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石井 信和 院長の独自取材記事

整形外科いしいクリニック

(常滑市/西ノ口駅)

最終更新日:2025/01/14

石井信和院長 整形外科いしいクリニック main

赤茶色の外壁とやわらかな曲線を描く外観が印象的な「整形外科いしいクリニック」は国道155号沿いにある。整形外科のニーズが高い一方で、整形外科を標榜するクリニックが少ない常滑市。そんな生まれ育った地域の「健康寿命を延ばしたい」という思いから石井信和院長が2019年に開院した。エビデンスを重視した治療はもちろん、一人ひとりに合ったリハビリテーション治療を提供しているのが同院の特徴。運動を継続するモチベーションを高めるための集団運動教室にも取り組んでいる。また、患者の話にしっかりと耳を傾け、寄り添う石井院長の診療スタンスは、地域住民から厚い信頼を得ている。健康寿命延伸のための「予防」に注力する石井院長に、同院の診療内容や医療への思いを語ってもらった。

(取材日2024年11月9日)

常滑市の健康寿命を延ばすのは「自分の使命」

先生のご経歴について教えてください。

石井信和院長 整形外科いしいクリニック1

研修医時代は基本的な教育に注力している協立総合病院に就職しました。その後、僕の地元にある常滑市民病院がリニューアルする際、そちらに移動しました。当時の市民病院の整形外科は常勤医師が不在で、地域の患者さんが受診できない状態。整形外科の医師として、生まれ育った町に貢献できるのではないかと思ったんです。本来受けられるはずの医療が、常滑市の住民であるがゆえに、受けられない事態は避けたかったので、毎日がむしゃらに働きました。周りの力も借りて2年で多くの手術を行えるような体制に。大変な毎日でしたが、白紙に絵を描くような仕事で、僕の思いがそのまま形になる。患者さんも自然と増えて、とても楽しかったですね。

開業を決意した理由を教えてください。

もともと開業はあまり意識していませんでした。ただ勤務医時代には右足を手術して退院したのに、すぐに左足を骨折して再入院するといった方も少なくなかったのです。この状況に常々疑問を感じていて、悪くなる前の予防の必要性を強く感じ、開業を考えるようになりました。また当時、大規模病院は入院や手術に特化し、外来診療を受けたい場合は開業医へ、という医療の流れがありました。大規模病院に在籍する医師は限られているため、手術後のリハビリを十分に取り組めないといった課題も……。さらに、リハビリ患者さんを十分に受け入れられるクリニックが常滑市にはほとんどない。そこで僕が開業することで、このような患者さんを受け入れられると思いました。僕の診療方針や患者さんとの関わり方という面からも開業医のほうが向いていますし、生まれ育った地域の課題を解決するのは、自分の使命なのかなと思いましたね。

勤務医時代から骨粗しょう症の治療に注力されていたそうですね。

石井信和院長 整形外科いしいクリニック2

最初に勤務をした病院は、術後の骨粗しょう症治療に積極的でした。そのような環境でしたので、自然と骨粗しょう症の知見を増やすことができました。実際にケガや事故で来院された方を調べてみると、骨粗しょう症が実に多い。見逃されているケースも多いことから骨折の治療だけでなく、予防にも注力すべきという思いが強まったんです。予防によって骨折が減れば、健康寿命の延伸にもつながりますからね。そもそも健康寿命を延ばすには、筋肉をつけて転倒予防をすることが大切です。転倒予防は高齢になってからではなく、40代~60代など早い段階から適切なトレーニング方法を身につけることが有用とされています。筋力強化により痛みの軽減も期待できます。また、人工関節の手術を希望される方が増えていますが、手術では筋肉を切るので、筋力が落ちてしまいます。手術の有無に関わらず、筋力トレーニングはとても重要なんです。

言葉の裏に隠れた本当のニーズをくみ取る

診察の際に心がけていることはありますか?

