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北薗 巌 院長の独自取材記事

夜間休日診療所 キタゾノクリニック

(鹿児島市/加治屋町駅)

最終更新日:2021/10/26

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック main

千石馬場交差点角、大通りに面した立地にある「夜間休日診療所 キタゾノクリニック」は、月・木・金・土曜は夜の23時まで、さらに日曜・祝日は9時から15時まで診療している夜間・休日診療所だ。「働く人の健康をサポートしたい」との思いから、院長である北薗巌先生が「プライマリケア」を基本方針に掲げ、2018年9月に開院。利用者は20〜50代の働く人がメイン。さまざまな症状の患者を受け入れる姿勢で、時間・症状を問わず診療にあたっている。手術が必要な場合は、現在も籍を置く新成病院と連携し、外科系・消化器系は北薗院長自ら執刀するという。夜間・休日に特化したクリニックの診療について北薗先生に話を聞いた。

(取材日2020年10月14日)

夜間・休日にも診療し、働く世代の健康をサポート

どのような思いを持って、このクリニックを開院したのですか?

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック1

もともと開業したいという思いがあり、現在も籍を置かせてもらっている新成病院に相談しました。「やってみろ」という後押しもいただき、2018年の9月20日に開院したのが当院の始まりです。どんなクリニックにするか、という点においては、「夜に診療ができること」が念頭にありました。私自身の生活を振り返っても、妻や子どもが夜に熱を出したとしても、すぐに駆け込める病院はなかなかありません。また、日中に働いていると、たとえ体調が悪くても夜や週末は医療機関が休みであることが多く、我慢してしまいます。でも、その人にとって薬は生命線です。薬がなくなって飲まなくなり、病気になる人もいます。そんな人たちの思いに応えられるクリニックでありたいと思い、夜間・休日診療のクリニックを立ち上げました。

開院して2年がたちますが、どんな人が利用していますか?

働く人がほとんどです。年齢層でいうと、20〜50代が多いですね。薬を必要とするなど定期的に訪れる人は3割で、多くは外傷や風邪気味など、一時的に駆け込むような患者さんです。働いている人にたくさん利用してもらっているためか、週末は来院数も増えます。それだけ、働く人にとっては休日診療の需要が高いんでしょうね。これ以外にも、痔などの耐えられない痛みや発熱でどうしても診療を受けたいと、市外から訪れる患者さんもいらっしゃいます。こういった方々に対しても対応できる、駆け込み寺のようなクリニックでありたいと思っています。また、当院は幅広い症状・疾患に対応するプライマリケアのクリニックでもあります。眼科と産婦人科の分野以外なら診療させていただいており、専門的な医療が必要な場合は、他院と連携して対応しています。夜間や休日に体調が悪化した場合は、ぜひ利用してほしいですね。

クリニックの診療の特徴を教えてください。

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック2

当院では私一人で診療しています。そのため、忙しくなってしまうこともしばしばなのですが、同じ医師が診療することは、患者さんにとってメリットになる部分が多いと思います。例えば、ちょっとした体調の変化にも気づきやすいですし、表情や話し方でもなんとなくですが調子が伝わってくることもあります。また、医療現場において大切なことの一つが、医師と患者さんのコミュニケーションだと思っています。患者さんがちょっとした体の不調を感じている場合、気兼ねなく来院して相談できるような関係づくりに努めています。だから、診療中に患者さんと話す世間話も、コミュニケーションを深めるための大切な時間だと捉えています。当院の特徴を一言で言うなら、夜間や休日にも気軽に利用できるクリニック、ということになりますし、そうありたいと思っています。

他院と連携し、包括的に診療するプライマリケアを提供

クリニックの設備について教えてください。

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック3

新型コロナウイルス感染症の状況に合わせて、通常の正面入り口とは別に、エレベーター入り口を設けました。エレベーターを出たところにタブレット端末を設置し、それを介して受付事務と話ができるようにしています。また、一時的にではありますが待合スペースと診療スペースも新たに設け、ほかの患者さんとはまったく会わなくて済むようにしています。発熱を訴えるなど感染症の可能性がある人は、話を聞いた上で判断し、エレベーター入り口から入っていただくようにしています。そのほかの当院の設備として、エックス線検査室を設けているほか、エコー検査にも対応しています。症状を問わず幅広く受け入れるスタンスなので、まずは症状の原因を特定できるように努めています。

