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松本 一彦 院長の独自取材記事

松本矯正歯科クリニック

(新宿区/四ツ谷駅)

最終更新日:2021/10/27

松本一彦院長 松本矯正歯科クリニック main

四ツ谷駅から徒歩約1分。2020年2月にオープンした大型商業施設内にある「松本矯正歯科クリニック」は、開業から約50年の矯正治療を専門に行うクリニックだ。歯科医師であった祖母から数えて3代目にあたる松本一彦院長は、同じ矯正歯科を専門とする父から同院を引き継いだ。「再開発前はわかりにくい場所にあったため、近隣の方に知らなかったと言われることもありましたが、今はずいぶんわかりやすい場所になりました」と明るい笑顔で話す松本院長。周囲の環境は変わっても、松本院長の「患者の将来を見据えた治療の提供」という理念に変わりはない。同院の治療方針、先代への想いなど、多岐にわたる話を聞いた。

(取材日2016年12月27日/再取材日2020年11月20日)

心がけるのは可能な限り健康な歯を抜かない矯正治療

患者さんはどのような方が多いですか?

松本一彦院長 松本矯正歯科クリニック1

四ツ谷という場所柄、以前は成人女性の矯正が多かったのですが、だんだんと小児矯正の割合が増え、今はお子さんのほうが多い印象ですね。学校の検診で歯並びの項目が増えたことやお子さんの歯並びを気にするお母さんが増えていることなどが、小児矯正が増えている要因ではないかと思います。矯正治療の患者さんは、年単位で通院しますから雰囲気づくりも大切です。当院は1年前にこの場所に移転したのですが、お子さんが怖がらないよう、歯科医院らしくない美容院をイメージした空間づくりを意識しました。私が話し好きなので治療中もよくお話をさせていただくのですが、クリニックに来ていることを忘れてしまうくらい緊張をほぐしてあげたいですね。BGMを聴きながら、スヤスヤと眠ってしまう患者さんも珍しくありません。

治療を進める上で心がけていることを教えてください。

正しい噛み合わせを意識して、可能な限り健康な歯を抜かない「非抜歯矯正」を心がけています。特にお子さんの場合、歯の土台部分に隙間をつくって余裕を持たせてあげることを図る「顎誘導」という方法があるので、非抜歯で行うことが大人よりも多いです。また矯正治療は装置を口に入れるわけですから、どうしても違和感を感じてしまいます。ですから患者さんには「この装置を使わないと、将来的にこうなる可能性がありますよ」と、その装置の必要性を説明し、十分納得してもらった上で治療することも心がけています。矯正治療にもさまざまなバリエーションがありますが、治療期間の差こそあれ、どの方法でも治療は可能です。きちんとお話をした上で、患者さんのご希望に沿った治療計画を立てていきます。口腔内は痛みに敏感ですから、できるだけ痛みを感じさせないように一つ一つのケアに気を配るようにしています。

最近、増えている矯正方法などはありますか?

松本一彦院長 松本矯正歯科クリニック2

成人矯正の場合、裏側矯正を希望されている方が増えています。マウスピース型装置を用いた矯正や裏側矯正は、矯正期間中も目立ちにくいということからニーズの高い方法と言えるでしょう。マウスピース型装置を用いた矯正は装置が取り外しできるメリットがありますが、決められた時間は必ず装着していなければならないので、それを守れるかどうか自信がないという人もいらっしゃいます。歯の表側は誰でもほぼ同じカーブですが、裏側はくぼみが深い人もいれば平らな人もいるため装置をカスタマイズします。そのため裏側矯正は費用も手間も技術も必要になります。当院では、それぞれの矯正方法を患者さんに情報提供して、患者さんと一緒に選ぶというスタイルで診療しています。

歯を動かしていく技術は矯正歯科の醍醐味

幼い頃から歯科の道を意識されていたのですか?

松本一彦院長 松本矯正歯科クリニック3

小学生の頃はとにかく航空機が大好きで、パイロットや宇宙飛行士を夢見ていました。ただ、父のクリニックを訪ねたりしているうちに、歯科医師という職業が自分にとって身近になっていきました。父は1970年に開業したのですが、当時は矯正治療を専門に行うクリニックはほとんどなかったそうですよ。そんな中、姉が歯学部に進学し講義や実習の話を聞くうちに興味が湧き、高校2年生の夏頃、自分の志す職業として意識するようになりました。もし父に万が一のことがあったら、クリニックの患者さんたちはどうなってしまうんだろうといった思いを巡らせて「父の代で終わらせることはできない」などという一人前の使命感のようなものに目覚めて、歯学部に進むことを決めました。

大学生活や勤務医時代はいかがでしたか?

