湯口 貴導 院長の独自取材記事
湯口脳神経外科・脊髄外科
(大阪市天王寺区/玉造駅)
最終更新日:2026/10/30
大阪環状線の玉造駅から、線路沿いに南へ徒歩約1分。右手のビル1階に「湯口脳神経外科・脊髄外科」がある。大阪メトロ長堀鶴見緑地線の玉造駅からも徒歩約3分。クリニック前には2台の専用駐車場が用意されている。院長の湯口貴導先生は、病院の脳神経外科で30年以上にわたって経験を積み同院を開業した。充実した設備と専門性の高い知識を生かして、さまざまな不安を抱えて受診する患者の状態を適切に判断。その患者に適した診療を提供するとともに、幅広い人脈を生かして、適切な医師、病院へとつないでいく。湯口院長に診療ポリシーや脳・脊髄疾患の治療にかける思いなどを語ってもらった。
(取材日2019年6月3日)
母の言葉に励まされて医師をめざした
医師をめざしたきっかけを教えてください。

僕は福井の出身で、家は薬局を営んでいました。親は医師をめざしていたものの薬学部に進んで薬剤師になったので、息子には医師になってほしいという思いを持っていたようです。また、母はとても信心深い人で、毎月、出雲大社の大阪分祠に子ども3人を連れてお参りしていました。僕が中学生の頃、この神主さんに「この子は医者になるよ」と言われたことが、母が僕を医師にしたいと願うようになる直接のきっかけになったようです。いつも「お医者さんになりなさい」と励ましてくれました。
どんな理由で脳神経外科を選ばれたのですか。
信じられない話だと思うのですが、母が神主さんに息子が医大に合格したことを報告してお礼を伝えると、「あの子は脳外科医になるよ」とおっしゃったそうです。当時は鳥取の大学に通っていたので、母が電話でそのことを伝えてきて「日本一の脳外科医になりなさい」と言われました。神主さんからは、以前、凄腕の外科医師のお話を伺い、外科に憧れをもっていましたので、突然、脳外科といわれても「脳外科って何?」という状態でした。図書館に行って専門書を開いても、知らないことばかりでしたが、一生懸命に授業を聞いて勉強しました。脳外科の教室に行って「脳外科になりたい」とお願いもしました。当時、母校には若手の先生が赴任してこられ、その先生について患者さんの検査などにも同行しました。おかげで先生にはとても懇意にしていただき、母校を卒業後、大阪の大学の医局に入って多くのことを学べたのも、先生からのご紹介があったからです。
現在の場所で開業されたのはなぜですか。

母は四天王寺にも熱心に参拝していましたので、母にゆかりのある天王寺周辺で開業場所を探しました。なかなか良い場所が見つからなかったのですが、たまたまこのビルを見つけて連絡すると、オーナーが会いたがっているということで、実際にお会いして生い立ちや母親の思いなどを話したのです。すると、オーナーが四天王寺と関係の深い方ということがわかり、開業をさまざまな面からサポートしてくださいました。こうして振り返ってみると、ずっといろいろな人とのご縁で医師になり、経験を積み、開業させていただいたのだと思います。
速やかに検査して安心と納得を提供したい
長く病院勤務を経験された後での開業ですね。

