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高部 倫敬 院長の独自取材記事

糖尿病内科 たかべクリニック

(姫路市/姫路駅)

最終更新日:2020/09/11

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日本を代表する多くの企業の工場を抱える、兵庫県姫路市。再開発が進む姫路駅周辺エリアで、2018年から診療を続けているのが「糖尿病内科 たかべクリニック」だ。地元・姫路市出身の高部倫敬(たかべ・みちのり)院長は、へき地医療の若き担い手としておよそ10年働きながら、日本糖尿病学会糖尿病専門医資格を取得。異動で兵庫県立姫路循環器病センターに着任するも、肥満と糖尿病、心疾患患者の多い地域性を目の当たりにして、糖尿病に特化したクリニックの開業を決意したという。スピーディーかつ相談しやすい診療体制を整え、多忙な現役世代にも通いやすい環境を整備。地域で専門的な医療が受けられるクリニックだ。
(取材日2020年7月22日)

働き盛りの若い世代にも通いやすい糖尿病クリニックに

姫路は先生の地元だそうですね。

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姫路市内の中高一貫校に通い、兵庫医科大学に進学して2005年に卒業しました。進学の際には「なんでも診られて頼られるお医者さんになって、島しょ部や山間部で働くのもいいな」と思っていたので、へき地医療を担う兵庫県養成医となり奨学金を受けつつ勉強しました。卒業後、但馬地方の病院で働いているうちに、医療資源の少ない場所では緊急性の低い病気は後回しにされることが多いという状況を知ったんですね。糖尿病もそんな病気と思われがちでしたが、実際には高血糖や低血糖、合併症で救急搬送される患者さんも少なくなかったのです。へき地医療の質を上げて急患を減らしたい、そのために勉強しようと、神戸大学医学部の糖尿病科で研修を受け、日本糖尿病学会糖尿病専門医の資格を取得しました。

開業のいきさつを教えてください。

神戸大学で勉強していた頃にはへき地医療も充実してきて、各大学から何人も医師が派遣されるようになって医療インフラも整備が進みました。僕自身も兵庫県立姫路循環器病センターへの異動をきっかけに、10年近く働いた但馬を離れることに。ところが姫路には但馬とはまた別の問題がありました。姫路は一見すると都会ですが、特定健診では糖尿病の結果が悪い方に偏っている地域でした。車がないと移動しづらい地域であることに加え、農作業などで体を動かしたりする機会が少ない土地柄で、工場での3交代勤務の方も多く、そういった方々は夜勤で生活が乱れがちです。兵庫県の中でも悪条件が重なる地域でしたが、糖尿病内科のクリニックはとても少なく、早期からの専門的ケアが難しい状況だったんです。そのような状況を目の当たりにし、開業を決意しました。

患者さんは地元の方が多いのでしょうか。

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地域の方が中心ですが、遠方から車や電車で来院される方もいます。看板や広告を出していませんから、皆さんインターネットで調べて来られるのでしょうね。年齢層は1型糖尿病の患者さんは今のところ40代くらいが平均と思いますが、2型糖尿病は40代以上の方が多いです。糖尿病は投薬管理と生活管理が大切で、若い人こそ治療のメリットが大きいのですが、一方で若い方ほど治療の機会が少ないという面もあります。30~50代は働き盛りですので、この世代の方も通院しやすい医院にしたいと思い、土曜午前中も受診できるようにしました。姫路はサービス業で働く方も多く、平日夜も利用できるよう火曜のみ19時まで診療しています。水曜は休診にしていますが、僕自身は兵庫県立姫路循環器病センターで外来診察をしています。

「糖尿病があっても普通の食事ができる」を理念に診療

クリニックの特徴を教えてください。

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僕は日本内科学会の総合内科専門医でもありますが、当院は基本的に糖尿病内科に特化しています。糖尿病の患者さんは感染症にかかると重篤化しやすいので、主訴の半分が発熱といわれる一般内科を前面に出すと、糖尿病の患者さんにとってリスクが高くなります。診療体制の特徴としては、予約が厳しいことでしょうか。予約時間は10分単位で区切り、きっちり守っていただければ1時間以内に検査も処置も終わって帰れるようにしています。融通が利かないと思われるかもしれませんが、院内に人が少なくなるため、密になることもありません。前の方の診察が長引いたときは、時間を無駄にしないよう、お待ちの間に管理栄養士がお話を伺ってアドバイスをすることもあります。

