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北薗 巌 院長の独自取材記事

夜間休日診療所 キタゾノクリニック

(鹿児島市/加治屋町駅)

最終更新日:2026/05/28

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック main

千石馬場交差点角、大通りに面した「夜間休日診療所 キタゾノクリニック」は、月曜・木曜・金曜は23時まで、土曜は21時まで、日曜・祝日は9時から15時まで診療している。「働く人の健康をサポートしたい」との思いから、院長である北薗巌先生が「プライマリケア」を基本方針に掲げ、2018年に鹿児島県で数少ない夜間休日診療に特化したクリニックとして開院した。時間・症状を問わず診療にあたっており、利用者は20〜50代の働き盛りの世代が中心。手術が必要な場合は、現在も籍を置く新成病院と連携し、外科系・消化器系疾患の手術は北薗院長自ら執刀するという。同院の診療について北薗先生に話を聞いた。

(取材日2026年4月28日)

夜間・休日診療で、働き盛り世代の健康をサポート

どのような思いを持って、このクリニックを開院したのですか?

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック1

もともと開業したいという思いがあり、現在も籍を置かせてもらっている新成病院に相談しました。「やってみろ」という後押しもいただき、2018年の9月20日に開院したのが始まりです。夜間休日診療に特化したのは、私自身の体験から、まず育児や仕事に追われる30~50代の方たちが昼間に受診するのは難しいと感じていたからです。仕事や家庭での用事を終わらせた後に病院へ行こうと思っても、夜や週末は医療機関が休みであることがほとんど。そうなると、体調が悪くても我慢しがちですし、血圧やコレステロールなど薬での治療が重要な症状では、通院できないまま薬がなくなって飲まなくなり、病気になる人もいます。また、子どもが夜に熱を出したとしても、すぐに駆け込める病院はなかなかありません。そんなことから、忙しい中でも健康管理がしやすい環境、夜間に頼れる場所を作れればとの思いで開院しました。

利用者はどんな方が多いのでしょう?

働く人がほとんどです。年齢層でいうと、20〜50代が多いですね。症状は急性期と慢性期が半々ぐらいで、急性期では喉の痛みや咳、鼻水、風邪、外傷、膀胱炎、胃腸炎など。慢性期では、高血圧症や糖尿病、高脂血症などが多いです。働いている人にたくさん利用してもらっているためか、週末は来院数も増えます。幅広い症状の方々に対応できる、駆け込み寺のようなクリニックでありたいと思っています。また、当院は幅広い症状・疾患に対応するプライマリケアのクリニックでもあります。眼科と産婦人科の分野以外なら診療させていただいており、専門的な医療が必要な場合は、他院と連携して対応しています。

クリニックの診療の特徴を教えてください。

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック2

一言で言うなら、「夜間や休日にも気軽に利用できるクリニック」です。できる限り待たせないことを心がけ、発熱の外来以外は来られた順に診て、平均30分以内には診療を終えられるよう努力しています。診療は私1人で担当しています。同じ医師が診療することで、ちょっとした体調の変化にも気づきやすいですし、表情や話し方でもなんとなくですが調子が伝わってくることもありますからね。医療現場で大切なことの一つは、医師と患者さんのコミュニケーションだと思うので、気兼ねなく来院して相談できるような関係づくりにも努めています。診療中に患者さんと話す世間話も、コミュニケーションを深めるための大切な時間です。カルテの記入はそれだけで時間を取られてしまうので、診療中の記入は血圧の数値とか必要最小限だけにして、あとは診療が終わった後にまとめて記入するようにしています。そのほうが、患者さんと向き合う時間を多く取れますからね。

予防医療に注力し、必要な薬は院内で提供

薬は院内処方なのですね。

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック3

ええ。院外にすることも考えたのですが、診療を終えた患者さんがパッと薬をもらって帰れるほうがいいと考えて、今の形になりました。風邪などの急性期症状で来られる人は、解熱剤がほしいとか、急ぎの人が多いですしね。また、院内処方のほうが患者さんの金銭的負担は少しですが少なくて済みます。クリニックの経営面から見れば、薬の在庫を抱えることになるのでリスクはあるのですが、患者さんにとって薬は必要なもの。来院いただいたその日・その時間に薬をお渡しできるのも、当院の強みだと思います。

