濱野 宜治 院長の独自取材記事
すずかけ歯科
(鎌ケ谷市/新鎌ヶ谷駅)
最終更新日:2024/09/10
スズカケの木を模した看板が目を引く「すずかけ歯科」。歯科を学び始めた大学生の頃から開業を考えていたという濱野宜治院長が、自身の地元・鎌ケ谷で妻の濱野麻由先生とともに開業して、今年で6年目を迎える。明るく清潔感のある院内はバリアフリーにも配慮されており、患者がリラックスして診療が受けられるよう広々とした個室の診療室が設けられている。濱野院長と麻由先生は、全身の状態を把握しながら歯科治療をする全身管理のエキスパート。歯科はもちろん医学的な知識の豊富さが、同院の大きな特徴の一つだ。5年後、10年後を見据え、口腔内全体の健康を考えた診療に取り組む濱野院長に、同院の診療方針や歯科医療への向き合い方を聞いた。
(取材日2023年7月12日・情報更新日2024年8月21日)
人任せにしない自分の診療スタイルの実現をめざし開業
こちらの歯科医院のコンセプトを教えてください。
学生の頃から実家の近くで開業したいという思いがありました。開業を考えていた理由は、自分のスタイルで診療したかったからです。歯科にはさまざまな材料や治療方法がありますから、自分が使いたい材料を使い、自分がベストだと思えるスタイルで診療したいと以前から考えていました。5分の治療時間で、何度も患者さんに通ってもらうのではなく、ゆっくりと時間を取って診療し、技工物を作ってもらう歯科技工士さんもこちらの意志が伝わる人にお願いする。人任せにしない歯科診療をしたいと考えています。
先生の診療スタイルを実現するための開業だったのですね。
これだけたくさんの歯科医院があるということは、患者さんにとってみればいろいろな治療の選択肢があるということです。例えば、虫歯の治療に用いる詰め物には、さまざまな種類があります。虫歯の治療としては同じですが、それぞれの歯科医院で治療の選択肢は異なりますよね。自分の歯科医院であれば、自分が選択した材料を使って治療を行うことができますから、それを患者さんに提供したいと考えています。
こちらの診療方針を教えてください。
当院の診療スタイルは、一人の患者さんに対してしっかりと時間を取って話を聞くということです。初診は1時間以上時間を取りますから、僕は1日10人程度の患者さんしか診ることができません。良い先生とはどんな先生かと皆さん悩まれると思いますが、良い先生という定義はありませんよね。要はその先生が自分と合うか合わないか、人と人との相性だと思います。ですから、僕の診療スタイルやコンセプトが合うと思ったら一度来ていただいて、「相性が合えば通ってください」と患者さんにはお話しするようにしています。
全身管理の知識と経験を生かした治療を
先生のご専門である全身管理について教えてください。
僕も妻も全身の状態を把握しながら歯科治療をする全身管理を専門としています。歯科治療のリスクがある全身疾患を抱えた患者さんの治療において、その知識と経験は、ほかの歯科医院よりも圧倒的に多いのではないかと自負しています。もともと、全身管理ができる、体に関する知識のある歯科医師になりたいと、体や薬に関して専門的に学んできました。当院でも必要に応じて、生体情報モニターを使って血圧や心拍数、心電図などをチェックします。機器を活用するだけでなく、顔色や表情の変化に注意しながら、患者さんの状態を感覚的に把握できるようにも努めています。
こちらの特徴の一つである、患者がリラックスして診療を受けられるよう工夫している点を教えてください。
当院では、時間のかかる手術などで、治療時の緊張を和らげる笑気吸入鎮静法や静脈内鎮静法といった、精神鎮静法を取り入れています。高血圧症や狭心症、心筋梗塞、脳血管障害など、治療時の身体的ストレスが大きい疾患がある方や歯科治療が苦手な方にも、痛みなどを我慢することなく治療を受けていただきたいですね。また、歯科に対して恐怖心や不安を持っている方にとって、歯科診療を受けられるようになる最初のきっかけがこれらの方法であっても、僕らは、それに頼らずに診療を受けることができるようになっていただくことをめざしています。例えば、患者さんが引っ越しをした先に、同じように笑気吸入鎮静法や静脈内鎮静法に対応している歯科医院があるかどうかはわからないですよね。歯科診療を受けていただくきっかけとしながらも、徐々にこれらに頼らずに受けていただけるようにサポートしていきたいです。
リラックスして診療を受けていただくための院内の工夫などはありますか?
