鵜川 祐樹 院長の独自取材記事
ウガワ歯科クリニック
(高松市／端岡駅)
最終更新日：2021/10/12
JR予讃線の端岡駅から車で5分ほど。「ウガワ歯科クリニック」は車や人の往来が盛んな国道11号沿いにある。院長の鵜川祐樹先生はこの町が地元だ。「生まれ育った町に自分が学んだ知識や技術を還元し、地域医療に役立ちたい」と2018年に開院した。長年大学病院や大学院で歯周病を専門とし、診療では歯周病の治療や予防に力を入れる。同院には赤ちゃんから高齢者まで幅広い世代の患者が訪れ、それぞれの悩みや希望に合った診療を提供する。「患者さんの望みをかなえ、ニーズに応えたいです」とやわらかな口調で話す鵜川先生に、同院のこだわりや患者への配慮などを聞いた。
（取材日2021年5月27日）
歯周病の治療と予防をベースに据えた診療
地域の印象や患者層についてお聞かせください。
1歳未満の赤ちゃんから高齢の方まで、幅広い世代の患者さんに来ていただいています。地域柄なのか、以前に勤務していた丸亀のクリニックと比べると若い方が多く、歯を白くしたいなどの審美的な相談が多い印象はありますね。審美面の希望は以前は女性のほうが多かったのですが、今は男性も見た目を気にされる方が増えて、あまり男女差は感じません。ただ年代は若い方のほうが多いです。当院では一般歯科や小児歯科、予防歯科、インプラント治療など幅広く対応していて、患者さんの主訴はそれぞれに異なりますが、歯周病は治療をしてもきちんと口腔内を管理しないと再発してしまうので、虫歯を治療する前にまず歯周病の治療をしますし、ほかの治療でも歯周病治療を並行して行っています。
どのような治療を得意とされていますか？
長年歯周病の研究に携わっていたので、歯周病を基本とした治療を得意としています。お子さんの予防歯科では子どもの頃にきちんとしたブラッシングを身につけてもらい、将来の歯周病予防につなげたいと考えてブラッシング指導をしっかりと行っています。審美面を意識した治療でも歯肉の形を整えることは大事なので、歯周病治療が関わってきますね。私は国分寺が地元なので、生まれ育った地域に歯周病治療をはじめとする自分が学んだことを還元したいと、この場所に開院しました。大学院の研究では口の中の状態を細胞レベルで見てきたので、虫歯や痛みの根本の理由を細胞レベルでご説明しています。その分、患者さんも自分自身のお口の中の状態を理解しやすく、納得して治療に取り組んでいただけていると思います。
導入されている設備や感染症対策の取り組みはいかがですか？
設備では、歯科用CTと歯科用レーザーを導入しています。レーザーはメスに比べて術後の痛みが出にくく、治りやすいのが特徴ですね。院内はバリアフリー設計で車いすやベビーカーでもそのまま入ることができ、個室の診療台は車いすの方が移乗しやすい設計です。感染症対策だと、クラスBといって、ヨーロッパ規格の特に厳しい基準をクリアした治療器具用の滅菌機を導入。院内の水はすべて除菌装置を通した状態で供給され、手袋などは患者さん一人ひとりに新しいものを使用しています。医療機関として、もともと衛生管理には徹底して取り組んできましたが、新型コロナウイルス感染症が流行し始めてからは、治療でマスクを外す患者さん用に抗菌加工された使い捨てのマスク入れをお渡ししたり、1時間に1回院内を見回って、消毒が難しいような場所には光で滅菌できる機器を使って消毒したりして、感染症予防に努めています。
患者の希望に応え、悩みを解消したい
診療のコンセプトをお聞かせください。
「患者さんの望むことをかなえてあげたい」です。患者さんに納得していただける治療を提供するためには、まずは信頼関係が大事。患者さんのご希望やお悩みをしっかり聞けるように、カウンセリングルームを設けています。また、保険診療だと材料などが限られるので、見た目や機能などでそれ以上のものを求められている方には、セラミックを使った治療やワイヤーのない入れ歯など、自由診療のメニューもご用意しています。患者さんがどのような治療を望まれているのかよく伺い、費用もきちんとご説明をして、どうしても自由診療でなければできないような場合に自由診療にするなど、満足いただけるようなご提案をしています。
