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金重 勝博 院長の独自取材記事

クリニックみらい立川

(立川市/柴崎体育館駅)

最終更新日:2024/02/26

金重勝博院長 クリニックみらい立川 main

医療法人社団ユスタヴィアが展開する「クリニックみらい立川」。多摩モノレール・柴崎体育館駅から徒歩で約3分の場所にある複合医療施設「メディカル・フォレストたちかわ」の一角に位置する。金重勝博(かねしげ・まさひろ)院長は内分泌代謝のスペシャリストで、特に甲状腺の専門的な診断、治療を得意としている。日本糖尿病学会糖尿病専門医でもあり、1型糖尿病にも精通。「患者さんの人生における楽しみを尊重し、医師の考えを押しつけないよう気をつけています」と話す、穏やかで優しい語り口が印象的な金重院長に、診療ポリシーや診療の特徴、今後の展望について聞いた。

(取材日2023年3月23日/更新日2024年1月31日)

高い専門性を持ちながら地域医療に貢献

こちらのクリニックは医療法人社団ユスタヴィアグループの一つなのですね。

金重勝博院長 クリニックみらい立川1

医療法人社団ユスタヴィアグループは、当院と「多摩センタークリニックみらい」・「クリニックみらい国立」の3院からなり、当院は、3院の中では一番新しく、2019年7月に開院しました。法人名の「ユスタヴィア」とは、フィンランド語で「友人たちのために」という意味を持つ言葉です。名前のように明るくフレンドリーな雰囲気を、医療に関しては、専門性・正確性のあるクリニックをめざしていきます。私は2018年4月に「クリニックみらい国立」の副院長に就任しました。医療法人社団ユスタヴィアグループにはさまざまな専門性を持つ医師が在籍し、糖尿病や内分泌代謝の疾患に特化したクリニックとして知っていましたが、高い専門性を誇りながらも、町のクリニックとして地域貢献できるクリニックをめざしていることに共感を覚え、当院の開院と同時に院長に就任しました。

院長は内分泌代謝のスペシャリストでいらっしゃいますが、どこで専門性を磨かれましたか?

1990年頃、山梨医科大学第三内科は分子生物学的手法を用いた甲状腺の研究が女屋敏正教授のもと盛んに行われており、アメリカ国立衛生研究所からオファーがあり留学しました。研究テーマは先天性疾患である「甲状腺ホルモン受容体(TR)異常症」の疾患遺伝子、すなわちTRβ異常症のモデルマウスをつくること。この研究成果が後に発がん機構の解析に生かされました。さらにTRα異常のノックインミュータントマウスの作製に成功し、TRα異常症の発見と治療につながったことから、3年半の留学はたいへん満足のいくものでした。帰国し母校に戻ると、糖尿病を専門とする小林哲郎教授が就任。1型糖尿病を専門とするようになり、インスリンを持続的に注入するインスリンポンプ治療も含め担当。そうした経緯で、糖尿病と甲状腺疾患の両方を専門とするようになりました。大学病院では研究と、臨床の両者に優れた恩師に指導を仰げたことは非常に幸運でした。

どのような患者さんが多くいらっしゃいますか?

金重勝博院長 クリニックみらい立川2

糖尿病、甲状腺疾患、腎臓疾患の患者さんが多いですね。高血圧や脂質異常症などの生活習慣病の患者さんもいらっしゃいます。かかりつけのクリニックから紹介されたり、健康診断で異常を指摘されて当院を訪れるケースが多いです。年齢的には、ご高齢の患者さんに加え、40~50代くらいの現役世代の方の割合も多いです。当院は、地元の医療機関として発熱者専用の外来も行っており、新型コロナウイルス感染症の患者さんも受け入れてきました。診察室は6部屋ですが、別に感染者用の診察室もあり、発熱している患者さんは、定期通院の患者さんとは異なる動線で診療を行ってきました。

インスリンポンプ療法に対応

患者さんと接する際に気をつけていることはありますか?

