菅谷 将一 院長の独自取材記事
菅谷クリニック
(名古屋市瑞穂区/熱田駅)
最終更新日:2026/10/06
長引く咳や息苦しさなど、呼吸器の症状を専門的に診療する「菅谷クリニック」。「患者さんとはフランクな関係でいたいんです」と優しい笑顔で話すのは、日本呼吸器学会呼吸器専門医の菅谷将一(すがや・まさかず)院長。長年にわたり、肺がんをはじめとするさまざまな呼吸器疾患の診療に携わってきたエキスパートだ。院内には先進の16列マルチスライスCTを備え、必要に応じて当日の検査にも対応。早期発見・早期治療につなげる体制を整えている。また、待合室には季節の折り紙アートや患者さんから贈られた絵画が飾られ、院内は温かな雰囲気に包まれている。「誰もが気軽に相談できるクリニックでありたい」という思いを大切にする菅谷院長に、診療へのこだわりや今後の展望について話を聞いた。
(取材日2026年7月6日)
長引く咳を見逃さない、呼吸器のかかりつけ医
先生のご経歴や、クリニックの特徴をお聞かせください。

私は開業までの20年以上にわたり、主に急性期病院で肺がんを中心とした呼吸器疾患の診療・研究を行ってまいりました。外科と内科の両側面から治療に向き合ってきた経験が、私の医師としてのベースになっています。呼吸器疾患とは、肺がんをはじめ、COPDと呼ばれる慢性閉塞性肺疾患、肺炎、喘息など多岐にわたります。当院では、こうした専門性を要する疾患はもちろん、風邪などの一般的な内科疾患、糖尿病などの生活習慣病、さらには切り傷ややけどといった軽度の外傷まで、地域のかかりつけ医として幅広く対応しています。以前、勤務していた中部ろうさい病院をはじめさまざまな基幹病院とも提携していますので、より高度な医療もスムーズに受けられるような体制を整えています。
特に気管支喘息など、「長引く咳」の診療に注力されているとお聞きしました。
そうですね。先ほどお話ししたように、私は急性期病院では、主に肺がんの手術を行う呼吸器外科の専門家として診療に携わってきました。そのため、実は開業にあたっては「肺がんの早期発見」を一番の柱に掲げていたんです。しかし、実際に地域医療の現場に立ってみると、来院される患者さんの多くが「長引く咳」に深刻に悩まれていました。そして、詳しく調べてみると、その原因として最も多かったのが気管支喘息だったのです。また、ご高齢の方や喫煙歴のある方では、COPDや肺炎などの呼吸器疾患も多く見られました。このように地域の患者さんの切実なニーズに向き合い、診療を続ける中で、自然と喘息やCOPDの診療にも深く力を入れるようになりました。現在は、肺がんの早期発見はもちろん、呼吸器疾患全般の診療に力を注ぎ、地域の皆さんの健康を支えたいと考えています。
咳が長引いている場合、どのくらいを目安に受診すればいいのでしょうか?

一つの目安として、熱はないのに咳だけが10日から2週間ほど続くようでしたら、我慢せず、一度呼吸器専門のクリニックを受診していただきたいですね。長引く咳の背景には、気管支喘息や肺炎、COPD、さらには肺がんや心不全など、見過ごしてはならないさまざまな病気が隠れていることがあります。「ただの風邪だと思っていたら、詳しく検査をしてみると喘息だった」というケースは少なくありません。特に、「医療機関で処方された咳止めを飲んでいるのに改善しない」「熱や鼻水は治まったのに、咳だけがいつまでも続く」といった場合は、風邪以外の病気が原因となっている可能性も考えられます。当院では、そのような場合のセカンドオピニオンにも対応しています。咳が長引くときは自己判断せず、早い段階で呼吸器の専門家に相談していただきたいですね。
高精度なCTの即日検査も可能。患者に安心を届けたい
検査機器にもこだわっているとお聞きしました。