子どもの診療では何か工夫をされていますか？
キッズルームを広めに確保していますし、小さなお子さんを連れていると「大きな声を出して周りの迷惑にならないか」など心配をされる保護者の方も多いので、安心して治療を受けていただけるように個室もご用意し、そちらで順番待ちをすることも可能です。個室では診療台からDVDを見られるので、好きなDVDを選んでもらったり、家からお気に入りのDVDを持ってきてもらったりしています。頑張ってお口の中を診せてくれた後はカプセルトイで遊べます。また、検診に来たお子さんの年齢に合った啓発パンフレットもお渡ししています。例えば小学生なら乳歯が抜けて永久歯が生える時期、虫歯になりにくいおやつについて。もう少し小さいお子さんには保護者の方と一緒に読んでいただける仕上げ磨きのポイントなどですね。
どのような時にやりがいを感じますか？
「ここに来て良かった」と言っていただけると、歯科医師になって良かったなと思います。お子さんの付き添いで来た保護者の方で、ご自身は歯科治療が怖くて何年も歯科医院に行っていない方がいたのですが、お子さんの受診をきっかけに「自分も診てほしい」と通ってくださった時はうれしかったですね。歯科治療に恐怖心を持っている方は多いので、リラックスしていただけるようなゆったりとした空間づくりをしていますし、個室の診療台は180度回転するので、椅子の向きを圧迫感のないよう調整ができます。患者さんの中には、痛みや見た目などで長く悩んでいらっしゃる方もいるので、お悩みを解決してあげられた時はやりがいを感じますね。
今後も患者のニーズに応えられるクリニックをめざす
休日はどのようにリフレッシュされていますか？
以前は県外の勉強会によく参加していて、その時に知り合った先生方と意見交換をしたり、一緒に食事をしたりするのが楽しみでした。最近は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で勉強会が中止になったり、県外のものにはオンラインで参加するようにしたりしているので、楽しみが減って残念です。最近の休みの日はテレビでスポーツ観戦や映画を見るなどして、自宅でゆっくり過ごすことが多いですね。
今後取り組んでいきたい診療はありますか？
お子さんの診療や検診の際に、矯正治療についての相談を受けることが多いので、対応の幅を広げていきたいですね。矯正方法にもいろいろあり、小さい時にある程度矯正することによって大きくなってから力を入れることなく矯正ができることにつながるケースもあります。現在はマウスピース型の装置を導入していますが、軽度なものは可能ですが、歯並びがかなり悪いとワイヤーが必要になってきます。小学生くらいからマウスピース型装置を使って矯正を開始すると、後々、大がかりな矯正がいらなくなることも期待できるので、患者さんのためにも取り組んでいきたいです。
最後に、読者にメッセージをお願いします。
当院は学んできた知識や技術を地元の高松市に還元し、患者さんのニーズに応えられるようなクリニックをめざしています。地域のご高齢の方や通院が困難な方にはご要望があれば訪問診療に対応しているほか、最近はオンライン診療ができる環境を整えました。オンラインですから、歯を削るなどの治療はできないのですが、例えば抜歯後の状態確認や、初めての方でも治療に関する相談が可能です。当院では痛みに配慮した治療を行っていますので、歯科治療に恐怖心のある方、お口のことで何かお悩みがある方は、気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント／38万5000円～
ホワイトニング／1万1000円
詰め物（ハイブリッドインレー）／2万7500円
かぶせ物（ジルコニアクラウン）／4万9500円
ラミネートベニア／8万8000円
矯正歯科（上下の顎どちらか）/6万6000円（2.5ヵ月ごと）～
マウスピース型装置を用いた小児矯正（初年度）/4万4000円～
ワイヤーのない入れ歯／10万円～ ※歯の数にもよる
