三輪 知弘 院長の独自取材記事
さんのうメディカルクリニック
(東海市/聚楽園駅)
最終更新日:2025/06/06

名鉄常滑線の聚楽園駅を降りて徒歩で9分の場所に位置する「さんのうメディカルクリニック」。外科を専門に手術をはじめ多くの研鑽を積んだ三輪知弘院長は、地方で地域密着型の医療に従事したのをきっかけに、「患者さんに寄り添う診療に力を尽くしたい」との思いで、2019年に同院を開業した。明るく開放感のある院内には診療室や検査室、リハビリテーション室が設けられており、2025年には院内をリニューアル。診療室が3つに増え二診制になったほか、MRIを導入し、さらにリハビリテーション室のスペースが広がるなど診療体制がますます充実した。「全身をトータルに診療し、健康寿命に貢献できるクリニックでありたい」と語る三輪院長に診療のモットーやスタッフとの協力体制などを聞いた。
(取材日2022年1月19日/情報更新日2025年4月28日)
患者の生活、人生をより良くするための診療を追求する
院長が医師を志したきっかけ、開業の経緯をお聞かせください。

小学生の時に腎炎で入院したのがきっかけです。いろんな先生にお世話になって、入院中も楽しかった記憶があります。特に担当の先生に憧れて、医師をめざすと決めました。「医師=手術」というイメージから外科を志望し、多くの手術を経験しました。そんな私に、転機が訪れたんです。岐阜県高山市の病院に勤めることになり、内科や訪問診療にも携わることに。その病院の近隣には医療機関が少なく、「外科は手術だけ」とは言っていられない環境でした。おかげで患者さんとコミュニケーションを取る機会もぐんと増え、専門性の垣根を超えた総合的な診療を通じて、医師として大きな充実感を得ましたね。そして「患者さんにより深く関わっていくには開業が良いのでは」という考えが芽生え、開業を決めました。
クリニックづくりではどんな点にこだわったのですか?
患者さんがくつろげるように、特に待合室は広々とした造りにこだわりました。天井は高く、大きな窓に沿ってカウンターテーブルを作り、外を眺めながら待っていただけるようにしました。それから2025年には、院内をリニューアルしたんですよ。リハビリ室が広くなり、2階には人工芝の運動スペースもできました。ゆったりしたスペースでリハビリができるようになり、実際に体を動かしてのスポーツリハビリも可能となりました。
リニューアルでは診察室も増えたと聞きました。

もともとリハビリテーション室だった部屋を改築して、3つ目の診察室と処置室の拡張にあてました。高性能の換気設備を導入し、隔離が必要な感染症の患者さんも院内で診察できるようになりました。また、2024年の4月から外科を専門とする山崎公稔先生が常勤になり、二診体制になりました。おかげで待ち時間も以前よりずいぶん減ったと思います。山崎先生は病院勤務時代の同僚で、人柄が良く信頼できる方。ぜひ当院の力になってほしいと私からお声がけしたんです。整形外科の専門性の高い先生にも来ていただいているので、各分野で専門的な治療を提供できる環境を整えています。それから設備面ではMRIを導入しましたので、これまで外部に委託していた検査も院内で可能になりました。整形外科領域だけでなく頭部、腹部など、全身をより精密に診られるようになりました。
その他、診療で活用している設備などをご紹介ください。
骨密度測定装置は骨密度だけでなく骨質まで評価できるものを用い、腰椎と大腿骨で測定しています。骨質を評価することにより、詳細な骨の状態を判断でき、治療に生かすことができます。また、エコーを3台常備して診察やリハビリに利用しています。エコーはレントゲンと違い、体への放射線被ばくの負担がなく、リアルタイムで全身の筋肉、靱帯、腱、神経、骨、内臓まで詳細に評価できるため、特に整形外科領域の診察では欠かせません。注射や神経ブロックなども狙った部位へ適切に実施できるため、診断・治療の質の向上につながっていると思います。
根本原因からトラブルを未然に防いでいく予防医学を
普段はどのような患者さんが受診されるのでしょうか?

