医師と理学療法士らスタッフが
チームで支えるリハビリテーション
わたなべ整形リハビリクリニック
(岡崎市/男川駅)
最終更新日:2023/06/06


- 保険診療
その場しのぎで痛みの解消をめざすのではなく、患者に自分の体のことを知ってもらった上で機能を回復させるためのリハビリを行うという理念を持つ「わたなべ整形リハビリクリニック」。同院には太田憲一郎さんはじめ理学療法士が6人、あん摩マッサージ指圧師1人、アシスタントスタッフ6人が在籍し、渡辺隆之院長とともにチームとして患者一人ひとりに合わせたリハビリの提供に努めている。患者は手術を終えた高齢者やスポーツに励む子ども、選手など幅広い。リハビリは理学療法士が施術をするだけではなく、患者自身が自分の体を理解し、正しい体の動かし方を学ぶことも大事との考えのもと、快適な日常生活を送ったり好きなスポーツを続けたりしてほしいと話す太田さん。同院のリハビリについて詳しく教えてもらった。
(取材日2023年1月13日)
目次
リハビリに自主的に取り組めるよう患者の「成功体験」を全員で支え、機能回復と再発防止をめざす
- Qリハビリはどのような場合に利用するものでしょうか?
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A
▲リハビリでは、機能を回復させるための運動指導を行う
まず院長による診察で薬や注射が処方されます。それで痛みが軽減されれば良いのですが、痛みが残っている、そもそも普段の姿勢が悪い、筋力が足りない、体が硬い、関節の可動域が不足している、などが原因で正常な動きができておらず、痛みの軽減が見込めない場合があります。その場合、筋肉を強く、やわらかくすることで改善が見込めるようであればリハビリの適用となります。患者さんは変形性膝関節症などにより人工関節置換術を受けた方や腱板断裂の縫合手術、骨折の手術を終えた方、スポーツ傷害を負ったお子さん、選手など年齢も症状もさまざま。基本的にはどなたに対しても機能を回復させるための運動指導を行います。
- Q実際にはどのようなことをどれくらいするのですか?
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A
▲微細な振動で刺激しバランスや筋力を向上させるためのマシン
まず個別療法としてマンツーマンで2単位40分間、患者さんの状態把握をきちんと行い、それに応じてメニューを決めていきます。次からはしっかりとマンツーマン指導を行った後、「運動ゾーン」で機器を使って運動していただきます。患者さんに自分で体を使って運動してもらうことで、筋力強化、柔軟性の回復に自主的に取り組むようになってほしいと思っているのです。おうちで無理なくできるストレッチもお伝えし、次に来られたときに正しくできているかどうかを確認します。リハビリの頻度はケースバイケースですが、手術後の方は最初は週2~3回、その後徐々に減らしていき、最終的には「卒業」していただくことが理想です。
- Qこちらのリハビリの特徴はどんなところですか?
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A
▲筋肉の伸張反射を利用して可動域の改善をめざすマシン
患者さん自身の前向きな気持ちを大切にし、われわれはそれに寄り添うことを一番に考えています。当院にはそのための設備がそろっていることも特徴で、筋肉の伸張反射を利用して可動域の改善をめざすマシンや、微細な振動で刺激を生み出しバランスや筋力を向上させるためのマシン、けん引装置、低周波治療器などがあります。超音波診断装置もあり、筋肉の炎症の有無を確認したり、筋肉の動きや柔軟性をリアルタイムで観察したりします。また、選手にはスポーツの種目ごとに特化した指導を行います。特に野球は、私が大学院で投球動作の解析研究をし、現在も少年野球や高校野球に携わっていることから、きめこまやかな指導を心がけています。
- Qスタッフの皆さんはどのように連携されているのですか?
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A
▲患者への声のかけ方や対応の仕方には全員で気をつけている
毎週水曜日に医師、理学療法士らリハビリスタッフと合同カンファレンスを行っており、患者さんの状態について画像所見や医師の指示の確認をしつつ情報共有し、それぞれの立場から意見を出し合うなどしています。また今後どのように対応したらさらに良くなっていくのか、患者さんの性格や意欲、生活背景も含めて考えていきます。火曜日にはリハビリスタッフだけでミーティングを行い、難渋している場合は互いにアドバイスしあうなど、当院のチーム力は高いです。患者さんは運動をしたくない方、逆に運動しすぎる方などさまざま。どなたにも正しい方法で適切な量の運動をしていただくよう、声のかけ方や対応の仕方には全員で気をつけています。
- Qリハビリがなかなか続かないという声も聞きます。
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A
▲リハビリは生活の質や好きなスポーツを生涯続けていくために重要
リハビリは生活の質をよりよく保つこと、好きなスポーツを生涯続けていくために重要です。まずは体の現状をお伝えし、リハビリでどのような変化、効果が望めるのかをわかりやすくご説明し納得していただくように努めています。さらにモチベーションを高く持っていただくためには、リハビリをしたから良くなったのではないかという変化を具体的に感じていただくことが大切。少しずつ体を動かしていく中で「これを続けたから体の調子がいい」「この動きをすると痛みが少ない」といった成功体験を重ねていただくことをめざしています。何歳になっても筋力回復はめざせますので、「年だから……」と諦めずに一緒に頑張りましょうとお伝えしたいです。