診察や治療についてはどうでしょうか。

当院だけの特別な治療というものはありません。「糖尿病があっても普通の食事ができる」ことをめざし、標準的な治療をちゃんとする、検査をきちんとするということを心がけています。「標準」という言葉を聞くと、さらにランクが上の治療方法があるのではないかと勘違いされる方が時々いらっしゃいますが、標準治療とは「裏づけをもって広く認められている治療」ですから、今行われている治療の中でもその信頼度において高いランクに位置するものだと考えています。まずはそれをきっちり行い、薬の使い方や食事の量、質、運動など、標準治療で力を尽くした上でさらに必要なら、最後にアレンジするのです。治療の工夫としては、検査結果とともに血圧や体重等もグラフ化してプリントし、患者さん自身が努力の成果を確認できるようお渡ししています。また、主要な検査については外注せず院内で検査を行い、その日のうちに結果をお伝えしています。

治療の「見える化」を図っているんですね。

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糖尿病はわかりにくい病気なので、見える化は大切です。薬を変えたことが体重だけでなく体調に影響することもあるので、グラフによって理解を進めることも可能になります。体重管理の必要な方は、頑張った記録を残して、スタッフみんなで応援します。医師に限らずスタッフがたくさん関わって、丁寧に話を聞いてあげることが、治療の結果につながるんですよ。患者さん自身もチームの一員として、一緒に頑張ろうと思っていただけるよう心がけています。当院のスタッフは看護師3人のほかに、管理栄養士が4人が常駐して受付の担当を兼ねています。受付は会話のきっかけが多いのと、待合室が目の前なので待ち時間を無駄にせず、正しい医療知識の提供ができたりもしますので。

進歩する糖尿病治療を知って上手に使ってほしい

管理栄養士が受付にいるのはちょっと驚きます。

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当人たちも最初は混乱したそうです。当院では患者さんの平均滞在時間が45分程度なのですが、そのうち医師と話す時間は10分くらい。残りの時間を有意義に過ごしていただくため、管理栄養士との栄養指導を行ったり、看護師と話して残薬の状況を聞いたり、自己管理ノートを見せていただいたりします。そうすると患者さんも「見てくれてるならやろうか」という気持ちになっていただけるのではないでしょうか。当院の在籍管理栄養士5名のうち、既に2名が糖尿病療養指導士の資格をもっております。こうしたスタッフのおかげで1型糖尿病、2型糖尿病のどちらにもより専門的に対応させて頂けます。

今後の展望をお聞かせください。

開業して2年弱ですが、思いは最初から変わっていません。糖尿病に特化することで、最初は患者さん来るのかな、と思っていましたが、今では予約が取りにくいほどで、あらためて地域のニーズを実感しています。現代社会では、糖尿病は普通に見かける病気になりました。薬の種類も増えて使いやすくなり、昔のように我慢ばかりしないといけない病気でもなくなっています。糖尿病は新型コロナウイルスのような新しい感染症と違い、わからない病気ではありません。ぜひいろんなことを知ってください。知ることでやれることの可能性が広がります。知らないままで苦しむだけでは人生がもったいないですから。自分で調べていただくのも良いですし、クリニックに聞きに来てくれたら、これまで通り精いっぱいわかりやすい説明を心がけます。

読者へのメッセージをお願いします。

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糖尿病においてほとんどの合併症は、治療中断をきっかけに発生しています。日本人は全体的に真面目で厳しく、自分にも他人にもストイックさを要求する面があり、つらくなって治療を続けられなくなる場合もあります。例えば医師は100点を目標に生活指導をしがちですが、100点取れなくても大丈夫。80点でも60点でもいい、通い続けることが大切です。患者さんが一人で頑張らないよう、僕らが見守っていきますから、お話を聞かせてもらえるだけでいい。そうすれば、つらい我慢をしないで済むように楽しめるような食事内容のご提案ができますし、患者さんに合った薬を処方することもできます。医学は進歩しているので上手に使って生活を豊かにしていただきたいですね。

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