周辺には設備の充実した病院がたくさんあるのですが、「頭が痛い。もしかしたら脳の病気かもしれない」「手足がしびれるので心配」といった時に、すぐの受診は難しいのが現状です。月曜から土曜まで、木曜を除いて診療している当院のようなクリニックなら、そういった場合にもすぐ検査することが可能です。また、患者さんの症状に合わせて、適した医師、医療機関につないでいきます。30年以上脳神経外科の医師をやっているので、周辺の医療機関の医師の強みを把握しており、自分の家族ならこの先生にお願いしたいと思える先生にお願いできるのです。必要な場合には、病院の医師に直接依頼して受診を早めてもらうことも可能です。開業する時には、年齢的に遅いと言われたりもしましたが、そういう意味では、55歳まで病院の最前線に勤務していたかいがあったと思っています。
どんな患者さんが来られますか。
脳梗塞などが疑われる症状があり、ご自身で調べて当院に来られる方は少数派です。むしろ、手や足がしびれる、めまいを感じるという時は、多くの場合はかかりつけのクリニックを受診されます。そのクリニックの先生が脳に原因がありそうと診断されてから来られる方が多いですね。当院では、他のクリニックからのご紹介で受診された場合は、診断結果を必ず当日中に主治医の先生にお知らせするようにしています。それで先生方も安心してくださるようです。また、検査をして結果などについて一つずつ丁寧に説明していると、どうしても時間がかかります。しかし、来てくださった患者さんに、少しでも安心、納得していただくことが僕のめざすところです。中には、説明を聞いて、自分の家族やお友達などが大丈夫だろうかと不安になられる方がおられ、そういった方の紹介で受診されるケースもたくさんあります。
患者の不安の解消を重視しておられますね。

手にしびれがあるという時に、家族がくも膜下出血で倒れた、友達が脳梗塞になったという前例があると、私は大丈夫だろうかと心配になるのは当然です。例えば、腕に痛みがあり、手がしびれている、脳の病気かもしれないと受診された方を診ると、頸椎に問題があるというケースがあります。その方に「頸椎が原因ですよ」と伝えても、脳は大丈夫なのかと不安になられますよね。検査をして、脳梗塞などが見つからなかったら、患者さんは安心して頸椎の治療に集中することができます。もちろん中には、急いで検査する必要はないというケースもあるでしょう。しかし、受診するまで、あるいは検査結果が出るまでの間、ずっと不安を抱えて毎日生活するのはとてもつらいことです。また、実際に検査してみると、動脈瘤など危険な症例が見つかることも少なからずあり、速やかに検査をすることには意味があると思っています。
自分を信じて困難な目標にも向かっていく
充実した設備を整えられていますね。

当院では、CTやMRIを導入しています。CTは、頭部外傷時の脳出血や脳挫傷の診断、骨折の有無の診断に役立ちます。また、胸部や腹部の病変の診断にも有用です。MRIは1.5テスラで、脳・脊髄・血管の詳しい検査が可能です。このMRIの機能を最大限に引き出せる優秀な技師が、心を込めて検査してくれています。病院へ紹介した場合でも、検査をやり直す必要はなく、当院の画像をそのまま診療に使用できます。
今後の目標を聞かせてください。
脊髄損傷の患者さんを急性期から慢性期までカバーできる施設の実現を、勤務医の頃からめざしています。保険診療の範囲で入院ができて、手術ができて、長期のリハビリテーションにも取り組むことで、自宅で生活すること、場合によっては復職をめざせる場所をつくりたいと考えています。経営的に難しく、現在のところ脊髄損傷の患者さんに対してリハビリが良い結果に結びついたという実例が乏しいので、決して簡単なことではありませんが、ぜひ実現したいと思っています。私がモットーとしている「人の苦しみをわが苦しみと思い、ともに苦しみそしてともに喜ぶ」は、子どもの頃からお世話になった神主さんの言葉です。神主さんからは、自分を信じて頑張るということを教えてもらいました。これからも、この言葉を胸に、安心して、喜んでもらえる医療の提供、施設の実現をめざしていきたいと思います。
読者にメッセージやアドバイスをお願いします。

睡眠を大事にして、7時間は寝るようにしてください。十分な睡眠を取ると神経が休まり、脳の働きも良くなって、パフォーマンスの向上につながりますよ。もう一つ、姿勢に注意してください。姿勢が良いと膝や股関節、腰、首にかかる負担が軽減され、さまざまな不調の予防につなげることも可能です。そのためには、下腹に力を入れて、30分以上のウォーキングをすることが秘訣です。雨の日などを除いて毎日続けることがお勧めです。僕も毎日、クリニックの周辺を歩いて探検していますよ。