大学では歯科全般を学ぶのですが、矯正歯科の分野を学べば学ぶほど、歯が自在に動くことの面白さ、すばらしさの“とりこ”になりました。私自身も歯並びが良くなかったので、学生時代から勉強を兼ねて矯正治療を始めたんです。痛みは強くなかったのですが、締めつけられているような独特の感覚はありましたね。その時の感覚は今の治療にも役立っています。大学卒業後は矯正治療を深く学ぶため大学病院に残ったのですが、実は私はとても不器用。臨床に出る前に、必要な知識や技術を習得しなければならないのですが、歯の形状に合わせてワイヤーを手で曲げる「ワイヤーベンディング」は最大の難関でした。3ヵ月ほど無我夢中で曲げ続けて、ふとしたタイミングでこつをつかむことができ、今では当時の友人から驚かれるほど器用に曲げられますよ(笑)。

同じ矯正歯科のお父さまと意見を交わすこともあったのでは?

松本一彦院長 松本矯正歯科クリニック4

入局して3年目くらいから、大学病院が休みの日に父の仕事も手伝うようになりました。同じ矯正専門の歯科医師になってから父の治療を見てみると、「そこは別の方法を使ったほうがいいのに」といった具合に、大学病院で学んだ最新技術とのギャップを感じることもあり、家に帰り夜遅くまで議論したこともありました。今にして思えば生意気な息子ですが、父は新しい技術にも関心が高く、私の指摘にじっと耳を傾けて納得しているような顔をしていたのを覚えています。もっと父からいろいろ学びたかったのですが、大学病院に入局して5年目に父が他界してしまい、急きょクリニックを引き継ぐことになったんです。私としては父が理事長で、私が院長というふうに、二人三脚でクリニックを運営していくことが理想でしたが、かないませんでしたね。

歯並びや噛み合わせの悩みは、矯正専門歯科に相談を

矯正治療を検討している方に何かアドバイスはありますか?

松本一彦院長 松本矯正歯科クリニック5

歯並びのことをご相談されるなら、できれば矯正歯科専門のクリニックにされることをお勧めします。一般歯科のクリニックで矯正治療を受けて、途中で専門性が求められる治療が必要になることもありますし、装置のトラブルが起きた時、専門クリニックならすぐに対応してもらいやすい。矯正専門の歯科医師が非常勤で診療しているところもありますが、急なトラブル時は一般歯科の先生が応急処置を行うことが多いと思います。また矯正治療ではアフターフォロー期間といって、治療完了後、歯が後戻りしないようにする長期的な管理も重要になりますが、一般歯科のクリニックではされないこともあるようです。こうした点から、専門のクリニックでご相談されるのが望ましいかと思います。

先生の矯正治療に対する考え方を教えてください。

矯正治療は歯並びだけでなく、噛み合わせを診ることが重要です。矯正治療で大切なのは、歯を支えている骨、土台をしっかりさせることです。まずはバランスを整えること。見た目だけでなく、噛み合わせや噛む位置のずれまでトータルでアプローチするのが矯正治療です。審美的に歯列がきれいでも、それを支えている骨に埋まっている歯の根が吸収されてしまったら意味がありません。歯がきれいに並んでいても、歯の根がほとんどなかったという人もいます。主訴をよく聞きしっかり治して差し上げることは、矯正専門の歯科医師として当たり前のことだと思っているので、診療には時間をかけていますね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

松本一彦院長 松本矯正歯科クリニック6

私自身も矯正治療の経験がありますから、患者さまの矯正器具が外れた時は自分のことのようにうれしく、その瞬間に立ち会える喜び、患者さまからいただく感謝の言葉を励みにこれまでやってきました。患者さまから「ありがとうございました」と言ってもらえることが、私にはありがたいですね。当院は四ツ谷で50年、矯正歯科の専門歯科医院として診療してきました。近隣の方だけでなく、最近はインターネットを情報源に来院される方も多くいらっしゃいます。矯正に関して気になることがあれば、その時が受診するベストタイミングです。何か不安に思った時は、矯正専門の歯科医師に相談するのが理想的だと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

成人矯正/77万円~、小児矯正/38万5000円~、裏側矯正/132万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/110万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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