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山田 耕作 院長の独自取材記事

やまだ耳鼻咽喉科クリニック

(西宮市/久寿川駅)

最終更新日:2019/08/28

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阪神本線の久寿川駅から県道343号線沿いに北方面へ徒歩約8分。医療モールの2階に2019年2月1日に開業したばかりの「やまだ耳鼻咽喉科クリニック」がある。市中の基幹病院で耳鼻咽喉科・頭頸部の手術を行ってきた院長の山田耕作先生は、それまでの経験を診断に生かしながら、中耳炎や副鼻腔炎、風邪など一般的な耳鼻科疾患はもちろん、内視鏡によるアレルギー性鼻炎のレーザー治療や舌下免疫療法などを積極的に行う。「とことん納得してもらえる、わかりやすい説明と丁寧な治療」をモットーに掲げ、治療を始める際は患者の性格も考慮し、意向に添えるよう時間を割いてじっくり話し合う。「安心して診療を任せられる、家族みんなで長く通ってもらえるクリニック」をめざす山田院長に思いを語ってもらった。
(取材日2019年5月16日)

患者と向き合い、寄り添えるかかりつけ医に

開業にあたり、この地を選ばれたのはなぜですか?

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京都大学医学部卒業後、静岡県立総合病院で7年間勤務した後に関西へ戻り、兵庫県立尼崎病院(現・兵庫県立尼崎総合医療センター)の耳鼻咽喉科・頭頸部外科に勤務していた当時、阪急今津駅で乗り換えていたので、今津周辺は土地勘のある場所でした。この辺りは一戸建ての家も多く、高齢の方と同居するご夫婦や、乳幼児のいるご家族など、耳鼻科を必要とする人が多い地域の印象が当時からありました。駅前ではないので、会社勤めの方々が仕事帰りに単発で来院されるということは少ないと思いますが、近隣に住んでいる方がちょっと鼻や喉の調子が良くないなと感じたとき、気軽に受診してもらえる存在になりたいです。

総合病院でのご経験について教えてください。それはこのクリニックの診療にどのように生かされていますか?

主に市中の総合病院に長く勤務していたので、鼻や耳、喉の領域を幅広く診る必要がありました。甲状腺や首の周りにできるがんの手術は多く経験を積んでこれたと思います。兵庫県立尼崎病院では頭頸部中心に舌がん、咽頭がん、喉頭がんなどの腫瘍の手術、また睡眠時無呼吸症候群の治療にも力を入れていました。静岡県立総合病院では、子どもの難聴や耳鳴りなど聴力に関係するさまざまな症例に接する機会が多く、中耳炎の手術も行っていました。多数の症例を診てきた経験から甲状腺にできたしこりについても早期に適切な診断が行えるので、少しでも悪性腫瘍の疑いがある、病院でないと治療ができない、といったケースでは、連携する兵庫県立尼崎総合医療センターや西宮市立中央病院、兵庫医科大学病院などへ紹介しています。

先生の診療方針をお聞かせください。

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総合病院では、がんの治療など命に関わることが優先され、しかも短時間で多数の患者さんを診なくてはなりません。手術の時間も決まっており、1人の患者さんと話せる時間は限られます。ちょっとした耳鳴りやめまい、何だか鼻がすっきりしないといった訴えは、直接生死には関わらなくても本人にとってはとてもつらく、それだけに患者さんは自分がどんな状態なのか詳しく知りたいと思っています。なので、診療ではどんな小さなお悩みにも耳を傾け、きちんと受け止め、病状と治療方法について十分に説明し、理解を得てご納得いただいた上で治療や投薬を始めるようにしています。そこは大事にしたいですね。

一人ひとりの患者に丁寧な処置を

アレルギー性鼻炎のレーザー治療に力を入れておられますね。

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レーザー治療は、内視鏡を使って鼻の粘膜の状態をモニターで映し出し、確認しながらレーザーでアレルギー反応を起こす粘膜表面を薄く焼灼していきます。出血もなく、日帰りで治療できます。また、個人差はありますが、多くの場合一度の治療で1~2年は症状を抑えることが期待でき、長期の通院が難しい方、診療時間内に来院できない会社勤めの方、受験生、妊娠中あるいは妊娠を予定していて薬による治療を控えたい方などにお勧めしています。薬による治療の場合、規則正しく服用を続けるのが向いている人もいれば、毎日服用するのは忘れそうで難しいという人もおられ、患者さんの性格によって向き不向きがあります。どんな治療法が合うのか、時間をかけて話す中で見極めるのも、開業医だからこそできることです。