当院では、16列マルチスライスCTを導入しています。肺をはじめとした体の内部を3次元画像で確認できる検査機器で、一般的なエックス線検査では映らない淡い影もしっかり捉えられます。大学病院などにある超大型CTには及びませんが、精度にこだわって選びました。健診で異常を指摘された方や、「エックス線検査では異常はないと言われたけれど咳が続く」といった方の精密検査にも役立ち、肺がんの早期発見や肺炎、COPDの診断などに幅広く活用しています。また、胸部エックス線や血液検査、呼気中一酸化窒素(FeNO)濃度測定、呼吸機能検査などの専門的な検査機器も備え、必要に応じて受診当日に詳しい検査を受けていただくことも可能です。
地域のクリニックでCT検査も受けられるのは、患者さんにとって大きなメリットですね。
総合病院などではCT検査は予約制の場合が多く、検査や結果が出るまで不安な日々を過ごされる方も少なくありません。当院では、来院当日にCT検査を受けていただくことが可能です。私自身、20年以上にわたり肺がん診療に携わり、数多くのCT画像を見てきた経験がありますので、その場である程度の見立てをお伝えし、少しでも安心していただけるよう努めています。さらに、月に数回、放射線診断を専門とする医師によるダブルチェックを行い、当院で撮影したすべてのCT画像を確認しています。見落としを防ぐ体制を徹底し、後日あらためて詳細な診断結果をご説明しています。
患者さんと接する際に、心がけていることはありますか?

なるべく患者さんと対等な目線で、何でも気兼ねなく話してもらえるような、フランクな雰囲気づくりを心がけています。できる限りお話をじっくり伺い、何でも話しやすい関係性を築くことがとても大切なんです。普段の何げない会話や日常生活のお話の中に、治療のヒントになる大切な情報が隠れていることがよくありますから。例えば、「家族に内緒で、こっそり今でもタバコを吸っているんだよね」といったことも、信頼関係があるからこそ打ち明けてくださることもあります。喫煙は好ましくありませんので、もちろん医師として「やめたほうがいいですよ」とお伝えしますが、頭ごなしに叱ることはありません。当院では禁煙の相談も行っていますので、ご本人の意思に寄り添いながら、一緒にサポートしていければと思っています。
誰もが気軽に立ち寄れるクリニックであり続けたい
幼少期から医師になろうという気持ちは強かったのですか?

子どもの頃に祖父母を病気で亡くし、熱心に治療にあたってくださる医師の姿を間近で見たことが、医学の道を志した最初のきっかけです。そして、心臓・消化器・呼吸器を幅広く学べる大学の第二外科に入局し、外科医師をめざしました。中でも呼吸器外科を専門に選び、大学院では肺がんをテーマに研究を重ね、博士号を取得しました。その後、急性期病院では、肺がんの根治をめざして数多くの診療に携わってきましたが、「あと1年早く見つかっていれば」と悔しい思いをする症例にも数多く出合いました。その経験が、現在のクリニックでの早期発見や迅速な検査体制の整備に力を注ぐ原動力となっているのだと思います。
先生のこれまでの歩みが、クリニックの温かさや専門性に結実しているのですね。
勤務医時代には多くの手術を経験してきましたが、技術だけでなく患者さんの心にも寄り添う医療を実践したいという思いが強くなり、開業を決意しました。以前から患者さんと気軽に話せる医師でありたいと考えていたこともあり、当院では何でも相談できる身近な存在であることを大切にしています。院内も、少しでも前向きな気持ちになっていただけるよう、天井を高くした明るく開放的な待合室や、中庭のオリーブなど、居心地の良い空間づくりにこだわりました。また、待合室には開院祝いとして患者さんからいただいた絵画を飾っています。スタッフが毎月手作りする季節の折り紙アートも好評で、写真を撮って帰られる方も多くいらっしゃいますね。
今後の展望をお聞かせください。

今後も、あえて診療の幅を広げるのではなく、これまで培ってきた呼吸器診療の専門性をさらに高め、より質の高い医療を提供していきたいと考えています。同時に、開業当初から大切にしてきた「誰もが気軽に相談できる、温かな雰囲気のクリニック」であり続けたいですね。熱がないのに咳が10日から2週間以上続く方や、風邪と言われて咳止めを飲んでもなかなか改善しない方は、呼吸器の病気が隠れていることもあります。セカンドオピニオンでも構いませんので、気になる症状があれば、気軽にご相談いただければと思います。

