継続できる糖尿病治療を
生活を尊重し、守れることを見極める
クリニックみらい立川
(立川市/柴崎体育館駅)
最終更新日:2021/10/12
![クリニックみらい立川 継続できる糖尿病治療を 生活を尊重し、守れることを見極める](https://prod-df-public.s3.amazonaws.com/uploads/doctormt/img_title_url/6025/20210629_main.jpg)
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- 保険診療
立川駅から多摩モノレールで1駅、柴崎体育館駅から徒歩3分の場所にある「クリニックみらい立川」。2019年7月にオープンしたばかりのクリニックで、糖尿病の治療に力を入れている。運営母体の医療法人社団「ユスタヴィア」にはさまざまな専門性を持つ医師が在籍し、糖尿病の合併症も自院で治療している。診療時には専門的な知識を持つ看護師が医師の問診の前に患者にヒアリングを行い、患者の思いもじっくりと聞き取り、その患者に合わせた治療に努めている。この法人の理事長を務めている宮川高一先生に、法人の理念や診療時の工夫などを聞いた。
(取材日2019年7月1日)
目次
医師と看護師が協力して患者が取り組みやすいことを聞き出す。人的体制や機器の充実も図る
- Qまずは法人の理念をお聞かせください。
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A
▲糖尿病治療に力を入れる、「クリニックみらい立川」
法人名の「ユスタヴィア」とは、フィンランド語で「友人たちと」「友人たちのために」などの意味を持つ言葉です。フィンランドは1型糖尿病の患者が多い国で、人口当たりの発症率は日本の20倍以上といわれています。つまり、インスリン注射を行わないといけない子どもが多いわけです。その分、同国では糖尿病の教育が非常に発達しています。日本のように治療方針に患者の生活を合わせようとするものではなく、患者の生活に治療を合わせていくスタイルなのです。私は二十数年前に初めて同国を訪れた時に患者主体の医療の在り方に感動を覚え、患者さんの気持ちを大切にしつつ、患者さんも自己肯定感を持てる診療を行いたいと考えました。
- Q理念を実現するためにどんな取り組みを行っているのでしょうか。
-
A
▲専門知識のある看護師が常駐する体制づくりを整えている
当法人では看護師の役割を重視しています。法人には現在、非常勤を含めて約27人の看護師が在籍していますが、彼女たちのほとんどが、糖尿病治療について専門的に学んできました。初診時にはまず、看護師が診療室とは別の個室で患者さんと向かい合い、病歴や過去に行った治療などを聞いていきます。その後、私たち医師が診察します。患者さんにとっては医師よりも看護師のほうが話しやすいケースが多いので、こうした流れをたどることで、患者さんの病気や治療に対する思いまで把握しやすくなり、その人に合わせた治療を行いやすくなるのです。診察中も看護師が1人以上ついているので患者さんも安心感を覚えやすいでしょう。
- Q治療方針を立てる上ではどんなことを重視していますか?
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A
▲患者に合った目標を定めて治療していく
患者さんが取り組みやすいことにフォーカスするようにしています。糖尿病の治療は食事療法と運動療法が中心ですから、患者さんからすればそれは大変なものです。あれもこれも食べてはいけないというのは悲しいことですし、実際に日本糖尿病学会が定めるエネルギー制限食を守れる人は3分の1ほどしかいないそうです。しかしながら、現在は薬もあるため、望ましい指標が10個あるとして、その内の2つか3つを守ってもらいつつ、専門の医師のもとで治療を受ければ多くの場合は血糖コントロールが望めます。ですから、患者さんが8、9割の確率で守れることを想像し、それを軸に数字を絡めながら目標を定めていくことを大切にしています。
- Q人的体制や機器の面で特徴はあるのでしょうか。
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A
▲さまざまな分野で専門の医師が多数在籍している
糖尿病だけではなく、さまざまな分野を専門にする医師が在籍しています。クリニックによっても微妙に異なりますが、糖尿病に近い領域の内分泌内科だけでなく、腎臓内科や代謝内科なども標榜しています。糖尿病はさまざまな合併症を発症する恐れがあるため、仮に他の病気が起こってしまった場合でも自院で治療ができるようにしてあるのです。機器としては、患者さんの体に装着し、数日間にわたって血糖値を計測できるCGMという機器や、インスリンを自動的に継続して注入していくインスリンポンプ療法ができる機器も備えています。
- Q今後の展望についてお聞かせください。
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A
▲患者を総合的に治療できる体制をめざす
2019年7月に立川市に3院所目となる当院を開院しました。こちらでも多くの医師が在籍しており、患者さんを総合的に治療できる体制を築いていきたいと考えています。と同時に、立川地域では甲状腺の病気を診られる医療機関が非常に少ないため、この病気に悩む患者さんの受け皿としてしっかりと機能し続けていきたいです。甲状腺の病気が悪性かそうでないかを判断するためには細胞を採取して顕微鏡で観察する必要があるのですが、この検査を行える医療機関がとても少ないんですね。また、高齢化が進む中で認知症のためにインスリン注射がうまくできなくなる人が増えていくでしょうから、そうした場合にも当法人で対応していければと思います。