最近注目されているスギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の治療法、舌下免疫療法について教えてください。

治療薬を舌の下に置き、一定時間そのままにした後に飲み込む服用法を数年間継続することにより、長期間症状を抑えることや、根本的な体質改善をめざします。患者さんの中で、この治療法が合っていると思われる方にはお勧めしています。舌下免疫療法は、小児も5歳以上であれば治療を行っています。大人が自分のために投与する場合、つい面倒になってしまう場合もありますが、お子さんの治療では親が薬を飲ませるので、忘れずにきちんと習慣づけられるという利点もあります。ただ、副作用はゼロではないので、事前に十分な説明を行っています。

睡眠時無呼吸症候群の治療も行っておられますね。

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いびきで相談に来られる患者さんには検査を受けてもらい、睡眠時無呼吸症候群と診断された方にはマスクで鼻から空気を気道に送り込んで睡眠中の無呼吸を防ぐCPAP(シーパップ)療法を積極的に勧めています。しかし中には、深刻な睡眠時無呼吸症候群であるにもかかわらず「今は困ってないから」と、治療に対し消極的な方もおられます。そんな患者さんには、放置すると不整脈や糖尿病のほか、脳血管障害や虚血性心疾患など、重篤な合併症を引き起こすリスクが高まることを伝え、治療によってそのリスクが低減できることをわかってもらわなければなりません。CPAP療法は予防的医療でもあり、高額な医療費の負担削減にもつながります。なぜこの治療が必要なのかを押しつけがましくならないよう配慮しつつ説明することも、開業医の腕の見せどころなんですよ。

患者の悩みを共有し、病状とじっくり向き合う

医師になりたいと思われたきっかけは?

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小学校低学年時に鼻が悪く、連日耳鼻科に通っていました。また近所に住む同世代の友人の実家が産婦人科を経営していて、ドクターであるご両親とも懇意にさせてもらいました。遊びに行った時には診察室を見せていただく機会もあって、子どもの時から病院は身近な存在でしたね。幼いなりにドクターや病院がどういうものか、ごく自然に知る環境にいました。小学校高学年の時の文集には「将来は医師になりたい」と書いたのを覚えています。「人に喜んでもらえるような仕事に就いたほうがいいよ」という親からのアドバイスも背中を押してくれた気がします。

将来に向けて、取り組みたいことは?

めまいの病状をより詳しく調べるための検査ができる機械を導入したいと思っています。めまいや耳鳴りは原因が解明されていない側面もあり、治療が困難な場合も少なくないのです。めまいで苦しんでいる患者さんはQOLに支障があっても周囲からの理解が得にくく、二重につらい思いをしている人が多いのが現状です。その悩みを共有し、治療の可能性を追求しながら、患者さんとともに病状とじっくりつき合っていける存在でありたいと思っています。また、寝たきりの高齢者など、来院が難しい患者さんで耳鼻科を必要としている人の訪問診療にもぜひ積極的に取り組んでいきたいですね。今後、高齢者の難聴など聴こえに関連する疾病が増加していくと予想され、それに比例して治療のニーズも確実に増えていくはずです。

最後に、未来の耳鼻咽喉科像について聞かせてください。

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一定期間通院いただき、症状が安定した患者さんの中で、仕事が忙しくて時間が取れないとか、高齢のために来院が難しくなったという方については、今後、遠隔診療に置き換わっていくのではないでしょうか。ネットワークシステムを介し、職場や自宅にいながら遠隔で診断・診療を受けられることが日常的になれば、来院できない患者さんにとっては便利だろうなと思います。AI化が進み、クリニックでもロボットが受付や会計を担当するようになれば、仕事の効率化が図れ、人材不足も解消されます。でも高齢の方々は世間話もしたいはず。対面でのやりとりがないと寂しいし味気ないと感じられるでしょう。私が患者なら、看護師さんたちとあいさつや会話を楽しみたいですからね。その時が来るまでは、人と人の信頼関係から成り立つ、心の通った診療をしていきたいですね。

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