小川 泰治 院長の独自取材記事
おがわ歯科医院
(神戸市中央区/三ノ宮駅)
最終更新日:2024/05/13
JR神戸線の三ノ宮駅から徒歩8分の、中山手通に面する「おがわ歯科医院」。院長の小川泰治先生は、昔からなじみの街だったというこの地にこだわり、2018年に開業した。一般歯科診療はもとより、小川院長が長年専門としてきたのが補綴治療。中でも入れ歯を得意分野とし、見た目の美しさだけでなく「噛める入れ歯」を理想に掲げている。穏やかな雰囲気をまといつつも、「自分自身が受けたいと思える治療を患者さんに提供していきたい」と真剣なまなざしで熱く語る姿を見ると、「この先生なら」と同院に足を運ぶ患者が多いこともうなずける。また、これまでは電話での予約のみだったが、患者の利便性をさらに追求し、積極的に利用してほしいとウェブ予約も開始した。 そんな小川院長に、同院の特色や診療に対する考え方などをじっくり聞いてみた。
(取材日2023年3月17日)
専門性を生かしつつ、より幅広く質の高い治療をめざす
こちらでは、どのような歯科診療を行っていますか?
当院では小児から高齢者まで、どの分野にも幅広く対応しています。特に補綴は私の専門分野で、中でも義歯(入れ歯)治療は学生時代から長く携わって得意としていますので、その腕を地域の皆さまに役立てることができればと考えています。かつて大学病院にいた頃は、ご高齢の患者さんが多かったために補綴治療ばかり行っていました。そのおかげで腕は磨けましたが、現在はさまざまな年齢層の患者さんがさまざまな歯のお悩みでお越しになり、個人的には今のほうがずっとやりがいを感じられます。時には自分の至らぬ部分を痛感することもありますが、それに気づきさえすれば勉強してカバーすることもできますから、仕事をする上での励みにもつながっています。
先生は大阪大学に長く籍を置いていたそうですね。
私は大阪大学歯学部を卒業後、初期研修を経て大学院に進学し、卒業後に同大学附属病院に勤めました。その後、スイスのチューリッヒ大学病院に1年間留学して再び大学へ戻り、さらに助教授を3年ほど務めてからこちらの歯科医院を開業しました。私の専門は補綴ですが、大学院では臨床よりも細菌学の研究に従事していました。歯の病気というのはたいてい細菌が原因ですから、「なぜこの薬が必要か」といったところを患者さんにしっかりと説明する上でも、当時得た知識が現在の診療に大いに役立っています。
このエリアを選んだ理由はありますか?
私は生まれが明石市ですから、神戸の街には子どもの頃から愛着がありました。一人ひとりの患者さんに対して丁寧に、じっくりと時間をかけて診療したいというのが私の基本スタンス。駅からさほど遠くはなく、住宅街でもあるこの場所は、立地条件としてうってつけでした。歯科治療というものは薬を出せば終わりというわけではなく、外科手術と同様に手を動かしてベストな結果を導き出さねばなりません。そのためには心理的にも時間的にも余裕が必要です。患者さんの中にはお忙しい方もおられるでしょう。しかし、時間的な制約でひと手間を惜しんだために満足な結果を提供できないようでは、その不利益はすべて患者さんに降りかかってしまいます。この近辺には歯科医院がたくさんありますが、それだけに自分なりのこだわりは大切にしていきたいと思いますね。
自分が受けたいと思える治療を患者に提供
先生が補綴を専門に選んだ理由は?
