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米田 光里 院長の独自取材記事

米田外科クリニック

(堺市南区/光明池駅)

最終更新日:2021/10/12

米田光里院長 米田外科クリニック main

泉北高速鉄道線の光明池駅から南海バスに乗車し、城山台センター停留所で下車、徒歩2分。緑豊かな泉北ニュータウンの診療所が集まるエリアにある「米田外科クリニック」。落ち着いたれんが造りのクリニックの中に入ると、広々とした待合室には大きな窓から日の光が差し込み、アロマの香りに包まれる。検査室にはピンクの花柄の壁紙があしらわれ、明るい雰囲気で迎え入れてくれる。父親から継いだ地で、2006年から乳腺外科を中心に診察にあたる米田光里院長。乳がん検診や乳腺診療には原則として予約制を採用し、院内が混み合わないよう感染症予防にも配慮する。患者に寄り添う医療を軸に、「僕らはマラソンでいえば伴走者」と柔和な笑顔で語る米田院長に、患者が受診しやすい環境づくりや診療にかける思いを聞いた。

(取材日2021年7月26日)

気軽に受診できるような、地域医療の受け皿になりたい

この場所で開業した経緯を教えてください。

米田光里院長 米田外科クリニック1

大学病院勤務後、吹田市民病院で乳腺専門の医師として働き始めましたが、この地でクリニックを開いていた父親が倒れ、引き継ぐことになりました。この辺りは中学2年生の時に引っ越してきてから、高校、大学と住んでいた場所でなじみもありました。できるだけ多くの地域の人に検診に足を運んでもらえればと願って、受診しやすい環境づくりに励んでいます。大きな病院の乳腺外科は混み合い、乳がん検診にあてられる時間が限られているという事情もあります。逆に人間ドックなどの健診施設だと乳腺を専門とする医師がいないため、検査で何か見つかっても、後日病院で再検査をしなくてはならず、患者さんにとって不便さがあります。乳がん検診を希望する方や手術後で安定した状態の方などにとって、使い勝手が良いクリニックでありたいと考えています。今では堺市内だけでなく、河内長野、貝塚、岸和田、富田林の各市からも患者さんがいらっしゃいますよ。

乳腺外科の医師をめざされたのはなぜですか?

祖母が直腸がんで亡くなったこともありますが、大学卒業後に進んだ当時の大阪大学微生物病研究所附属病院はがんの治療に力を入れており、僕自身も外科の分野でがんの治療に関わりたいと思っていました。そこでは「患者さんを最初から最後まで診る」という考え方を教わりました。現在は臓器別で内科と外科に分かれ、個別の治療を行っていますが、当時は外科的な治療も薬物療法もすることができ、診断から治療までほとんど自分たちの手でマネジメントできるのは良いことだと感じました。手術が必要な方には僕も非常勤で勤める病院や幅広く大阪府内外の先生を紹介していますが、高齢の方などで改めて新しい病院に行くのは抵抗があるという方にはご相談いただいて、別の病院で手術をすることもあります。

どのような方が来られますか?

米田光里院長 米田外科クリニック2

堺市の乳がん検診で利用する方が多くを占めますが、手術後の定期的な受診で来られる方も2~3割います。またがん以外で、あらゆる年代の乳房にまつわる症状の方、例えば授乳期で乳腺炎になった方なども受診されます。切開が必要なのか、薬で治るのかわからない中、いきなり大きな病院に行くことには抵抗があるでしょうから、そういう方の受け皿になれればと思っています。当院での乳腺の診療は原則として予約制ですが、電話をしてもらえばその日の予約状況によっては受け入れたりと、柔軟に対応するようにしています。

早期発見から、がん治療の水先案内まで

診療で大切にしていることは何ですか?

米田光里院長 米田外科クリニック3

とにかくがんに限って言えば、僕らの使命はできるだけ小さいうちに見つけることです。めざすのは1センチ以下の浸潤がん。さらに言えば非浸潤がんのうちに見つけることができれば、転移の可能性は低くなりますので、そのうちに見つけたいと考えています。体には手術や薬の副作用などの負担はかかりますが、社会的、経済的な面で少しでも生活に負担がかからないよう、まず病気を治すお手伝いをしたいです。一概には言えませんが、小さいうちに見つけることができればその後に完治する可能性が上がります。その段階のうちになんとか関わっていきたいという思いです。

検査結果について患者にはどのように説明されますか?

