美乃里 院長の独自取材記事
石神井公園駅前皮フ科
(練馬区/石神井公園駅)
最終更新日:2022/02/24

石神井公園駅西口改札を出て左手のビル2階にある「石神井公園駅前皮フ科」。庶民的な町並みを幅広い年齢層の住民が往来している。白と青を基調としたシンプルで清潔感あふれる同院。20年以上のキャリアがある河野美乃里院長のイメージのように、凛とした美しさの中に親しみやすさが感じられる。女性らしい心遣いに満ちたクリニックには、患者が絶えず来院し、地域のかかりつけ医として頼りにされていることがわかる。一般皮膚科、皮膚外科、美容皮膚科など幅広く診療を行っている河野院長に、患者に対する思いや今後の展望などについて聞いた。
(取材日2021年11月16日)
幅広い年代の悩みに応えるアットホームなクリニック
石神井公園駅前で便利なところですね。

そうですね。幼少期に住んでいてなじみがあったことと、尊敬する先生が最初に開業されたのがこの近隣だったこともあり、以前から開業するならこの地域でと考えていました。開業してみると患者さんは穏やかな方が多く、皆さん私の話を真剣に聞いてくださって、ご自宅でのケアもしっかりされています。皮膚の症状というのは一度治まったとしても、同じ季節になるとまた症状が出るということがあります。夏になるとかゆみが出たり、冬になると乾燥したり、長く付き合っていかなければなりません。ですから症状が治まっているときにはご家庭でケアしていただいて、症状が出たら気軽に来ていただけるような、地域に根差したクリニックでありたいと思っています。
女性の横顔のロゴが印象的です。
当院では保険診療をメインにアレルギーから皮膚がんまで幅広く診ています。クリニックの名前も院内の造りも、男女・年齢問わずにどんな症状の方にも来ていただけるアットホームな雰囲気を大切にしました。一方で、女性にとって肌の美しさというのは重大なことなので、美容的な部分も含めて気軽にご相談いただきたいと思っています。ロゴでは、医療機関としての清潔感と患者さんに真摯に向き合う意思を青という色で、同じ女性として親しみを持ってなんでもご相談いただきたいという思いを女性の横顔で表現しています。
どのような患者さんがいらっしゃいますか?

幅広い世代の患者さんがいらっしゃいます。開業当初は、駅前だということでいらっしゃる方が多かったのですが、最近は患者さんからの紹介でいらっしゃる方が増えましたね。自閉症などのお子さんを診させていただくこともあるのですが、スムーズに行うにはどうしたらよいかを考えながら診察させていただいています。お子さんの病院受診は育児中の親御さんにとって大変なことの一つだと思いますが、リラックスしてお越しください。
開業当初からスタッフの方が変わっていないそうですね。
はい。スタッフの中には出産を経験した人もいますが、育休後も当院で働いてくれています。皆、経験者で知識も豊富ですし、仲良くアットホームにやっています。もちろん私は院長として責任ある立場ですが、受付、看護師もそれぞれのスペシャリストとして、患者さんにより良い診療を提供するため、遠慮なく意見を伝え合える雰囲気を大切にしています。
20年のキャリアに基づく診療
医師をめざされたのはどのような理由からですか?