クリニックの基本方針であるプライマリケアについて教えてください。

風邪をひいた、定期的に高血圧・糖尿病の薬が必要など、日常的に医療が必要となる症状はたくさんありますが、そんな時に受診していただくのが、プライマリケアを提供するクリニックで、日常的に起こる健康問題の解決をめざします。当院に来ていただく患者さんの場合、大半は当院の診療で対応できますが、すべての症状に対応できるわけではありません。このまま様子を見てよいのか、入院して手術をしなければいけないのかを判断し、必要に応じて他院と連携します。当院では、私が籍を置く新成病院と連携し、検査・手術を行います。例えば、当院で診療して異常が見られる部分の原因を想定し、翌日に新成病院のCT検査で原因を特定、後日手術を行う、というような流れになります。医師の目でその後の診療を判断することも、プライマリケアを提供する当院の大切な役割の一つです。

先生が得意とする分野は何ですか?

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック4

当院を開院する前までは、主に外科医師として務めていました。鹿児島大学病院では腹腔鏡手術を学び、国内留学というかたちで大阪の病院でも2年勤めました。先ほどお話ししたように、今も連携する新成病院では手術を行います。当院でもこれまでの知識や経験を生かして診療にあたり、手術が必要な症状が見つかることもあります。外科医師としての私の診療は、「若い人」「内視鏡手術」「炎症性疾患」の3つがキーワードです。働き盛りの若い人の炎症を内視鏡で治し、早期に社会復帰してもらうことを目標にしています。当院は“医療の入り口”という位置づけになりますが、連携病院にもつなげつつ、外科医師としての経験を生かしていきたいです。

予防医療に注力し、必要な薬も院内で提供

なぜ院内処方としたのですか?

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック5

院内処方にした一番の理由は、調剤料なしで診察代と薬代を院内で一括して精算できるかたちを取りたかったからです。当院の診療で済む症状であれば、薬のお渡しまですべて院内で完結します。クリニックの経営面から見れば、薬の在庫を抱えることになるのでリスクはあるのですが、患者さんにとって薬は必要なものです。少しでも負担の軽減になれば、との思いから、院内処方のかたちにしました。特に当院は夜間や休日も診療しています。来院いただいたその日・その時間に薬をお渡しできるのも、当院の強みだと思います。

注力している予防医療について教えてください。

主に高血圧の人や糖尿病の人に呼びかけたいのですが、予防医療の大切さを知ってほしいですね。いずれも、一般的には症状はほとんどありません。たとえ患っていたとしても、自覚症状がないため診療は受けず、普段と変わらずごはんをおいしく食べることができます。でも高血圧の人だと、血圧が200を超えてくると、冬には脳出血や心筋梗塞を起こすリスクが高まります。極端な話をするならば、たった1錠の血圧の薬で救われる命もあるわけです。このようなリスクを軽減するためにも、当院では血圧測定や相談だけも歓迎します。仕事終わりでかかりつけの病院が閉まっていたら、当院に駆け込んでいただいても構いません。「夜間のかかりつけ医」として利用してもらい、予防医療の意識を高めていただきたいですね。

医師として、先生がやりがいを感じるのはどんな時ですか?

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック6

クリニックなので手術はできませんが、当院で診療をして症状の原因を見つけ、手術が行える連携病院につないでいます。そういったケースで患者さんが元気になってくれたときは喜びを感じますね。また、私の診断が検査結果と一致したときも、これまでの経験や努力が報われるような思いになります。私一人で夜間まで診療するスタイルは大変ではありますがが、患者さんが私の診療で元気になることを思えば、精神的な疲労はほとんど感じません。私事ですが、学生時代は柔道を頑張っていて、今は時間を見つけてランニングをしています。仕事での肉体的な疲労はスポーツで培った体力でカバーしながら、働く人の健康を守っていける医師・クリニックでありたいです。

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