クリニックとしては、良悪がはっきりするまで画像所見や病理診断を駆使して最終診断にたどり着くよう努めています。乳がんだろうと思われる場合は、「次来られるときに、不安だったらご家族と来てください」と伝えるなどの配慮にも努めます。この先はどんな治療が待っています、ということを伝えることも大切です。患者さんが抱える心配事について、少しでも和らげるための水先案内人でありたいと考えています。単に体を診るだけでなく、「人をみる、生活をみる」ということもクリニックならではの医師の腕の見せ所だと思っています。

診断の精度や設備について教えてください。

米田光里院長 米田外科クリニック4

マンモグラフィの読影については、常にスキルアップを図っています。乳腺の密度が高い高濃度乳房の方は、40代以上の方で約4割ほどいらっしゃいますが、マンモグラフィでは乳腺もがんも白っぽく写るので、病変が隠れてしまうリスクが伴います。堺市では通常触診とマンモグラフィ撮影を行いますが、40代の方で異常所見のない高濃度乳房の方は、超音波検診も自己負担なしで受診できます。当クリニックのマンモグラフィの機器はこまめに新しくし、超音波の機器も性能にこだわったものを使用しています。デジタル技術がどんどん進歩していく中で、画像の解像度が上がっていますし、解像度が上がれば見え方もまったく違います。がんを1センチ以下の早期の段階で見つけることを目標としているので、それに合わせて機材を選んでいます。自分に合うメーカーの機器を選べるようになったことは開業医になって良かった点ですね。

親身なスタッフとともに患者に寄り添いたい

スタッフの対応はどうですか?

米田光里院長 米田外科クリニック5

スタッフの中にも乳がんを経験している人がこれまで数名いました。泣かれる患者さんに対し、乳がんを経験したスタッフが「私も乳がん治療の経験者ですよ」と寄り添って声かけをしてくれることもありました。患者さんは突然乳がんと言われてどうしたらいいのかわからず、孤独感を感じることもあると思います。そういう気持ちをスタッフたちはうまくカバーしてくれていると思います。そういった気配りを自然としてくれているのはありがたいですね。また、乳腺の診療については原則予約制なので待ち時間は少ないですが、子ども連れの方が来られた場合、検診や診察を受けている間でも、看護師らスタッフがお母さんの前でお子さんを抱っこしてあげることもよくあるんですよ。

院内感染予防対策にも力を入れておられるとか。

検診や乳腺診療は原則として予約制を採り入れていますから、待合室が混み合うことはありません。多くても5人の方がいらっしゃる程度です。「病院は人が多くて感染症が怖い」とおっしゃる患者さんにも安心してご来院いただけます。ほかにも、使用済みのスリッパは自動で収納、殺菌していく装置や空気清浄機、冬場はウイルス除去機能のついた加湿器を設置。待合室では患者さん同士が対面にならないように椅子の配置を工夫したり、直接手に触れる雑誌類は置かないように配慮しています。ビルや商業施設内にあるクリニックとは違い、当院は建物自体が広々として窓もたくさんあります。常日頃から換気には十分に気を配っており、少なくとも朝夕2回は窓を全開にして空気を入れ替えています。

読者にメッセージをお願いします。

米田光里院長 米田外科クリニック6

乳がんに限らず、現在ではどんながんでも早期に見つかれば治る確率は高いと考えられます。検診を受けない手はありません。また、ご自身でできることとしては、日々の生活でストレスを抱え込まず、食事や運動に気をつけることも予防につながります。僕も休日は海の近くで遊んだり、ジョギングをしたりして、気分転換をしています。ただ、将来はわかりませんががんの発生自体を止める方法はなかなか今はありません。体の中のことはわからないので、どうか怖がらずに、定期的に検診を受けてみてください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

乳がん検診(自費の場合):6000円~
※自覚症状のない方の検診は、自費診療となります。自覚症状がある方の検診は保険診療となりますので、詳しくはクリニックにご相談ください。

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