親戚に何人か医師がいて幼い頃から身近な職業でした。通っていた高校が医学部の関連校だったということもあります。また、私は幼い頃から周囲の人に喜んでもらうことが自分の喜びでした。母が幼稚園の壁に飾られた私の折り紙作品を見て、「どうしてあなたはきれいな色の折り紙を選ばないの?」と言うんです。私が選ぶのはいつもグレーなど地味な色だったんですね。でも私がピンク色の折り紙を選んだら、お友達がピンクを選べなくなります。私は自分がピンク色の折り紙を選ぶことよりもお友達がその色を選んで喜んでくれるほうがうれしかったんです。そんな子どもでしたので、医師には向いていたのだと思います。
皮膚科に進まれたきっかけを教えてください。
大学時代、多くの診療科を回りましたが、皮膚科に行ったときにある女性の患者さんに出会ったんです。とても美しい方で、結婚間近だったのに皮膚の病気で入院することになり、うまくいかなくなってしまったと悲しんでいらっしゃいました。皮膚科の病気というのは時には人生を大きく左右することもあるのですが、ほかの病気と比べるとそのつらさを周囲になかなか理解してもらえません。この女性のような悩みを抱える患者さんに寄り添いたいと強く思い、皮膚科に進もうと決めました。
開業されるまで大学病院、総合病院で長く研鑽を積まれたのですね。

私は過去の勤務先の同僚などと比べると、開業が遅かったんです。理由の1つは育児との両立の問題。当直はあるし子どもは急に熱を出すし、本気で辞めようと思った時期もあります。それでも振り返れば、子育て経験というのは今の診療に大きく生かされていますね。もう1つの理由は、開業して一人でやっていけるという自信がつくまでに時間がかかったこと。医師になって20年以上ですが、自分の感覚に自信が持てるようになったのは長い経験を積んでからなんですよ。「あれ?」と疑問に思ったとき、これは大きい病気を調べなければいけないのでは? といった感覚の確実性が高まり、これなら大丈夫だとようやく実感できるようになったんです。多くの患者さんのさまざまな症例を診させていただいたおかげですね。
コミュニケーションを大切に丁寧な診療を行う
印象に残っている患者さんはいらっしゃいますか?

アトピー性皮膚炎のお子さんの中には、特に思春期になると学校に行けなくなってしまう子もいて、それで引きこもってしまうことも少なくありません。私が以前診させていただいていた男の子もそういった1人で、お母さまが定期的に連れてきてくださっていました。数年後、私がアメリカから帰国してその病院に戻ったところに、その子が彼女を連れて訪ねてきたんです。うれしい再会でした。たかがアトピー性皮膚炎と思われるかもしれませんが、それで人生が変わってしまうこともありますからね。
先生が力を入れていらっしゃる診療についてお聞かせください。
子育てをしてきて、子どもの具合が良くないとお母さんも本当につらいということがよくわかりますから、経験に則した身近なアドバイスを心がけています。あとは同世代の、肌の衰えを感じている女性へのスキンケアのアドバイスですね。やはり女性は肌の調子が良いと気分が明るくなります。私自身が使ってみて良かったものをお勧めしたり、スキンケアについても細かいところまでご説明したりしています。また、美容皮膚科に関しては根拠のある診療を適正な価格で提供。機器類も副作用や施術中の痛みなどをさまざまな面から吟味した機器をそろえています。自分が良いと思えるものでなければ患者さんにお勧めできませんからね。
日々の診療でどのようなことを心がけていらっしゃいますか?

一人ひとりの患者さんに対して、丁寧に診療を行うことを心がけています。入院や大きな手術などが必要な患者さんには、なるべく私が存じ上げている先生で、その疾患の治療を得意とする先生、私が心から信頼している先生にご紹介したいと考えています。美容皮膚科に関しては患者さんの要望を聞いた上で、その人に本当に向いている方法は何かを一緒に考えてから方向性を決めるようにしています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
今来てくださっている患者さんに、10年後も信頼して来ていただけるような長いお付き合いができればうれしいですね。私と同世代の女性に伝えたいのは、血行を良くして肌にハリが出て肌が明るくつやつやになることのほうが若々しく見えるということです。これから先の老化の予防までご一緒に考えていけるといいですね。美容皮膚科に関して思うのは、恥ずかしいことではないし、隠れてやることではないということです。施術を受けることで気持ちが晴れるのは、とても良いことですよね。例えば皮膚が乾燥してクリームを塗るのと同じように、加齢によって減少してしまった分を補うというイメージで捉えていただけるとよいなと感じています。