石井信和院長 整形外科いしいクリニック3

わかりやすい説明を何よりも大切にしています。そして、患者さんのニーズをくみ取って、しっかり応えること。特に初診の方は、時間をかけてお話を伺います。例えば他院での受診後、手術をするか、しないかを悩まれて来院される方も少なくありません。その場合、なぜ手術についての相談なのに、手術をしない当院へ来てくれたのか。その気持ちをしっかりと把握するよう心がけています。もちろん医療として適切な治療を前提としますが、まずは患者さんの言葉に耳を傾けて、「何を求めて来られたのか」を理解することを重視しています。

一人ひとりの患者さんに合わせて説明されているのですね。

例えば、耳が遠くて説明が理解できない患者さんが医療機関を受診されることもあります。いろいろ説明しても、聞こえないので「わからない」。ではどのようにして来たのか聞くと、「家族に送ってきてもらった」と言われる。このようなケースではご家族も一緒に説明を聞いてもらうのが、当院の方針です。このようなご高齢の方の治療にはご家族のサポートも重要ですので、ご家族が同居されているのか、近隣に住んでいるのかなども確認します。ご本人だけでなく、ご家族にも納得してもらった上で、治療することが改善につながる第一歩となりますからね。

リハビリテーションにも注力されています。

石井信和院長 整形外科いしいクリニック4

リハビリテーションで筋力をつけるようめざすことはとても大切です。単純な筋力低下の問題の改善を目的とするだけではありません。例えばひざの痛みは、筋力低下や肥満が原因の大きなウエートを占めているため、リハビリテーションで筋力アップを図ることが、ひいては体の痛みの改善につながる可能性があるからです。また、「手術するしかないと言われたけれど、手術を受けたくない」という方が多いことも、リハビリに注力している理由です。もちろん必要であれば手術をしますが、体の負担を考えると、できるだけ手術は回避したほうが良いと考えます。高齢化が進む現代、現役世代の負担を増やさないために僕がやるべきことは、医療費のかかる手術を減らすために予防を啓発していくことだと思い取り組んでいます。

充実した人生のためにサポートするのが医師の役割

集団運動教室もこちらの特徴ですね。

石井信和院長 整形外科いしいクリニック5

月水金の週3回実施しています。主にアスレチックトレーナーなど、体操について学んだスタッフが担当しています。曜日ごとに内容が異なりますので、複数回参加する方も多いです。集団運動教室を実施する理由は2つあります。1つ目は理学療法士による運動リハビリは、多くの方への指導ができないからです。リハビリが必要な人にリハビリを受けていただき、その段階にいない人は運動教室でケガや病気を予防してほしいと考えているんです。2つ目としてリハビリの継続は、ご本人の自覚や意欲に左右されてしまうから。運動リハビリ期間の終了後に一人でトレーニングを続けるのは難しいものです。集団で運動することで「みんな頑張っているから自分も!」とモチベーション向上に役立てていただきたいです。楽しく運動できる場を提供することで、転倒予防をはじめ、ADL(日常生活動作)、QOL(生活の質)を上げ、ひいては介護予防につなげていきたいです。

スタッフさんはどんな方が多いですか?

開業当時、スタッフは理学療法士1人でしたが、現在は26人が勤務してくれています。おかげさまで患者さんも増えていますが、理学療法士が5人、柔道整復師が4人いますので、さまざまなご要望にも時間をかけて丁寧に対応できる体制が整っています。みんな個性豊かですが、仲良くチームワークは抜群です。長年勤めてくれているスタッフが多く在籍しているのも当院の強みです。結婚などライフイベントで退職した人もいますが、人間関係で辞めた人が一人もいないのは僕の自慢。患者さんのいろいろなご要望に応えながら、よく頑張ってくれていて感謝しかありません。今後もスタッフが気持ち良く働ける環境づくりをしていくのが、院長としての僕の役目ですね。

今後の展望をお聞かせください。

石井信和院長 整形外科いしいクリニック6

この辺りはクリニックの開業が少ない土地柄です。先日も近隣の整形外科の先生が引退され、当院の患者さんが増えていますが、一人ひとりの方に適した医療を提供するために医師やスタッフの増員を考えています。今いるメンバーはもちろん、新しい先生やスタッフが気持ち良く働けるように、属人的ではなく、業務の標準化に取り組んでいきます。それが患者さんの「当院に来て良かった」と思える医療にもつながりますからね。そして医師である僕の役割は、地域の方が充実した人生を送れるようにお手伝いすること。一つでも悩みを減らし、笑って過ごしてもらいたい。そのためにも予防の重要性を広めていきたいと思っています。

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