補綴という分野は、歯科の中でも治療計画の立て方が独特なんですね。ほかの分野の場合、たいていは小さな部分を見て治療計画を立てますが、補綴は最終形をイメージしながらトータルに考えていくのが特徴です。いわゆるトップダウントリートメントという考え方ですが、そこに魅力を感じたことが補綴を専門に選んだ理由です。また、そもそも私が歯科をめざしたのは、中学生の頃に祖母が急に入れ歯になって落ち込んでいる様子を見て、「歯というものは、こんなふうに人格まで変えてしまうんだ」と心に刻んだことにあります。そして、いつか自分が治してあげたいと、おこがましくもそう考えたことが、私が歯科医師になるきっかけとなりました。
診療で大切にされていることを教えてください。
第一は私自身を患者と想定し、自分が受けたいと思える治療を提供することです。そして、自分の歯を治すように患者さんと接していきます。その分、どうしても時間がかかってしまいますが、継続的にお越しになる方が増えている印象ですね。また、当院ではカウンセリングにもたっぷりと時間を割いています。特に初めての患者さんの場合、これまでどんな治療を受けてこられたのかをお聞きしても「わからない」と答える方が少なくありません。何をしたのかすら説明がない、それは私の考える「受けたい治療」からはほど遠いものです。そうならないためにも、問診の際にはその方のしてほしいこと、されたくないことをしっかりと引き出し、その上で治療計画を立て、きちんと説明して納得いただくよう心がけています。
歯科を受診する上で患者さんが注意すべきことはありますか?
今は歯科医院を選ぶ際に、まずインターネットで情報を検索する人が多いと思います。しかし、医療受診はネットショッピングとは違います。そもそも医療機関がインターネットで集患すること自体に私は疑問を感じるのですが、どんな医療機器がそろっているか、歯科医師の学歴はどうかなど、それだけを基準にしたところでその歯科医院の本質を判断するのは難しいでしょう。機器や学問の知識は、その歯科医師の使いこなし方次第です。まずはご自身のことをしっかりと考え、腰を据えて治療に臨む姿勢が大切です。そして、それにしっかりと向き合ってくれるところを見つけてほしいと思います。何より大切な体のことですから、ぜひ良い「かかりつけ」を見つけて治療や改善、予防につなげてください。
根気強く治療に向き合ってくれる患者が励みに
印象に残っている患者さんのエピソードがあれば教えてください。
私がまだ勤務医だった頃に担当した患者さんのことは今もとてもよく覚えています。その方は上下とも入れ歯で、他院で新しく作ってもらったものがしっくりこないと来院されました。一見しただけでは問題点が確認できず、違和感の原因がわかるまで非常に時間がかかったんです。それを数年かけて調整し感謝された時、その笑顔を見て心から良かったと思いました。そして何より、私を信じて根気強く治療に向き合ってくださったことがうれしかったですね。この経験は私の励みになり、歯科医師の仕事に対する大きなモチベーションにつながっています。
お忙しい中、プライベートはどう過ごされていますか?
現在はなかなか時間が取れず、行けていないのですが、私は旅行が大好きです。スイス留学をしていた時に、毎週のようにあちこちへ足を伸ばし、そこで旅の楽しさを覚えました。スイスの国内は、ほぼすべてを巡り尽くしたといえるくらいです(笑)。その経験のおかげもあって、海外の患者さんが来られた時も英語での対応が可能です。
最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。
歯周病は30~40代からかかり始め、50~60代で重症化してから気づくケースが少なくありません。そのため「かかりつけ」と呼べる歯科医院を見つけ、定期的に通院する習慣を身につけることをお勧めします。また、治療は頑張って受けるのに、予防にはあまり関心がない人が多いのが実情。歯が痛くならない限り受診しないことが多く、予防の大切さがまだまだ伝わっていない印象です。定期検診の習慣がもっと多くの皆さんに浸透していくことを、私は切に願っています。当院には私のほかに非常勤の歯科医師がおり、そのほか5人のスタッフ全員が歯科衛生士でメンテナンスや歯周病予防にも力を入れています。数をこなすということにこだわらず、今後は医療の質をさらに高めることに主眼を置いていきたいと考えていますので、末永いお付き合いをご希望の方は一度当院に足をお運びください。
自由診療費用の目安
自由診療とは詰め物:セラミック/6万円~、ゴールド/7万円~
かぶせ物:ジルコニア冠/11万円~、セラミック冠/10万円~
ホームホワイトニング/3万3000円
オフィスホワイトニング/3万3000円
部分入れ歯(ノンクラスプデンチャー、片顎)/11万円~、
総入れ歯(片顎)/33万円~