中村 隆宏 院長の独自取材記事
ときわ駅前なかむら眼科
(京都市右京区/常盤駅)
最終更新日:2025/06/26

京福電鉄北野線の常盤駅からすぐの「医療法人社団 ときわ駅前なかむら眼科」。院長の中村隆宏先生は、出身の地で医療貢献がしたいという思いで2018年に開院。日帰りの白内障手術において、大学病院レベルの設備・機械を導入し、安全に配慮し適切な手術をめざす。患者へのこまやかな気配りにも重きを置いた信頼されるクリニックを志し、近隣に暮らす幅広い年齢層の人々の診療にあたる。白と茶を基調とし落ち着いた院内は、間接照明を取り入れ、居心地の良い空間。季節のフラワーアレンジメントや窓ガラスの装飾など、患者に快適に過ごしてもらうための工夫が散りばめられている。中村院長に、開院して約7年たつ中での手応えや、注力する治療分野、医療理念などを聞いた。
(取材日2023年6月29日/情報更新日2025年5月30日)
日帰り白内障手術を柱に、頼られる存在をめざす
クリニックは地域にとってどんな存在になっていると感じますか?

ありがたいことに多くの方に頼っていただいていると感じます。当院の患者さんは近隣に暮らす方が多く、年齢層は0歳から100歳まで幅広いです。各年代の目の病気に合わせて適切な医療を提供するよう心がけています。患者さんの中には、眼科分野以外のお話をされる方が結構います。例えば腰が痛いとか、ご家族の話題などです。いろいろおしゃべりしてくださるとうれしくなりますね。勤務医時代は基本的に目を専門に診ていましたが、今は患者さんの性格などを含めた「人」を診られる環境にいると感じます。僕自身も会話を充実させるために、高血圧、糖尿病、リウマチ、腰椎間板ヘルニア、花粉症など眼科以外の勉強もするようになりました。
日帰り白内障手術について教えてください。
専用の部屋で手術を行います。大学病院などで使われるような先進の機械も導入したことで、技術面で処置しやすくなり、手術時間の短縮につながっていると感じますね。当院では保険診療の白内障手術で使われる単焦点眼内レンズに加えて、選定療養費で多焦点眼内レンズも扱っています。多焦点のメリットは、手元にも遠くにもピントが合わせやすいこと。単焦点ではピントが合わないところを見るには眼鏡を掛け直す必要がありますが、そういった煩わしさが少ないでしょう。ただし、色の暗明や濃淡が識別しにくい、光がギラついて見えやすいというデメリットもあります。見え方は好みもありますから、詳しくはご相談ください。それから、術後は視界が明るくなることが期待できるので、お肌の細かなところまで気にされる方もいらっしゃると思います。そういった点もフォローできたらと、当院ではスキンケア用品も取り扱っています。
手術で大切にしていることはありますか?

第一優先は「安全に配慮して手術すること」。例えば所要時間を短くするために慌てて処置するという行為は、本末転倒ですよね。また当院では、医師の僕から、患者さんへ白内障手術を積極的に勧めることは緊急を除いて基本的にありません。白内障でも、今の日常生活で見え方に何か不自由はあるかどうかを大事にしています。不自由がなければ、手術は行いません。手術を選択するのは患者さんご自身。一人ひとりの意思を尊重した対応を心がけています。この考えは開院以来、一貫して守っています。
眼科手術の「心得」があるとか?
眼科手術の姿勢として「心得の7ヵ条」を打ち出しており、その一つが「患者さんが安心できる雰囲気づくりを心がけなければならない」というもの。実現に向けて意識的に行っているのは、患者さんへの積極的な声かけです。患者さんにとって目の手術は、怖さや不安、緊張感のあるものです。だからこそ絶えず安心できるように、何か処置を行うときは必ず声をかけるようにしています。例えば消毒するにしても、「ちょっと冷たいものが入りますよ」と言うだけで、心構えができますよね。
開院当初から一貫した医療理念で患者に寄り添う
白内障手術のほかに力を入れている治療について教えてください。