診療室はかなり広く造っていますね。その理由は、人間狭いところに閉じ込められると心が窮屈になると思うからです。広いところに行けば開放的な気分でリラックスできると思います。患者さんもリラックスできますし、僕らも治療に集中しやすいですよね。狭いところで治療すると、手が当たってしまったり、動きにくかったりしますから。また、歯科治療は個室の診療室で行い、症状の経過を把握するために同じ歯科医師が担当することも大事にしています。
注力されている診療は何でしょう?
当たり前のことかもしれませんが、予防やメンテナンスには力を入れています。それは、どこの歯科医院でも同じだと思いますね。ただ、何か特別なことをしているわけではありませんが、当院に来てくださった患者さんに「今までのクリーニングと全然違います」と言われるくらい丁寧なメンテナンスに努めています。一般的な話になりますが、現在、他院で受けている治療に疑問を感じたり、長年悩みを抱えているのであれば、話を聞いてくれる歯科医院へ行くことをお勧めしますし、信頼できる歯科医師を見つけることは大切だと思います。
積み重ねた歴史をこれからも患者と刻んでいきたい
先生が歯科医師を志されたのはなぜですか?
僕は両親が歯科医師ではないので、初めから歯科医師をめざしていたわけではありませんでした。ただ、医療に対して興味があったことや、歯科大学が実家から近かったことがきっかけで歯学部への進学を決めました。母親が手先が器用だったことが影響しているのかもしれませんが、僕も小さい頃から手先は器用でしたね。歯科は細かい作業が多い仕事ですから、今では天職だなと思います。当院にわざわざ足を運んでくれた患者さんには最善を尽くしたいと思っています。患者さんの気持ちに寄り添い、いつまでも元気に過ごしてもらえるような治療を心がけています。
診療で大事にしていることは何でしょう?
患者さんの話をしっかり聞きたいので、治療10分、話20分でもいいと思っています。ですから、当院にいらっしゃる患者さんで「説明が足りない」と言う方はいらっしゃらないと思います。「ここでお金をかけるのなら、次にこうなった時にお金をかけたほうがいいですよ」とか、先を見てアドバイスをします。もちろん、最初から保険診療ができない患者さんもいます。その場合は「これは保険診療の範囲内で治療できるレベルではないですよ」と言いますが、かぶせ物などであれば、メリットとデメリットをお話しして、何を優先するかは患者さん次第だと思いますね。
どのような患者さんに来てもらいたいとお考えですか?
1本の歯だけを治してほしいという患者さんは、もしかしたら当院の診療スタイルには合わないかもしれないですね。口全体のことで悩んでいる、いくつも気になるところがある、長年悩んでいるという方は、ご相談いただければ診療プランを提案できますし、僕ができないと判断したらほかの専門的に対応できる医療機関を紹介することもできます。基本的には当院で診療しますが、患者さんのことを考えれば、自分の歯科医院で抱え込むのではなく、適材適所を考え臨機応変に対応していくことが大切だと思います。
最後に今後の展望をお願いします。
開業から6年を迎え、当院に来てくださった患者さんたちの歴史を積み重ねている最中です。その患者さんたちの10年前の記録はわかりませんが、これから先の歴史を刻んでいくことを大切にしていきたいですね。そこはぶれずに続けていきたいと思います。また、他の歯科医院で行われるインプラント手術に麻酔担当として加わることも多く、ご依頼を受けて関東圏の歯科医院へ月に何件か出張しています。これからもご依頼があれば対応していきたいですね。培ってきた全身管理についての知識と経験を生かしながら、これからも長くこの地で診療していきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とはかぶせ物/8万円~15万円、静脈内鎮静法/5万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。