周辺にお住まいの方が中心で、年齢もさまざまです。平日の午前中はリハビリテーションを利用するご高齢の方がメインで、午後診療は学生さんや会社員の方の受診が多いです。相談内容も幅広いですね。緊急の処置を要する患者さんも多く来られ、まるで救急科外来のように慌ただしくなることもありますが、とてもやりがいを感じています。総合的な診療を行いたいとの思いで開業したので、いろいろなきっかけで当院を利用していただけるのはうれしい限りです。発熱症状のある患者さんは、特殊な換気設備のある専用の待合室と診察室で対応しています。
診療のモットーとは何でしょうか?
年齢を重ねても自分の力でいつまでも元気に暮らせる、生き生きとした人生を支えるのが私をはじめ当院で働くスタッフ全員の役目です。すべての診療では、今ある症状を軽くするのはもちろん、根本的な原因をひもといて解消をめざすことに重きを置いています。再発したり新たなトラブルを招いたりするような事態を未然に防ぐことも、健康的な生活に必要なアプローチですから。特に力を入れているのが、手足や腰、膝といった運動器のリハビリテーションです。例えば、腰が痛くて来院される患者さんがいた場合、その痛みに対して処置をするのと同時に、そもそも痛くなった原因を究明していきます。姿勢が悪いのか、体の使い方が悪いのか。コミュニケーションを取りながら原因を探り、リハビリテーションを通じて原因の解消をめざしていくのです。クリニックに通えない方に対しては、家でできるトレーニングなどもご提案しています。
貴院が提供するリハビリテーションの特徴を教えてください。

昨今、小児の運動能力の未発達や、高齢者の身体・運動機能の低下(ロコモティブシンドローム、フレイル)が問題となっています。子どもがケガをしやすくなったり、高齢者が寝たきりになってしまう原因と言われています。当院では、小児や高齢者の身体機能・運動能力を測定する独自の評価テストを作成し、リハビリ室で行っています。基準に満たない方へは運動指導やリハビリテーションを行っています。これは当院独自の取り組みであり、小児の運動障害やケガの予防、高齢者の健康寿命の増進のため、意義のあることと考えています。また、リニューアルに際して増設した人工芝の運動スペースでは、実際に走ったり投球フォームをチェックしたりといった、スポーツ障害に対する積極的なリハビリテーションも可能となりました。
経験と知識の豊富なスタッフとともに患者に寄り添う
診療時に心がけていることは何ですか?

会話は特に重視していますね。私自身、人と話すことが好きなんです。外科で手術に携わっていた頃はがんなどの比較的重篤な病気の方とお話しすることが多く、時には暗い空気になりそうな場面もありました。しかし、私の中には医師になったばかりの頃に先輩から言われた「つらい病気との闘いの中でも、ひとときでも笑顔になってもらえるように患者さんに接しなさい」という教えがあり、どんな患者さんにも丁寧に接し、少しでも笑顔を見せてもらえるような会話ができるように心がけてきました。また、治療の方法もこちらから一方的に提案するのではなく、患者さんの気持ちに寄り添いながら進めるようにしています。注射を打ちたくない方、薬はできるだけ飲みたくない方など、お考えは人それぞれですからね。
診療をサポートするスタッフの方々についても教えてください。
現在は看護師や診療放射線技師、理学療法士が診療に携わっています。自発性もあって患者さんとも積極的にコミュニケーションを取ってくれているので、心強いです。知識が豊富なだけでなく、リハビリ経験者や学生時代にスポーツに打ち込んでいた人も。それぞれのスタッフが各専門性を生かしながら、みんなで協力しながら患者さんの健康を守っています。またクリニックとしては、定期的なミーティングや勉強会などを通して、お互いの意見を出し合えるようにしています。
最後に今後の展望とメッセージをお聞かせください。

地域のかかりつけとして、患者さんが何でも気軽に相談できるクリニックでありたいと思っています。私以外にもスタッフがたくさんいるので、体のことも心のこともお気軽にご相談いただきたいですね。お子さんが体調が悪いときに、中高生の方が部活でけがをしたときに、そして高齢の方がいつまでも元気に動けるように、全身を幅広くトータルに診ることができるクリニックとして成長し、皆さんとともに歩んでいきたいです。