プライマリケアを実践し、予防医療にも力を入れておられます。

はい。プライマリケアとは、風邪をひいた、定期的に高血圧・糖尿病の薬が必要など、日常的に医療が必要となる症状の際に受診していただき、日常的に起こる健康問題の解決をめざすものです。このまま様子を見てよいのか、入院して手術をしなければいけないのかを判断し、必要に応じて他院と連携します。当院では、必要なら私が籍を置く新成病院と連携し、検査・手術を行っています。予防医療については、高血圧症や糖尿病は自覚がないままリスクが高まる病気です。極端な話をするならば、血圧の薬を服用しない場合、ひいては命を落とすことにもつながります。このようなリスクを軽減するためにも、当院では血圧測定や相談だけも歓迎します。仕事終わりでかかりつけの病院が閉まっていたら、当院に駆け込んでいただいても構いません。「夜間のかかりつけ医」として利用してもらい、予防医療の意識を高めていただきたいと思います。

クリニックの設備についても教えてください。

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック4

通常の正面入り口とは別のエレベーター入り口から出入りできる、発熱者の外来を設けています。他の患者さんとはまったく会わなくて済む造りになっており、3ブースあるので、同時に3人一緒に診ることも可能です。新型コロナウイルス流行中は大変な思いをしましたが、当時から発熱の患者さんを多く対応してきたことで、患者さんにも「発熱・新型コロナウイルスの対応をしてくれるクリニック」と見てもらえるようになったかなと思えますね。発熱を訴えるなど感染症の可能性がある人は、話を聞いた上で判断し、エレベーター入り口から入っていただくようにしています。その他の当院の設備として、エックス線検査室を設けていることに加え、エコー検査にも対応しています。症状を問わず幅広く受け入れるスタンスなので、まずは症状の原因を特定できるように努めています。

健康でいるためにクリニックを活用してほしい

診療において大事にしていることは何ですか?

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック5

患者さんに敬意を払うことが一番ですが、加えて優しさを持つことでしょうか。私がまだ若く、研修医だった頃は、夜中に解熱剤だけ取りに来る患者さんを、「なんでこんな時間に取りに来るんだろう……」といった思いで見ていたこともありました。けれど、自分が30・40代になって家族を持ち、子どもを持つようになって、実際に大変で、夜中に薬を取りに行かざるを得ない時もあると実感しました。そんなふうに、患者さんの気持ちを思えば優しくなれるような気がします。患者さんに対しては、本当に困っているんだろうなという思いで、優しさを持って、患者さんと目線を合わせて接するようにしています。

医師として、先生がやりがいを感じるのはどんな時でしょう?

自分が勉強してきたこと、手術でやってきたことが、患者さんにプラスの貢献につながった時はとても満足感がありますね。というか、それしかありません(笑)。私は、ここを開院する以前はずっと外科のトレーニングを積み、外科医として働いて来ました。今も昼間は、連携する新成病院で診療やオペを行っています。夜間にここで診療して症状の原因を見つけ、翌日新成病院でオペをしてまたクリニックで診療するというのが、連携の中で一番望んでいたことですから、やっぱりこれが達成されるとうれしいですね。また、私の診断が検査結果と一致したときも、これまでの経験や努力が報われるような思いになります。私1人で夜間まで診療するスタイルは大変ではありますがが、私の診療が患者さんを元気にすることにつながると思えば、精神的な疲労はほとんど感じません。自分の体力が続く限りは続けていきたいと思っています。

最後に、今後の展望と患者さんへのメッセージをお願いします。

北薗巌院長 夜間休日診療所 キタゾノクリニック6

やはり生活習慣病に気をつけてしっかり健康管理をしてくださいねと。例えば、40代ぐらいから血圧が高くなれば、予防的に薬を飲まないといけませんが、自覚症状がないので気づかず、気づいた時には悪化していることが多いです。40代、50代の方は、ぜひ自分の体を大事にしてほしいですし、そのために当院を使っていただけたらなと思います。薬が続けられることで健康の維持が見込める方もいますから、昼間に薬を取りに行けない方はぜひ当院をご活用ください。遠慮なく来てもらえるとうれしいです。