金重勝博院長 クリニックみらい立川3

生活習慣病の治療は患者さんの自発性によって変わりますので、患者さんの人生における楽しみを尊重し、やる気を出してもらうために、「こうしなくてはいけない」と医師が無理強いすることがないように気をつけています。運動や食事に関して些細なことでも達成できたことを褒めることで、コミュニケーションが円滑に図れます。例えば糖尿病の患者さんの場合は、私が診察した後、必要に応じて管理栄養士が食事指導を行ったり、糖尿病治療に最も大切な自己管理を患者さんに指導する糖尿病療養指導を学んだスタッフが生活指導を行ったりします。また、患者さんにより、毎月、もしくは2ヵ月に一度くらいのペースで通院いただき、体重や血糖値を管理しますよ。患者さん一人ひとりに即したきめこまやかな医療サポートを行うよう努めています。

糖尿病の患者さんにとってはとても心強いですね。

そうですね。当院ではインスリンポンプによるフレキシブルなインスリン投与を行うためのインスリンポンプ療法に対応しています。1型糖尿病は日本では少ないですが、当院にいらっしゃる糖尿病患者さんのうちの1割くらいは1型糖尿病です。患者さんごとの許容範囲を把握しながら専門的な治療を行います。糖尿病の方が感染症にかかり、発熱、下痢、嘔吐、食欲不振によって、食事ができないときのことを「シックデイ」といい、普段はインスリンを使用する必要のない方でも、高血糖になるなど血糖値が乱れやすくなるのでたいへん重い状態になることがあるため注意が必要です。病気になったときの対策などについても患者さんに丁寧に説明しています。

高血圧や脂質異常症などの生活習慣病の治療はどのように行っているのですか?

金重勝博院長 クリニックみらい立川4

高血圧の場合は、家族歴も大切ですが、二次性高血圧といって「腎臓や循環器の状態が悪い」など原因が特定できる高血圧があります。二次性高血圧を見逃さないよう診察を行い、手術が必要な場合は病院に紹介しています。脂質異常症は、性別、喫煙の有無、血圧、善玉コレスロール値、悪玉コレステロール値などの評価を行ってからその方の目標に応じた治療を行います。まずは食事指導や生活指導から始めますが、重症の場合は最初から薬を処方し服用しながら様子を見ていくこともあります。いずれにしても、患者さん一人ひとりの症状や体質などから総合的に判断し、定期的に通院していただきながら経過を見ていきます。

地域に開かれた明るいクリニックをめざして

医師を志したきっかけを教えてください。

金重勝博院長 クリニックみらい立川5

父は商社に勤めていましたが、幼い頃は父がどんな仕事をしているのかがさっぱり理解できませんでした。しかし、医師の仕事は単純明快です。病気を治療できるかどうか自分の技術が成果として表れるので、そのダイレクトさが魅力でした。小学生の時はアメリカのSFテレビドラマの影響で宇宙船の船長になりたいと思っていましたが、宇宙を航海できる船は、少なくとも私が元気なうちにできそうもないことがわかり断念しました(笑)。

プライベートについてもお聞かせください。休日の過ごし方はインドア派ですか、アウトドア派ですか?

どちらも楽しんでいます。大学時代はテニス部だったんです。医師になってからはコートから遠ざかっていましたが、また仲間と始め、今は週に2、3回楽しんでいます。アメリカにいたときにゴルフを楽しんでいたのですが、再び始めたいと思っています。10年ぶりくらいにクラブを握ったら空振りしてしまったのですが(笑)、勘を取り戻していきたいですね。インドア派でもあり、ロックを聴いています。子どもが大学で軽音楽部に入り、子どもの影響でインディーズも聴いていますよ。

今後の展望について教えてください。

金重勝博院長 クリニックみらい立川6

当院は、宮川高一理事長、多摩センタークリニックみらいの藤井仁美院長、糖尿病性の腎臓病悪化に対応できる専門家、長谷川亮医師が常勤スタッフとして診療します。糖尿病の合併症もグループクリニックと連携して治療できるよう取り組んでいます。また、管理栄養士も常勤し、臨床検査技師などコメディカルスタッフも充実させています。ドクター、コメディカルスタッフとともに質の高い医療を提供していきたいですね。患者さん向けの「糖尿病教室」を開催したり、患者会をつくって「桜を見る会」や「バーベキュー」などのイベントを企画・運営したりなど、新しいことにも取り組んでいきます。地域に開かれた明るいクリニックをめざしていますので、お気軽にご来院ください。

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