患者さんのお悩みで最も多いのは、ドライアイと眼精疲労です。僕は大学病院などで角膜を専門に臨床経験を積んできたので、その経験を生かした診断のもと、患者さんの症状に合わせ、点眼や涙点プラグを用いて適切な治療にあたります。さらに、現在の少子高齢化社会の中で、中途失明の原因となっている緑内障や加齢黄斑変性などの疾患の診断・治療も先進のOCT検査装置や硝子体注射を行っています。
子どもの近視抑制の分野にも注目されているそうですね。
近年明らかに子どもの視力が悪くなっていると実感しています。若い頃からスマートフォンを持つなど、時代に伴う理由が大きいでしょう。ですから今は子どもの近視抑制に注目しており、親御さんへはデジタル端末を使う場合の注意点やアドバイス、近視を進行させないための生活習慣を伝えるなど、情報提供を心がけています。子どもの近視は主に眼軸長が長くなることで悪化しますが、一度伸びると縮められないので、定期的に眼科で診察を受けていただきたいですね。
医療理念について教えてください。

開院当初から「安心と信頼の追求」という医療理念を掲げています。例えば、自分が患者としてクリニックに行ったとき、どんな場所なら安心できるかと考えると、僕なら「先生に気を使うことなく、何でも話せるところが良い」と思います。また安心のためにはクリニックに清潔感が不可欠でしょう。ですので、きちんと掃除がされていることも大事ですね。さらに、医師が患者さんにどれだけ治療に関する良いアドバイスをしても、信頼されていなければその言葉は響きませんし、再来院も難しくなります。こうしたことをぶれずに考え続けることが、「京都で眼科といったら当院」とイメージしてもらえる環境づくりにつながると考えています。
医療理念を持ち始めた開院当初について教えてください。
医師になってしばらくたった頃、さまざまな経験を積んできたという実感はありましたが、一方で開業医となると、経営などの新たな要素が必要になってきます。ある意味「1年生」なんです。だからこそ僕は、開院前にものすごく経営を勉強しました。専門書を買い、ボロボロになるまで読み込んだんです。また、周囲に多くのクリニックがある中、当院では何を核にしていこうかと模索を続けました。そうしてたどり着いたのが、「安心と信頼の追求」という医療理念でした。
スタッフ一丸となり、安心と信頼を追い求める
スタッフの皆さんについて教えてください。

スタッフは看護師2人、視能訓練士6人、眼科スタッフ6人の14人で、20代前半から50代まで幅広い世代が一緒に勤務しています。僕からスタッフに常に伝えているのは「患者さんにも、他のスタッフにも、優しいクリニックをつくろう」ということ。患者さんに優しく接するには、スタッフにも余裕がないといけません。そうなると、スタッフ同士の人間関係は円滑である必要がありますよね。ですから笑顔であいさつする、互いに気遣いのある伝え方をする、「自分から」の精神で率先して行動する、ネガティブな発言をしないなど、意識的に働きやすい環境をつくることを大切にしています。おかげで皆、仲良くやってくれていますよ。僕もスタッフも人間的に成長し、社会的にも貢献できるチームでありたいんです。「ありがとうございます!」を合言葉に感謝の気持ちを忘れず、院内をプラスオーラで満たしていきたいです。
クリニックの雰囲気はいかがですか?
例えば待合室には大きな窓ガラスがあり、クリスマスなど季節のイベントに合わせて、スタッフが飾りつけをしてくれます。「この装飾、とてもきれいね」と喜んでくださる方も多く、楽しい空間づくりができていると思います。また、これもスタッフが自ら提案したことですが、患者さんへお出しする飲料水の紙コップに手書きのメッセージを施すようにしています。こうしたスタッフの小さな心遣いが当院の雰囲気をつくっていると感じますね。クリニックを永続し、患者さんのお役に立つためには「新しい挑戦」も大切と考え、僕もスタッフも一人ひとりが自分でできる行動を考え、チャレンジの大小は問わずに取り組んでいきたいです。
最後に読者へメッセージをお願いします。

安心と信頼を追い求めるには、どんな行動をすれば良いのか。僕もスタッフも、常に考え続けています。めざすのは、患者さんに満足いただける診療ができる環境を整えること、そして、京都の眼科といえば当院と思っていただくこと。僕たちの行動や患者さんへの接し方は、すべてそこに行き着きます。今後も患者さんと真摯に向き合いますので、何でもお気軽にご相談ください。